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漢方を利用した食養生・・・長崎から

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ストレスにやさしい生薬のいろいろ 第10回 潜陽作用のある生薬 竜骨(りゅうこつ)・牡蠣(ぼれい)

2009-12-09 15:17:14 | 漢方・薬用植物


今回のテーマは「潜陽作用のある生薬 竜骨(りゅうこつ)・牡蠣(ぼれい)」です。

竜骨は中国語で longgu (ロンクー)、大型の哺乳類の骨の化石のことですが、なかには恐竜の化石も含まれ、これが竜骨
の語源とも言われるようです。

個人的見解ですが中国の人は、竜が好きなイメージがありませんか?竜、ドラゴン、何となく中国の響きがあります。

それでは

 第10回:潜陽作用のある生薬 竜骨(りゅうこつ)・牡蠣(ぼれい)


 激しいストレスや、ストレスが長期間加わり気が一カ所に鬱積すると熱が生まれます。
熱はやがては上に向かって燃え上がり、のぼせ・顔や目が赤い・動悸・息苦しい・イラ
イラ指摘持ちが落ち着かない・不眠・頭痛などの症状が起きます。現代医学では高血
圧傾向にある方にこのような症状がよく現れます。


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 中医学では「肝陽上亢(かんようじょうこう)」あるいは「肝火上炎
(かんかじょうえん)」などと言います。このような状態では、やがて
は脳に影響して脳溢血やクモ膜下出血などを引き起こす可能性が
強くなるので早めに対処する必要があります。





 燃え上がった火を鎮静させて高ぶった気持ちを鎮めることを「平肝潜陽(へいかんせんよう)」
あるいは「重鎮安神(じゅうちんあんじん)」と言い、治療には重量があり下に沈む性質のある
竜骨(りゅうこつ)・牡蠣(ぼれい)などが使われます。

 竜骨(りゅうこつ)は古代の哺乳類の化石で、古くは不老不死の薬として皇帝にも献上された
こともあり、有名な甲骨文字は竜骨(りゅうこつ)に刻まれたものから偶然発見されたものです。
普段からのぼせやすく、めまい・頭痛がよく起き、興奮して眠れないことが多いなどの症状を
伴う場合によく使われます。

 
牡蠣(ぼれい)は『海のミルク』とも呼ばれるくらい栄養豊富なカキの殻で、漢方薬としては
身よりも殻の方がよく使用されます。

 カルシウムが不足するとイライラしやすくなるということはよく知られていますが、牡蠣
(ぼれい)にはカルシウムが豊富で現代医学的にもその効果は確認されています。

 肝陽上亢(かにょうじょうこう)ではめまい・頭痛だけでなく緊張のため手が震えたり、体が
こわばってしまい思うように動けなくなることがあります。このような状態はまるで体の中を風
(ふう)が吹き、活動の自由が奪われたようなので「肝風内動(かんぷうないどう)」と呼びます。
牡蠣(ぼれい)には高ぶった気(き)を鎮めるだけでなく、熱によって消耗した潤いを補い、肝の
機能を調節して震えを軽減する働きがあるので、このような症状がある場合もよく使います。

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付録:一行生薬百科;
      生薬名/基原/薬性/薬味/効能

竜骨(りゅうこつ)/哺乳動物の化石/平/甘渋/強壮、鎮痙、利尿

牡蠣(ぼれい)/カキの貝殻/涼/鹹渋/収斂、鎮静

参考:

甲骨文字:甲骨文ともいう。

Wikipediaによると、

1899年、当時のの国子監祭酒であった王懿栄は、持病のマラリアの治療薬として、
竜骨と呼ばれていた骨を薬剤店から購入していたが、粉にする前のその骨に何か
文字が書いてあることを発見して、驚いて薬剤店から竜骨を大量に買い集め、同じ
ことを知った研究者たちも竜骨を買い集めたというのがよく言われる逸話である。

この逸話が真実か否かは不明であるが、研究が始まったのが1899年の前後である
こと、その先駆者も王懿栄であることには変りない。

その後、甲骨を買い集める人が増えたのに目をつけて、何も書いていない骨に文字
を刻み付けて売ることが多くあったと言われる。甲骨が出土していたのは殷墟
河南省安陽市の近郊、小屯村の近く)であり、かなり前から農民により発掘されて
いたが、価値を知らない農民は大部分を捨ててしまっていたという。

19世紀末期の中国古代史界では、疑古派と呼ばれる『過去の記録を疑う』方針の考え
が強かった。『史記』にはの系譜が並べられているが、これも全て架空の存在と
考えられていた。ところが、発見された甲骨に、『史記』とほぼ一致する帝の名前が確認
されたことで、殷の実在性が疑いのないものとなった。」

亀の甲羅に書かれた甲骨文(レプリカ).jpg  亀の甲羅に書かれた甲骨文(レプリカ)

<次回以降予定>
 
 
   第11回:気虚を改善する生薬・・1 シベリア人参(にんじん)・紅景天(こうけいてん)
   第12回:気虚を改善する生薬・・2 白朮(びゃくじゅつ)・黄耆(おうぎ)
   第13回:血虚を改善する生薬・・1 当帰(とうき)
 
  
 順次更新していきます。

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