ザ・サウンド オブ わんわん The sound of wan wan

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風に舞い上がるビニールシート

2009年05月15日 | 
風に舞いあがるビニールシート (文春文庫)
森 絵都
文藝春秋

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なんてうまい短編集なんだろう!と思いました。
趣の違う、6つの短編のどれもが、著者の下調べ、勉強のほどがうかがい知れる、専門知識の必要と思われるもので、重量感たっぷりなのに、読後感はひとつひとつが、さわやか、爽快なのです。
その爽快感、余韻の味わいが、ちゃんとそれぞれの小説のテーマとあっているという印象でした。
お寺を舞台にした仏像修復師を描いた「鐘の音」では、ミステリーのようにひねりが効いていて、最後の余韻は、お寺ではないけどやっぱり鐘の音です。
「ジェネレーションx」は大人になったかつての野球少年の話ですが、まるでタイムリーヒット、あるいは逆転満塁ホームランみたいに気持ちいい後味でした。
私は、少し不思議でかわいい余韻の残る「守護神」が一番好きでした。
6つめの短編、表題作の「風に舞い上がるビニールシート」は一番ドラマチック、NHKで5月の終わりにドラマ化されるそうです。


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