むすぶ つなぐ

「悪の枢軸」とされる国から思いつくまま……。

かくご

2010年11月06日 04時22分37秒 | Weblog
互いに入国ビザが取りにくくなり、どんどん距離が遠のく日本とイラン。
けれど、20年前には日本行きのビザ獲得は容易で、数万人のイラン人が日本に行った。


そこで知り合ったイラン人男性と結婚し、イランに住む日本人女性は200人以上いる。
そんな日本人の奥さんたちは、自分の将来、子供の教育、いろんな悩みを抱えながらも、イランで暮らす「かくご」を持って、元気に生きている。
みんな苦労しながらペルシア語を完全に習得し、どっぷりとイラン人社会にうまく溶け込んでいる。


漢字で書く「覚悟」ほど固いものではないけれど、どこかいさぎよい感じ。
短期間で帰ることが前提の日本人ビジネスマンコミュニティにはない、前向きなエネルギーだ。

「慣れてしまえば楽ですよ。こんな温かい社会はない」
既に永住を決めている日本人女性にそう言われた。




先日、日ペルシア語を自由に操る尊敬する4歳児、ラナちゃんの親戚宅におじゃまし、夕食をごちそうに。
20人近くの親戚一同から、ペルシア語のシャワーを浴び、歓迎してもらった。

人をもてなすことを最上の喜びとするイラン。
前回の書き込みには、イラン人の勝手さばかり強調したけれど、自分勝手=孤独、冷淡では決してない。
わがままだけど、めちゃくちゃ人とつながろうとする。

冷たい秋風が染みる中、そんな温かさが大きなエネルギーになる。
自分に足りないのは、柔らかい「かくご」だと思った。