東京医科大問題で、ネットの意見を見ていて驚いたのは…
「前もって、男女別定員を提示しておけば、公然と女子を少なくとっていい。不正にならない」
という狂った書き込みがされているのを見たとき。
おいおい、均等法、憲法、教育基本法はどこに行った?
そもそも、企業が女性たちに対して雇用差別をやってるのも、本来はいけないことで、国が取り締まれてないだけなんだが?
もしも、大学で、1学科に男女別定員を認めたりしたら、
一部の、もともと女だらけの分野の学科をのぞき(看護学科、保育科、栄養科、家政科)
ほとんどの学科が、男子学生しかとらなくなるという、恐ろしい状態になる可能性が。
要するに、明治時代に日本が戻ってしまうということだ。
日本が大学に設立されだした当初は、ほとんど、男子しか入学できなかった。
今もその名残りはあるが、女子に勉学はいらない!の今以上の男尊女卑思想だったから。
今の日本でも、「女子は四年制大に行く必要がない」「実家近くの大学しか進学を許さない」とか、娘にだけは浪人は許さない家はある。
アホな男子達が、そういう女性の苦労を知らないだけなのだ。
例えば、「姉貴(妹)は家で威張ってたし~、そんなに悩んでたと思えない」とか
テンプレを言う男達がいるが、
それは、お前が気が付いてなかっただけだ。
お前が、男子恩恵を当たり前に受けていたから。
日本で初めて、女子医学生を入学させても、
男子達が、その女子にイヤガラセやセクハラをして、追い出してしまった。
だから、東京女子医科大といった、女性救済のための大学を、作らざるを得なくなったのだ。
参考:東京医大“女子減点”事件は氷山の一角、就職試験でも女性差別は横行! なのに高須克弥や“女尊男卑”厨は…
だから、女子大についても、女性専用車両についても、
男ども(女性蔑視をする男性教授も含める)が行った性差別、セクハラ、性暴力をなかったことにして、
女性優遇!などと言う、アホ男子が増殖しているが、
その男子が、もしも、全然、恋人ができないタイプ(非モテ)だったら、納得してしまう。
なぜかというと、「この男には、性犯罪や性暴力のこと、月経についての悩みを話す気になれない」
=人として、魅力がない男性、ということだからだ。
性風俗店も行ったことがあり、アダルトコンテンツで女の全裸やセックスシーンは穴があくほど眺めているが、妊娠や月経、性暴力やセクハラについては、まったく知識がないし、興味がない男子のことだ。
そういう男子は、とにかく、魅力がないのだ。
運よく結婚して子供ができる人たちもいるだろうが、妻と不仲になるか、娘から嫌われる父親になるか、じゃないかと思っている。
以下、山口氏の小論を貼る。文章の権利はリンク先に帰属。表やグラフはこちらには貼りませんでした。
東京医科大学の入試における女性差別と関連事実 ― 今政府は何をすべきか
山口 一男 客員研究員
まず、この種の女性差別が決してあってはならないことで、憲法14条第1項で
すべて国民は、法の下に平等であって、人種、信条、性別、社会的身分又は門地により政治的、経済的又は社会的関係において差別されない。
とし、またそれを受ける形で教育基本法4条において
(教育の機会均等) すべて国民は、ひとしく、その能力に応ずる教育を受ける機会を与えられなければならず、人種、信条、性別、社会的身分、経済的地位又は門地によって、教育上差別されない。
と記されていることに明確に違反する。
筆者は女性の医師が圧倒的に少ないという現状という社会的条件のもとで、東京女子医大のように学生を女子のみに限定する例外的大学が存在しても社会全体としての男女の機会の均等に反しないので「目的が適切」とみなして良い事例とすることに異論はないが、この現状で医大や医学部が女性入学を制限したり排除したりする正当な理由など全くないと考える。また医学部が他の学部に比べ医師という特定の職業に結び付く職業訓練をかねた学部であることを考えると、女性割合の制限は憲法や教育基本法だけでなく雇用機会均等法や男女共同参画社会基本法にも反すると考える。
