Kajitama News

同志社大学法学部梶山ゼミの連絡板です。

新学長

2019-11-09 20:12:00 | お知らせ
昨日の夜から、ネットニュースでは、うちの大学の名前がたくさん出ています。
悪いニュースじゃありません。
新学長が決まった…という話です。

分かっていたことではあるけれど、相変わらず、メディアは「初の女性〇〇」に飛びつくなぁと苦笑い。

選出された彼女は私と同い年ですが、私たちは、学部在学中に雇用機会均等法が施行された世代、
学部卒業から30年経ちましたが、まだ「初の女性〇〇」…女性であることが注目されなくなる日は、まだ先のようです。
そういえば、私も、「法学部で女性初の教員」でしたっけ笑

彼女は今回、抱負の中で、ダイバーシティーについて触れました。
ダイバーシティー、いい言葉ですけど、言うは易し、行うは難し…本気でやろうとすれば、覚悟が要ります。
言葉の通じない人を受け入れる、
同じようには働けない人を受け入れる、
価値観の異なる人を受け入れる、
そこには、当然コストがかかります。
みんな、少しずつガマンする必要があります。
そして、「ダイバーシティーなんて糞食らえだ」という人も、受け入れなければならない…
障がい学生支援に関わって一層、軽々しくは使えない言葉だと私は思うようになりました。

それでも、彼女には、その覚悟があるんだろうと思っています。

私たちの世代は、均等法の第1世代ではありますが、今も仕事を続けている人は、それほど多くありません。
法律が変わって、機会は「均等」になっても(それ自体も怪しいものでしたが)、「男性並みに」、いや、場合によっては「男性以上に」働くことができないと、辞めざるを得ない…
いつだったか、一緒に飲んだ同級生が、「ムスメにね、お母さんの世代は、おじさん化してる、価値観がおじさんだって言われる」って嘆いていて、ちょっと笑ってしまったけれど、ま、なんとなく、分かります。
少し前、Me Too に関して、別の同級生が、「私たちの世代が、セクハラなどに対して、もっと毅然とした態度をとっていれば…」としきりに反省していて…何があっても平気な顔でやり過ごす、それも、同じようなことですよね。
ただ、「敵」は別に男性とは限らず、私が最初に強烈なパンチを受けたのは女性職員さんからでしたけどね。

ま、そんな時代を「しなやかに」生きてきた人、
同世代の友だちは、結婚や出産を機に仕事を辞め、あるいは、リストラされ、あるいは、親の介護に疲れ、あるいは、不妊治療に多額を投じ、あるいは、自ら病気を抱え…それも、身近に見聞きしてきた人、
だからこそ、ダイバーシティーを実現できるんじゃないかと思っています。

大学というところは、学部が違うと、知り合いになる機会が意外とありません。
彼女とは、学内の集まりで知り合い、その帰り、タクシーに一緒に乗り、同い年であることが分かって…仲良くなりました。
ガサツな私とはタイプがまるで違うのですけれどね。

数年前、彼女から言われて、障がい学生支援の仕事を引き受けました。
制度改革が上手く進まなかったため、「シラバスに合理的配慮の記載を…」という話を教務に持ち込んだときは、もう来年度のシラバスの方針が固まっていた時期、
本来なら、「時間切れアウト、来年度はムリだから、再来年度からね」と門前払いされるところでしたが、当時、教育機構長だった彼女(と現在、教務部長のO先生)が「大事なこと、ぜひ、来年度からやりましょう!」と二つ返事で了承し、全面的に協力してくれました。
物静かではありますが、芯のしっかりした人。
私の中では、「カラー」という花のイメージなんですよね。色は…白かな。

決して女性だから、ではなく、
同世代だから、でもなく、
友だちだから、でもなく笑、
いい人が選ばれたと私は思っています。
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