花は散りおえ
まいおちる枯れ葉
木の実をついばむ小鳥
冬が来た
年齢とともに月日は加速していくが
動作はにぶくなっていくので
月日に 追いつけない
そのうち
月日も忘れるだろう
おだやかな波のようにくだけて
てのひらに残るものは わずかだ
けれど、
いかめしく首を振り
冬は 告げる
「そのわずかなものこそが、
輝くときもあるだろう」
わかりました
とわたしは頷く
そして 冬をみつめる
四方に
日差しが照りかえる
サクラガ
サクラガ サイタ
また、
来春
桜は咲くだろう
R4.11.7