また、それまで順調に伸びてきた医師の国家試験の合格者の女性割合が、過去約15年全く頭打ちになって伸びないというのは、医学部入学者の女性割合が全国で頭打ちになっているせいである。これは極めて異常であり、医学部入学における女性差別の慣行が東京医大にとどまらず、広く蔓延していることを示唆する。これ等は状況から考えた推測だが、政府は、この懸念に関し医大や医学部の今までの合格者選抜について受験者の女性割合に比べ合格者の女性割合が不自然に低い場合など、公平性に疑いがあれば厳しく調査し、女性差別的慣行があれば断固として是正すべきである。
もう一つ、女性に関しその離職率が大きいことが指摘されるが、これには誤解・曲解もある。まず、医師の女性割合が年齢と共に低くなる事実を以って女性の離職率が高いと主張されることがあるが、これは高年齢ほど国家試験合格者中の女性割合が減ることが大きく影響し、分母(国家試験合格者数)の違いを考えずに分子(医師数)の趨勢を見て判断する誤りである。
実際の資格者中の男女の医師の就業率の違いは、内閣府男女共同参画局発行の『共同参画』の2012年2月号の図3によると以下の様になっている。
医者によらずわが国では長時間労働が蔓延し、このため子育て中の女性に特にワークライフバランスが達成しにくいため35歳前後を底に就業率が減るM字型カーブが医師の場合にも残存していることが女性に離職者が比較的多い原因である。だが7%という就業率の男女差はこの点で社会のあり方が改善されれば十分解消できる度合いであり、それを理由にして差別を行うなど、法的かつ倫理的に否定されるべきであるばかりか、合理的判断では全くない。日本以外のOECD諸国での女性の医療での活躍が、いかにその社会に貢献しているかを考えればその非合理性は自明であろう。
また日本で女性の専門医専攻に偏りがあるため女性が増えると特定分野の専門の供給不足になるという主張に関しては、専門医の専攻別に男女合わせた学内定員枠を設けて供給過多の分野の専攻者を減らしたり、需要に比べ供給の少ない専門の学生の奨学金を増やしたり、その分野の医師の報酬を上げたりするなどのインセンティブ・メカニズムで解決するべきであって、女性差別で調整しようなど言語道断である。
それにしても医学部入学にしても雇用にしても、「成績だけで採用すると女性が多くなりすぎて困る」という人事担当者などが日本に多いことには困惑する。逆に「男性が多くなりすぎて困る」とは決して考えないのだから、それだけで女性差別意識だと思うがその自覚もない。より優秀な人を採用できることは、その人が男性であろうが女性であろうが、人材活用上望ましいと思えない人の多いことに、筆者は日本における女性差別の根深さを感じる。
加藤厚生労働大臣も、日本医師会も、東京医大の件に付き「あってはならないこと」などの見解を発表した。当然であろう。だがまず政府は東京医大以外にも、類似の女性差別を入学に関し行っている医大・医学部の有無について調査すべきであり、また類似のケースがあれば東京医大ともども適正に処罰するとともに、今後このようなことが一切起こらないようにするために、何を行うかの指針を明示すべきである。事実の明確な差別と関連する法令違反に対し罪に問い罰則を課すことをせずに政府が単に言葉だけで否定し今後の改善を語るならば、それは法治国家のあるべき姿ではない。
またこれまでに差別により被害を被ったと考えられる女性受験者たちにも過去にさかのぼって適正な賠償がなされるべきであるが、被害者を特定し救済するにも政府の介入・支援が必要だ。
今回の事件は、日本が本当に男女の教育や雇用の機会の均等を達成しようとする国なのか、それとも法は単なる飾り物で、実際は女性差別の事実が明確でも容認する国なのか、を識別する重大な試金石である。東京医大の女性差別はすでに米、英、カナダなど英文圏を初め世界で広く報道された。今回の事件の対応に誤れば、いくら政府が「女性の活躍推進」を唱えようと、国際女性会議を日本で開こうと、「女性活躍推進法」を制定しようと、女性差別のない社会を日本が本気で目指しているなどとは世界中が信じないであろう。