kamekutobu

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赤兵衛のWEシステム その後 パート2 

2010-05-04 09:23:02 | ジャズ&音楽

行くよ!今度はきっと行くよって 

親父の奴、ほんとにいつに行くんだよ

このままではオオカミ爺になってしまう。 

  

                     エルタス謹製ウェスタンシステム全景

中音ホーンはWE製から変更になっていました。

じゃ、親父、説明を頼むよ。

猿ヶ京の赤兵衛で2年、苗場プリンスホテルで1年、新潟市立美術館で1年半。幾多の変遷を経て、故郷に戻ってきました。

ここは元赤兵衛店主藤原さんが22歳の時、バイタボックスのコーナーホーンを入れるために作ったものだと言う。

と言うか、こう言うものを作りたいと親に無心したらしいのだ。

理解がある親を持って幸せ

と言うか、道楽息子を持った親はさぞ大変だと思う。

 

                  SP側から見たリスニングポジション

 面積は25畳位、天井高は一般の住宅より高い。10m位離れたところには道があり、車も通るが、音はほとんど入ってこない。

建物の遮音性を考えているのだろう。二重窓になっている。その窓からは小さな公園が見えました。

家具は赤兵衛時代から見慣れたもの。だから、初めてお邪魔したにもかかわらず、違和感がありません。

 

          フォノイコライザー、プリアンプ、SP励磁電源、パワーアンプ

 

             トランスドライブパワーアンプ(モノラル仕様)×2台

以前見たときはWE300B(あるいはA)だったと思ったが、今はJAN・・・・WE・・・に変わっていました。

この球は300B(A)より古い球で、出力は1Wだそうです。

技術的なことも訊きたかったのですが、藤原さんはそう言ったことは一向に興味はないようです。エルタスお任せなのです。

なお、JANはジャンクのこと。今は古物品、故障品の代名詞になっていますが、本来は軍放出品が語源だそうです。

軍規格品の球と言うことのようです。

今度、PICOに行ったら、軍用通信機の中を覗いてみます。多分、WEのパーツがごっそり入っていることでしょう。

デジカメのフラッシュを焚きましたら、SPから大きな「バシッ」と言う音がしました。

パワーアンプの球が拾っているらしいのです。

明かりは間接照明。全て白熱球でした。蛍光灯はノイズ源になる可能性があります。

    

         左側  EMT927(初期型)      右下 RCA業務用プレイヤー

今回の訪問の目的の一つがこのRCA業務用プレイヤーを見ることでした。

内部を見せてもらいました。

             RCAプレイヤーの内部1

ターンテーブルの下にはもう一つターンテーブルがあります。慣性質量を増やし、回転を滑らかにするためと思われます。

この軸の下に可変回転モーターを直付けすれば、ダイレクトドライブ・プレイヤーになります。

                           RCAプレイヤーの内部2

縦軸に90度に交差する横軸があり、両軸の交差部にギアが内蔵されているはずですが、直接見ることはできません。

横軸にはモーターが直付けされています。ギア比を変え、回転数を落とし、縦軸に伝えているものと想像されます。

ですから、ギアドライブプレイヤーと言うべきものなのです。

このプレーヤーは完全オリジナルではありません。オリジナルのままでは、回転の制御が完全にはできない。また、ゴロが大きく、実際の使用には問題があることが分かり、改良を加えたようです。

左側に見えるコンデンサー?、回転調整用つまみ?は後付されたものです。

                          駆動用モーター

ゴロの原因の一つはモーターの劣化。いろいろ工夫したようでしたが、結局、オリジナルモーターは諦め、新たに別のモーターを加えることになりました。

オリジナルモーターの軸に平行に新モーターを付け加え、ベルトで、オリジナルのモーター軸を回しているのです。

オリジナル性は極力残しながらも、改良を加えると言うのがエルタス流のようです。いろいろ試した結果、結局4年?の月日が必要だったのです。

それでも、完全にゴロ音がなくなってはいません。

現在のプレイヤーはモーターからの振動から逃れるための工夫を汲々としているのですが、

今から思うと、当時はかなりおおざっぱなことをしていたようです。

                 ボックス内部に貼り付けてあった銘紙

このプレイヤーの形式が分かりました。

レコード円盤台 形式 70-A て、訳せば良いのだろうか。

                         WE?製アーム&エルタス製モノカートリッジ

?を加えたのは元々、このアームは現在J型アームになっていますが、オリジナルはストレートアームだったのです。ステレオ再生を意識して、変更したようです。

インサイドフォースキャンセラーも何もない。当時、針圧は10g以上だった。今は8g位掛けているようです。これだけ掛ければインサイドフォースキャンセラーは入らないかもしれません。専用カートリッジなら、針圧調整もいらないかもしれません。

でも、針圧の調整は出来ます。どうするかと言うと、アームの上に丸い金属片が見えますが、これを前後に移動するのです。原始的と言えば原始的ですが、十分なのでしょう。

ゴロ音を拾いそう、アームの追従性は良くなさそう て不安に思うのは私だけではないでしょう。

それは杞憂に終わるのですが・・・・

 

余談ですが、レコードの音が悪くなった理由にはいくつかあるそうです。モノラルがステレオになったこと。アームがガッチリした角形から軽量アームになったこと。

                             SP

今まで、広い場所に置かれていましたが、限られた空間(とは言っても私から見れば贅沢な空間)に移ってきましたので、変更がありました。

12開口の巨大なマルチセルラーホーンから、10開口のマルチセルラーホーンに変わりました。

低音ボックスは一度、二回りほど小さなものに変えられましたが、やはり不満が生じ、元に戻したそうです。本来、両翼にバッフル板が付くはずなのですが、スペース上は流石に無理だったようです。

ツイターはホーンの上に載せられていました。理由を訊きましたところ、「音のスピードが速いから奥に」と言ってました。

ウーファー、中音ドライバー、ツイターの振動板の位置はほぼ揃っていると思います。(赤兵衛のWEシステム その後の画像 http://pub.ne.jp/kamekutobu/?entry_id=177289#more )と比べて下さい。

バッフルがなくなり、低域不足を心配しましたが、そんなことはありませんでした。コーナーに置かれているため、ホーン効果もあるのかもしれません。

さて、肝心の音の印象ですが 、言葉で説明することができません。

限られた時間の中、十分と言えませんが、ジャズ、ボーカルを中心に聴かせて頂きました。

今度お邪魔するときは、是非、夜、バーボンを携えて行きたいと考えてます。

 

親父、ご苦労さん!

SACDプレイヤー持参したみたいだけど、持ち出さなくて良かった。

少しは空気が読めるようになったようだ。

 

*再掲

埼玉県越谷市恩間新田402

℡ 090-2536-2986 藤原 健

愛好者の訪問を心待ちしています。

予約制なので、予め電話して下さい。

お代はお一人2,000円(コーヒー付き)

お出掛けの際には、是非、愛用のレコード、CDをご持参下さい。


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