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『時代推理小説傑作選 伝七捕物帳 新装版』 陣出達朗

2022年08月17日 22時14分33秒 | ■読書
「陣出達朗」の連作時代小説『時代推理小説傑作選 伝七捕物帳 新装版』を読みました。


ここのところ時代小説が続いています。

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「やいっ。化けの皮を、てめえで脱いで恐れいってしまえ」
朱ぶさの十手と分銅ぐさりを武器にして、悪人どもを懲らしめる、「黒門町伝七親分」
女房の「お俊」と下っ引の「獅子っ鼻の竹」「がってん勘太」とともに、大江戸八百八町から京都まで、勧善懲悪、痛快無比の大活躍をする十編を収録。
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1949年(昭和24年)に創設された「捕物作家クラブ」参加作家による合同企画として創作された「黒門町の伝七」を主人公とした時代小説のシリーズは、「横溝正史」「陣出達朗」「城昌幸」「野村胡堂」「佐々木杜太郎」他、多くの作家により執筆され、『京都新聞』に1951年(昭和26年)3月11日から1960年(昭和35年)10月16日の9年7か月の長期間にわたり、毎週1回連載、、、

その後、「陣出達朗」が単独で新作『伝七捕物帳』シリーズを執筆しており、本作品には、その中から以下の10篇が収録されています。

 ■女狐が来る
 ■黒猫の謎
 ■夜叉牡丹
 ■帯解け盗賊
 ■変身
 ■美女観音
 ■色道用心棒
 ■女郎蜘蛛
 ■幽霊飛脚
 ■おれが殺された
 ■解説 細谷正充



漆黒の闇に包まれた深夜の日本橋の通りに、黒塗りの駕籠が置かれ、中から「こんこん」と狐のなく声が…… 呉服店の番頭が引き戸をあけると、豊川稲荷の使いという美女が現れ、金五百両の奉納を要求された!! 

面妖怪異な事件を追うのは、名うての御用聞き「黒門町の伝七親分」… 「遠山景元奉行」のもとで、江戸の町を騒がす悪党どもを懲らしめる痛快無比の大活躍!


本シリーズは初めて読みましたが、リアリティよりも、エンターテインメント性を重視した内容で愉しく読めましたね… 「黒門町の伝七親分」の活躍が心地良い感じです、、、

そんな中で印象に残ったのは、

美人に化けた豊川稲荷のお使い狐が現れ、駕籠ごと天空に消えるという衝撃的なプロローグが印象的な『女狐が来る』

江戸で起きた殺人を発端に、事件解決の鍵は京都にあると睨んだ「伝七」「獅子っ鼻の竹」を連れて京都に赴き大活躍… 収録作品中最もボリュームがあり(約150ページ)読み応えのある『夜叉牡丹』

市松模様の帯を狙う盗賊の目的と、その謎が解けたときの哀しさが印象的な『帯解け盗賊』

若き日の「伝七」が、錠前開けの特技を持っていたことから盗人と疑われ、その濡れ衣を晴らすために奔走… 「黒門町の伝七」誕生の経緯が綴られ、恋女房「お俊」との馴れ初めが明らかになる『美女観音』

の5篇かな… 気軽に愉しめる捕物帳シリーズだったので、機会があれば他の作品も読みたいですね。




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