漢方を利用した食養生・・・長崎から

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ストレスにやさしい生薬のいろいろ 第21回 痰をとる生薬・・・2 竹茹(ちくじょ)・沙棘(さーじ)

2010-01-23 20:56:02 | 漢方・薬用植物


今回のテーマは痰をとる生薬・・・2 竹茹(ちくじょ)・沙棘(さーじ)です。

竹茹は竹の桿の内層を乾燥させた物です。竹は日本を含むアジアにしかないと思っていましたが、
前にブラジルで日本の種類とはちがっていましたが、見た事があり驚いた記憶があります。

ホウライチクのものを主として言うようですが、私の田舎高知ではホウライチクのことをシンニョウ
チクと呼んでいました。

私はタケノコが大好きで春になると山菜採りに良く出かけるのですが、破竹のタケノコはレンジにかけるか
さっと焼いて酢味噌を付けて食べるととても美味しいです。

沙棘(さーじ)は日本で言えばグミの実ですが、これも私の田舎では良く食したものです。塩を振りかけて
食べると酸っぱさと甘さが入り交じって何とも言えない味わいです。


それでは

第21回:痰をとる生薬・・・2 竹茹(ちくじょ)・沙棘(さーじ)


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Chikuzyo.jpg





★竹からつくったキョ痰(きょたん)剤・・・竹茹(ちくじょ)

 心配事が無事解決したときによく「溜飲が下がる」と表現しますが、この溜飲も中医学でいう
痰(たん)の仲間です。ストレスが慢性化すると痰(たん)が生まれ時間とともに熱を帯び、胸の
中に熱い塊がつかえたような感じがして、落ち着かない・驚きやすい・不安・不眠・胃がむかつ
き、吐き気がするなどの症状が現れる事があります。

 このような時に使用されるのがイネ科の植物であるホウライチクを乾燥させて作った竹茹
(ちくじょ)という生薬(しょうやく)です。清熱(せいねつ)・キョ痰(きょたん)・止嘔などの働きが
あり、痰熱(たんねつ)による症状を和らげます。

Sahji.jpg

★フラボノイドが豊富な沙棘(さーじ)

 厳しい環境に育つ植物には抗ストレス作用を持つものが少なくありませんが、グミ科の植物
である沙棘(さーじ)もその中のひとつです。

 沙棘(さーじ)パワーの秘密はフラボノイドで、同じようにフラボノイドを含むイチョウ葉より遙
かに優れています。心臓に豊富な血液を供給することにより心臓を保護する、抗酸化に優れ
動脈硬化を予防する、血圧・血糖・コレストロール・血液粘度を低下して生活習慣病を予防す
るなど・・・・・まさにストレスニよって起きるトラブルから体を守ってくれる救世主です。


付録:一行生薬百科;
      生薬名/基原/薬性/薬味/効能


竹茹(ちくじょ)/イネ科、ホウライチクの桿の内層/微寒/甘/止嘔、キョ痰、清熱

沙棘(さーじ)/グミ科の植物の果実/温/酸渋/止め咳、健脾、活血、益気


参考:

ホウライチク(蓬莱竹):Wikipediaより

ホウライチク(蓬莱竹)はイネ科ホウライチク属の多年生常緑竹である。地下茎を伸ばさず
株立状となるためバンブー類に分類される。東南アジアから中国南部にかけての熱帯地
域を原産とし、桿の繊維を火縄銃の火縄の材料とするため日本へ渡来し、中部地方以西
に植栽されている。

桿の高さは3~8メートル程、直径は2~3cm。節間は20~50cmと長く、節からは多くの小枝
が束状に出る。葉は枝先に3~9枚ずつでやや密に束生し、長さ6~15cmの狭披針形で先は
鋭く尖り、葉脈は平行脈のみで、横脈を欠く。タケノコは初夏から秋にかけて。

