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『数学は美しい?』

2006-04-02 | 真実の世界
本を買いました。『世にも美しい数学入門』というタイトルだけを聞けばなんてマニアックな!と思うような本です。博士の愛した数式、を書いた小川洋子さんと数学家の藤原正彦さんとの対談をまとめた本です。

数学がとっても嫌いでした。
超がつくくらい文系の学校にいて、高校1年生で数学が終わりました。数学をしなくても英語とか国語とかで授業が埋まっていたので、何とかなっていたのかな。とにかく、次に数学をみたのが受験前で、ヒィヒィ言いながら勉強してみたり。でも結局推薦入試で役に立たなかったりしましたが。(余談:おかげで、大学に入ってから統計学とか生化学、微生物学とかで現れる数式の意味がわからず苦労しました。)

そんな私が、こんなマニアックな本!
小川さんが書いた博士の愛した数式の威力が凄かった、としか言いようがありません。
事故によって80分しか記憶が持たない博士、その家に勤める家政婦、家政婦の息子。この3人の関わり方が見事でした。博士は数学家で、全てを数字にたとえてしまうような人。家政婦の靴のサイズが24だと知ったら、「24は素敵な数字だね。1から4までの累乗だ」と、気負いもせずに自然に言葉に出るくらい数字に浸っている人。小川さんの博士の愛した数式は、家族の関わり方、と共に端々に現れる数式の美しさが私を魅了します。
フツーにみてたらただの数字が、ちょっと手を加えて視点を変えてみていくだけで永遠に覆されない定理が見えてくる。独特の視点やセンス、美的感覚とでもいえばいいのかな。数字で割り切っていくイメージの固くて冷たい数字が、視点を変えるだけで生き生きとした存在を見せてくれるなぁと本を読むと思います。
難しい数学の定理とか証明とかサッパリわからないけど、『あぁ綺麗なぁ』って自然と思えるのでヤッパリ美しいんでしょうね。

数学家さん曰く、一生懸命に研究するのは数学の美しさを見るため。そしてその美しさは神様が作った秩序の美しさ、なんだそうで。科学とか数学とかをきわめると神様の存在は薄くなんのかな?と思っていたけれど、逆に強くなっていくようです。神様の創った世界は見えないようなところまで、凄い美しいってことかな。