やんちゃでいこう

5歳の冷めた男の子の独り言

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本音

2014-08-19 07:35:17 | 小説
ゴミ当番の日だ。

古い新聞や雑誌を束ねていた。

そこにいつの間にやら、君が立っていた。

何をしているの?

そんな表情でこちらを見ながら立っている。

「よう!」

俺は声をかけた。

「ひとりで束ねたん?」

「そーや」

「頑張ったね~」

そこには12の束がある。

「凄いやろ」

その会話で終わったと思ったが、彼女はその場を離れずにいる。

それを見ていると、つい本音を呟いてしまう。

「おまえ、可愛いよな~」

「えっ?」

「可愛いなって」

「・・・ありがとう」

少し返事に困った顔だ。

それでもじっと彼女を見ていた。

少しおどおどしながら、彼女は次の言葉を探している。

「誉められても何も出ーへんよ」

「何も出ーへんの?期待しとったのに・・・」

「ははは。何も出ませーん」

「仕方ないな。何か貰えそうならもう一度言うよ」

「ちゃんと見てないとわからないよ~」

「見てるわ。いつでもおまえのことを」

思わずもう一度本音が出た。

それを振り返って聞く君。

横に流れるロングヘアーから白い歯がこぼれる。

「ありがとう」

今度は本心からの言葉に聞こえた。

いつか君は・・・・。

俺の横に居ることが普通になると・・・そう信じたくなる。

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