久しぶりに、大学院の民法演習の話です。
いや、別に大学院は「ゼミ」ではないので、書く必要はないかとも思うのですが、大学院の講義はどれも「ゼミ」みたいなものだから、学部生の参考になるかとも・・・
「不法原因給付における給付物の所有権の帰趨」から始まった今年度の民法演習(物権法)、給付受領者への所有権の帰属と同人からの移転登記請求を認めた最高裁昭和45年10月21日大法廷判決を読み、ついで、同様の事案でありながら、「給付」要件を満たしていないとして708条の適用を否定することで、給付受領者への所有権帰属も移転登記請求も認めなかった最高裁昭和46年10月28日判決を読み・・・
ここまでは開講時に決まっていましたが、その後、どう展開するかは未定でした。
厳密にいうと、全く何も考えていなかったわけではありませんでしたが、ここから「権利を争う関係にある当事者の一方が他方に対し自分の権利を主張できない場合、権利は他方に確定的に帰属するのか、それが肯定されるとして、その権利に見合った公示に協力するよう、相手方である一方当事者に求めることができるのか」という方向へ行くのか、それとも、「物権的請求権と不当利得返還請求権の関係」という請求権競合論の方向へ行くのか、どちらも扱うのか、どちらも扱うとして、どちらを先に扱うのか・・・は決まっていなかったのです。
それは、受講生の知識や関心、議論の流れを見てから決めよう、と思っていました。
で、今、どうなっているかというと・・・
前者の方向で展開しています。
ただ、最初は「権利を争う関係にある当事者の一方が他方に対し自分の権利を主張できない場合、権利は他方に確定的に帰属するのか」との関係で、背信的悪意者からの善意転得者(最高裁平成8年10月29日判決)の問題へ行こうと思っていましたが、「登記請求権」との絡みで、先に、通行地役権に関する2つの平成10年判決(未登記の通行地役権につき善意有過失の承役地承継人を「登記の欠缺を主張する正当の利益を有しない第三者」とした2月13日判決と、そのような事例での登記請求権を肯定した12月18日判決)をとりあげることになりました。
今週の金曜日は、平成10年12月18日判決の「登記請求の根拠」を考え、その後、平成8年判決へと進みたいと考えています。
昔、関西ローカルで、「夜はクネクネ」という番組がありました。
といっても、カジタマニュースの読者で知る人はほとんどいないでしょう(ご両親が関西出身なら聞いてごらん!)。
深夜番組であるにもかかわらず、大層人気のあった番組ですが、企画自体は、あのねのねの原田さん(今、CMで青汁飲んではりますね)とMBSの角アナウンサー(関西ローカルで、午後の帯番組、ちちんぷいぷいを担当してはります)が町を歩き、そこで出会った人といろいろトークする、というだけのシンプルかつ行き当たりばったりのものでした。
ただ、「行き当たりばったり」というのは、予測不能な事態のもとで適切な舵取りが求められるわけですから、2人にかかるプレッシャーは並々ならぬものだったろうと思います。
大学院の演習もクネクネ・・・
毎度、私は緊張しながらも、楽しく舵取りをしています。
何でもシラバス・授業計画が要求される昨今の傾向には逆らっていますが、ゼミ・演習というのは、本来、こういうのじゃないかと私は思うのです。
講義がクネクネだと困りますけどね。
いや、別に大学院は「ゼミ」ではないので、書く必要はないかとも思うのですが、大学院の講義はどれも「ゼミ」みたいなものだから、学部生の参考になるかとも・・・
「不法原因給付における給付物の所有権の帰趨」から始まった今年度の民法演習(物権法)、給付受領者への所有権の帰属と同人からの移転登記請求を認めた最高裁昭和45年10月21日大法廷判決を読み、ついで、同様の事案でありながら、「給付」要件を満たしていないとして708条の適用を否定することで、給付受領者への所有権帰属も移転登記請求も認めなかった最高裁昭和46年10月28日判決を読み・・・
ここまでは開講時に決まっていましたが、その後、どう展開するかは未定でした。
厳密にいうと、全く何も考えていなかったわけではありませんでしたが、ここから「権利を争う関係にある当事者の一方が他方に対し自分の権利を主張できない場合、権利は他方に確定的に帰属するのか、それが肯定されるとして、その権利に見合った公示に協力するよう、相手方である一方当事者に求めることができるのか」という方向へ行くのか、それとも、「物権的請求権と不当利得返還請求権の関係」という請求権競合論の方向へ行くのか、どちらも扱うのか、どちらも扱うとして、どちらを先に扱うのか・・・は決まっていなかったのです。
それは、受講生の知識や関心、議論の流れを見てから決めよう、と思っていました。
で、今、どうなっているかというと・・・
前者の方向で展開しています。
ただ、最初は「権利を争う関係にある当事者の一方が他方に対し自分の権利を主張できない場合、権利は他方に確定的に帰属するのか」との関係で、背信的悪意者からの善意転得者(最高裁平成8年10月29日判決)の問題へ行こうと思っていましたが、「登記請求権」との絡みで、先に、通行地役権に関する2つの平成10年判決(未登記の通行地役権につき善意有過失の承役地承継人を「登記の欠缺を主張する正当の利益を有しない第三者」とした2月13日判決と、そのような事例での登記請求権を肯定した12月18日判決)をとりあげることになりました。
今週の金曜日は、平成10年12月18日判決の「登記請求の根拠」を考え、その後、平成8年判決へと進みたいと考えています。
昔、関西ローカルで、「夜はクネクネ」という番組がありました。
といっても、カジタマニュースの読者で知る人はほとんどいないでしょう(ご両親が関西出身なら聞いてごらん!)。
深夜番組であるにもかかわらず、大層人気のあった番組ですが、企画自体は、あのねのねの原田さん(今、CMで青汁飲んではりますね)とMBSの角アナウンサー(関西ローカルで、午後の帯番組、ちちんぷいぷいを担当してはります)が町を歩き、そこで出会った人といろいろトークする、というだけのシンプルかつ行き当たりばったりのものでした。
ただ、「行き当たりばったり」というのは、予測不能な事態のもとで適切な舵取りが求められるわけですから、2人にかかるプレッシャーは並々ならぬものだったろうと思います。
大学院の演習もクネクネ・・・
毎度、私は緊張しながらも、楽しく舵取りをしています。
何でもシラバス・授業計画が要求される昨今の傾向には逆らっていますが、ゼミ・演習というのは、本来、こういうのじゃないかと私は思うのです。
講義がクネクネだと困りますけどね。