ためになるけれど肩の凝らない読書。これ本好きの至福の一つではないかと思います。本書、岩崎夏海『もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの「マネジメント」を読んだら』(ダイヤモンド社・2009年12月)はそんな至福の数時間を与えてくれました。本稿は書評と本書の舞台と思しき日野市を探訪した報告です。
本書の舞台は、「東京の西部、関東平野が終わって多摩の丘陵地帯が始まる」(本書p.7)エリアにある . . . 本文を読む
■憲法の概念と国家の概念繰り返しますが、蓋し、「巨人軍の4番バッターと横綱はどちらが強いか」という質問にあまり意味がないように、「領土・国民・主権」を外延とする「国家」と(まして、富士山や芸者、メイドカフェやアニメを外延に加えた「日本国」のイメージと)法体系たる<憲法>を比べることにそう大した意味はないでしょう。ならば、本稿の「卵と鶏」問題の帰趨は、あくまでも<憲法=法体系としての国家>の内部構造 . . . 本文を読む
国家が先か憲法が先か。こう自問するとき、私は「卵が先か鶏が先か」と自問自答するのと同様な感覚を抱かないではありません。けれど、この「国家が先か憲法が先か」の問いは、就中、現在の日本では強い実践性を帯びているのではないでしょうか。そう私は考えています。
所謂「立憲主義」の強い影響下にある現下の日本の憲法研究者のコミュニティーでは、「憲法とは国家権力を縛る箍である:憲法は国家権力に対する命令であっ . . . 本文を読む