桿が肉厚で重く水に沈むことからチンチク(沈竹)、タケノコが夏に生えるので土用竹、高知
ではシンニョウダケとも呼ばれる。

t_ホウライチク.jpg ホウライチク

竹:Wikipediaより

タケ(竹)とは広義には、イネ目イネ科タケ亜科のうち、木本(木)のように茎が木質化
する種の総称である。

しかし、通常の木本と異なり二次肥大成長はせず、これは草本(草)の特徴である。こ
のため、タケが草本か木本かは意見が分かれる(『木#定義を巡って』も参照)。ただし、
タケの近縁種は全て草本で木本は存在しないので、近縁種に限った話題では、近縁
の完全な草本と対比してタケは木本とされることが多い。

分類学的には従来、タケ連 (Bambuseae) にまとめられていた。しかし、単系統ではない
ことが判明し、分割が提案されている。

広義のタケは、その生育型から、狭義のタケ、ササ(笹)、バンブー (bamboo) の3つに
分けられる


t_タケ.jpg 竹


t_荒廃した竹林.jpg 荒廃した竹林


t_嵯峨野 竹の道.jpg 嵯峨野 竹の道


t_竹林 (瑞泉寺にて撮影).jpg 瑞泉寺 竹林


t_竹林 (林昌寺にて撮影).jpg 林晶寺 竹林

シーバックソーン:Wikipediaより

シーバックソーン(英語 Sea-buckthorn)はグミ科ヒッポファエ属(Hippophae)の落葉低木の総称。

果実は食用になり、最近健康食品として注目されている。ユーラシア大陸の中・北部に広く野生
するが、日本には野生せず、北海道などで試験的に栽培されているだけである。名前もシーバッ
クソーン、シーベリー(seaberry)、サジー(中国語:沙棘)、属名のヒッポファエなど様々な名で呼
ばれる。代表的な種Hippophae rhamnoidesにはスナジグミ(砂地茱萸)という和名が付けられている。

普通6種および12亜種に分類される。西はイギリスを含む西欧・北欧から東は中国・モンゴル・シ
ベリア、南はパキスタン・インドの高山まで分布する。特にH. rhamnoidesが西欧から中国西部まで
広く分布し、よく利用されている。中国ではこれを用いた砂漠緑化および果実の利用に力を入れて
いる。

t_シーバックソーン.jpg シーバックソーン


t_Sea-buckthorn-oliv.jpg シーバックソーンの実

グミ:Wikipediaより

グミ(茱萸、胡頽子)はグミ科グミ属(学名:Elaeagnus)の植物の総称で、果実は食用になる。
なお、グミは大和言葉であり、菓子のグミ(ドイツ語でゴムを意味する"Gummi"から)とは無
関係である。

常緑または落葉の低木でつる性のものもある。また常緑性種は耐陰性があるが耐寒性は
弱く、落葉樹性は強い。葉は互生し、葉や茎には毛が多い。また茎にはとげがある。花は
両性または単性、がくは黄色で筒状、先が4裂し、雄蕊が4本つく。花弁はない。挿し木、
取り木、接ぎ木などで簡単に増やせる。

前年枝の節から伸びた新梢に開花結実する。開花後がくの基部が果実を包んで肥厚し核
果様になる。果実は楕円形で赤く熟し、渋みと酸味、かすかな甘味があって食べられる。形
はサクランボに似る。リコピンを多く含むが、種によってはタンニンを含むため、渋みが強い
ことがある。ときおり虫が入っていることもあるので注意が必要である。

根にフランキア属の放線菌が共生し窒素固定を行うので、海岸などのやせた土地にも育つ。

方言名に「グイミ」がある。グイはとげのこと、ミは実のことをさし、これが縮まってグミとなった
といわれる。その他に中国地方ではビービーとも呼ばれている。


t_グミ.jpg グミ


t_Gumi1.jpg グミ



<次回以降予定>
   
   第22回:ストレスにやさしい生薬の特徴とその比較
   第23回:(最終回)ストレス解消大作戦 あなたはどのタイプ?
 
 順次更新していきます。

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