ちょっと
2009-11-20 | 自然
前々からある話なんですが.
そろそろこのブログでもコメントさせていただきます.
森林にCO2吸収を期待するってやつ.
ナンセンスです.
哲学者の内山節さんも,「森林に関するいかががわしい話」とおっしゃってました.
そもそも今問題になってるCO2濃度上昇は,現在の地球上の循環系にのってなかった化石CO2を大放出してることに起因するわけで.
それを,数百年という時間スケールではほぼプラマイゼロで循環させてる生態系(森林を含む)に,その問題の軽減をもとめようなんて考えが冷静に考えればおかしい.
それよりも,生物多様性という言葉で表現される,森林も含めた豊かな自然というのは,もっと別のサービスを人に対してしてくれているわけで.そっちのほうを評価しなければいけません.
CO2吸収という視点だけで自然をとらえるのは,自然にとって得意なことでもないことを求め,本当に得意な部分を奪ってしまうという.
人事にたとえれば,ある部下の本領を無視して,得意でもない仕事を与えている上
司のようなものなんです.これでは部下も会社もかわいそうです.
CO2吸収という御旗を変に利用しようとしてはいけません.
人として本当に温暖化のことを考えるなら,自然エネルギーと省エネを軸とするシステムに変えていくしかないです.蛇口がめいっぱい開きっぱなしで,なんだかんだスポンジにたよったって,どんどん流しの容量いっぱいに近づくだけです.残念ながら栓がぬけるわけではないので.