ラリー・ページ(左)とセルゲイ・プリン(共に1973~)
ファーストフードチェーンの「マクドナルド」創業者レイ・クロック(1902~1984)も、コーヒーショップチェーンの「スターバックス」CEOのハワード・シュルツ(1953~)も、映画監督のスティーブン・スピルバーグ(1946~)もユダヤ人である。現在のアメリカではあるゆる分野に目覚ましい活躍を遂げているのがユダヤ人なのだ。中でもIT産業でのイノベーションを起こした創業者、CEOは軒並みユダヤ系であることには驚かされる。
「GAFAM」とは言わずと知れたIT企業の雄である5社、「Google」、「Amazon」、「Facebook」、「Apple」、「Microsoft」の頭文字を並べた呼び名である。2020年の日経新聞によると、この5社の時価総額は計560兆円となり、日本の東証一部2170社の合計を上回ったと報じている。日本の大企業が束になって、かかっても勝てない数字なのである。「Amazon」を除く5社は、かつてヨーロッパで迫害に遭っていたユダヤ民族の末裔たちが、1990年代から2000年代に創業し、巨大企業に成長させ世界をけん引しているのである。
マーク・ザッカーバーグ(1984~)
世界最大の検索エンジンで知られる「Google」の創業者ラリー・ページとセルゲイ・プリンは二人ともスタンフォード大学の博士課程に在籍していた。「Google」は二人が1998年、25歳の時に創業した。「世界中の情報を整理し、世界中の人々がアクセスできて使えるようにすること」これを経営理念に掲げている。従業員の行動基準の一つには「邪悪になるな」がある。
「Facebook」を創業したマーク・ザッカーバーグは、ハーバード大学の学生時代に友人どうしがオンラインで情報交換するために2004年に作った。次第に範囲を広げ、ついには世界中に広がったものである。2010年にはアクセス数が「Google」を抜き、2012年には世界中に10億人のユーザーをもつ世界最大のSNSになった。「Google」と並ぶ「世界最大の広告企業」となる。
アーサー・ロック(1926~)
シリコンバレーの黎明期、1961年にニューヨーク出身のユダヤ人アーサー・ロック(1926~)が、最初期のベンチャーキャピタル「Davis & Rock」を設立し、「Intel」や「Apple」に投資したことが起源である。スティーブ・バルマー(1956~)はビル・ゲイツのハーバード大学時代からの友人で2001年から「Microsoft」のCEOになり同社を大企業に成長させた。アーサー・D・レビンソン(1950~)は「Google」から独立した「Calico」のCEOであり、「Apple」の現会長でもある。パソコン業界初の直販会社「デル」を創業したマイケル・デル(1965~)、「Oracle」創業者のラリー・エリソン(1944~)などもいる。
2019年の経済誌「フォーブス」世界長者番付によると、トップ10に「Oracle」創業者のラリー・エリソン、「Facebook」創業者のマーク・ザッカーバーグ、「Bloomberg」創業者のマイケル・ブルームバーグ、「Google」創業者のラリー・ペイジとセルゲイ・プリン、テクノロジー企業の創業者が名を連ね、トップ20の30%、トップ50の20%、トップ200の19%がユダヤ人という結果になっている。
~~さわやか易の見方~~
「火天大有」の卦。「大有」は豊かで穀物が倉庫に満ち溢れている様である。火は太陽、太陽が中天高く昇り、光と熱をふんだんに隅々まで放っているのである。これ以上の盛運はない。積極的に行動すれば良い。しかし、盛運には必ずつまずきの要因が潜んでいることには注意を払わなくてはいけない。
アメリカの中枢は「WASP」と言われていた。つまり、「ホワイト、アングロ・サクソン、プロテスタント」である。それがいつの間にか、アメリカの中枢はユダヤ系に置き換わっていると言わざるを得ない。政界も金融界も法曹界もメディアも産業界もそうである。3000年のユダヤ民族の歴史を振り返れば、驚きと同時に感無量である。迫害に耐え続けたユダヤ民族についに花が開く時が来た。今後のユダヤ民族の歴史にはどんな道があるのだろうか。(完)
お付き合いいただきありがとうございました。