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『バベル島』 若竹七海

2024年06月01日 21時04分58秒 | ■読書
若竹七海の短篇集『バベル島』を読みました。
ここのところ、若竹七海の作品が続いています。

-----story-------------
イギリス・ウェールズ北西部・彼の地の伯爵は長年「バベルの塔」建設に取り憑かれていた。
六十年の歳月をかけて完成した日、悪夢の惨劇が―(表題作)。
残業の夜、男は急停止したエレベーターに閉じこめられてしまう。
中にはもう一人、髪の長い女が。
そのビルには幽霊が出るという噂があって...(「上下する地獄」)。
鮮やかなプロットが光る単行本未収録作11編。
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1993年(平成5年)から2000年(平成12年)に発表されたホラータッチの作品11篇を収録して、2008年(平成20年)に刊行され作品です。

 ■のぞき梅
 ■影
 ■樹の海
 ■白い顔
 ■人柱
 ■上下する地獄
 ■ステイ
 ■回来
 ■追いかけっこ
 ■招き猫対密室
 ■バベル島
 ■解説 千街晶之

ホラー要素が強かったり、怪談のような作風だったりと、これまでに読んだ若竹七海の作品とは雰囲気が異なる作品でしたね……怖さが詰まっている という意味では共通する部分がありましたね、、、

友人の両親の梅に対する異常な忌避感や壁に浮かび出たしみから、過去の陰惨な事件があぶり出される『のぞき梅』と『影』、

物語そのものよりも干支の丙午や映画監督ルイ・マルにちなんだ<マル>という喫茶店が印象に残った『人柱』、

エレベータに乗ることやスイカ割りが怖くなっちゃう『上下する地獄』と『ステイ』、

イギリスの大富豪がウェールズ沿岸の島にバベルの塔をそっくりそのまま再現した巨大構造物を建造するが、そこには恐ろしい目的・願望が潜んでいた……壮大であまりにも馬鹿馬鹿しい計画に唖然としつつも読後に考えさせられる奇譚『バベル島』、

が印象に残りましたね……でも、やっぱホラーは苦手だなぁ。

ちなみに『バベル島』の語り手の曽祖父の名前は葉村寅吉……ということは語り手は葉村晶なんですかねー ちょっと気になりました。

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