今回のテーマは香附子(こうぶし)です。
原料は嫌われものの雑草「ハマスゲ」の魂茎です。ハマスゲというのは、地下で根が全て
繋がっていますから、地上に出てる部分だけ引き抜いても効果ないんですね。根がまるで
あやとりの糸のように絡まっていることから、あやとり草なんて言う人もいるようです。
ゴルフ場なんかで一旦繁殖すると中々手の打ちようが無くなるんですね。除草剤を蒔けば
根絶するんですが同時に芝生もだめになる、従って芝もろともはぎ取って新たに芝を張り替え
るということで大変なんですね。
こういう嫌われ者ですが、薬用としてはストレスに非常な効果があります。何となくストレスに
強そうですもんね。
それでは
第09回:香附子(こうぶし)
香附子(こうぶし)はカヤツリグサ科の植物ハマスゲの魂茎で、芳香があり、性質は
平(へい)で、肝経(かんけい)に入ります。ハマスゲは関東以西の日本各地の日当
たりの良い砂浜や川原の砂地に生え、畑や公園では雑草として、薬でありながらむし
ろ嫌われています。
肝気(かんき)の滞(とどこお)りによるみぞおちの痛みやストレス性の胃痛などに
香附子(こうぶし)は用いられ、胃の働きを活発にし、消化管にたまったガスを取り除い
てくれます。
悩み・ストレスを原因とする、月経不順、生理痛に対し、香附子(こうぶし)は月経を
調節し、生理痛を止める作用があります。酢、塩、酒、しょうがなどで香附子(こうぶし)
を加工し、七製香附丸にし、中国では幅広く使っています。
現代中国の中医・中薬の学者らが、「気」を巡らす働きのある香附子(こうぶし)を丹参
(たんじん)、芍薬(しゃくやく)、川キュウ(せんきゅう)、紅花(こうか)などと配合し、冠元
顆粒(かんげんかりゅう)を作り出しました。「活血化オ(かっけつかお)」の薬として、血
液循環の改善だけでなく、胸の痛み、肩こり、胸苦しいみぞおちの痛みなどにもよく使
われています。
「ストレスは美容の大敵」です。ストレスがたまると気は滞(とどこお)り、イライラ、憂鬱
など自律神経失調症の症状と重なり合う琴が多く、目のまわりに小じわが出やすく、「気」
が滞(とどこお)れば「血」も「オ血(おけつ)」になりやすく、シミも出やすくなります。
香附子(こうぶし)を柴胡(さいこ)、芍薬(しゃくやく)、川キュウ(せんきゅう)などと配合し
た柴胡疎肝散(さいここかんさん)がストレスから来る諸症状の改善によく使われます。
柴胡疎肝散がなければ、柴胡(さいこ)を主薬とした星火逍遥丸(せいかしょうようがん)と
香附子(こうぶし)が含まれている冠元顆粒(かんげんかりゅう)と併用して使います。
参考:
川キュウのキュウ
オ血(おけつ)、活血化オ(かっけつかお)のオ
・ハマスゲ:
ハマスゲ(Cyperus rotundus L.)は単子葉植物カヤツリグサ科カヤツリグサ属の植物である。
スゲと名が付いているがスゲ属ではない。乾燥したところにもよく育つ多年草である。
地下に塊状の茎を持ち、細い縄のような匍匐茎を伸ばして広がる。まばらな群落を作るが、
それほど大きな集団を見ることは少ない。
根出葉をよく発達させる。葉は細くて長く、それほど硬くはなくてざらつかない。幅は2-6mm。
先端はゆるやかに垂れる。主脈の両側に膝があって断面は浅くM字状。深緑で非常に強い
つやがある。
初夏から秋にかけて花茎を出す。花茎はまっすぐに立ち、やや細くて深緑、やはり強い照り
がある。その先端に花序を付け、基部の苞は3枚ほど、長いものは花序より長いが、あまり
目立たない。花序は1回だけ分枝する。小穂は線形で長さ1.5-3cm程度、互いにやや寄り合
って数個ずつの束を作る。小穂の鱗片は血赤色で艶があるが、やや色が薄い場合もある。
果実は鱗片の半分程度。
ハマスゲ
Wikipediaより引用: http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%8F%E3%83%9E%E3%82%B9%E3%82%B2
・ 冠元顆粒: イスクラ産業製造、日本中医薬研究会会員店で販売
<次回以降予定>
第10回:桃仁(とうにん)
第11回:紅花(こうか)
第12回:紫河車(しかしゃ)
順次更新していきます。
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