さわやか易

人生も歴史もドラマとして描いております。易の法則とともに考えると現代がかかえる難問題の解決法が見えてきます。(猶興)

「乾為天」(その3)九三、九四

2024-08-11 | さわやか易・講座

「九三、君子終日乾乾、夕(ゆうべ)に掦若(てきじゃく)たり、厲(あやう)けれども咎(とが)无し。」

九三の位は働き盛りの位置。朝から勤め励み、怠ることなく、疲れることもない。一日中働いた後、夕方には深く恐れ、深く憂いて、自ら警める。危険な地位ではあるが、咎めはないだろう。

六爻の中では、三爻と四爻は危険な位置とされる。地位では三爻は課長、部長にあたり、建設会社であれば現場監督、銀行なら支店長というところ。終日忙しく、責任は重い。部下にも気を使い、上の役員にも忖度せねばならず、ミスは許されない。

「終日乾乾」乾為天の乾の字を使っている。それ程、「乾為天」を象徴するほど、働きぶりを期待されている。

「夕に掦若」とは働いた後に、深く反省し、明日の糧にしなくてはいけない。仕事と同時に道徳的完成を目指して、修養を続けねばならない。

厲けれども咎无し」わざわざ「厲(あやう)けれども」とあるは、よほどこの地位が危険な地位であるかを、表している。ここは陽の位置であるので、九三はまだ良いが、陰爻が来ると六三となり、最も危険、過ちを犯しやすい地位とされている。

「九四、或は踊り、淵に在り、咎无し。

九四の地位も危険な地位である。天子を補佐する立場にあり、ある時は天子の代わりを務め、ある時は修養に努めているので、咎めはない。会社で言えば、新任の役員のようなもので、何か不祥事でも生ずれば、社長の代理として解決に当たらねばならない。

或は踊り」は時には社長に代わって、全責任を負い、世界中を飛び回ることもある。

淵に在り」は「或は」が省略されているが、時には社員たちの陣頭指揮をし、時には社員を労ってやる。身を低くして、お客様の苦情に応じることもある。又、自分の道徳修養に密かに時を過ごすこともある。そうしていれば、咎めはないだろう。

六爻を大きく天、地、人と分けると、初爻と二爻を地、三爻と四爻を人、五爻と上爻を天とする。人に当たる三と四は危険な爻と見る。九四も「厲けれども」が省略されているが、危険な地位である。

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