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1分で読める小さなお寺の法話集

子育て、人材育成に関する法話を実話と歴史から紐解いて書いております。

【住職の法話。考え方を少し変えるだけで、苦しい人生が、楽しい人生に】 縁という縁は全て「出会うは、運命。出会ってからは、努力。最後は、感謝」にて。縁を活かすも、活かさぬも、我が身次第なり。

2023-10-19 14:20:21 | 法話

【10月20日投稿分】


次から次に浮気をする知人男性がいた。それでも奥さんは、黙々と知人男性に尽くしていた。奥さんは既に両親が他界し、兄弟姉妹は各々家庭を持っていたので、離婚しても戻る場所などなかった。その奥さんが遂に、知人男性に断りを言って家を出た。知人男性に拙僧「たった1度の人生で、自分の生涯を賭けて、あなたを選び、尽くしてきてくれた奥さんを、何故大事にしないの。晩年に寂しい人生を1人で過ごしている奥さんの姿を想像してみなさいや」と拙僧、この知人男性に。


この話は、拙僧が40代そこそこだった20年以上前の話にて。奥さんは離婚後、家賃3万円のアパートで1人暮らしを。スーパーの店員をしながら生計を。社長(知人男性)の奥さんだった人だが、元々、裕福でない家庭で育った女性だったので、低収入での質素倹約生活でも、苦にはならない人でした。知人男性は「妻が家を出てからは、浮気は一切」と。本人の証言だから定かではないが、今までとは違う印象は感じたかな。「あなたの事だから、奥さんの居所を探し出して、遠目で姿(様子)を見てるんでしょ。迎えに行ってやったらどうですか」「あいつが自分で家を出ていったんだ」「あなたが浮気ばかりするのが、原因だったんでしょ。意地を張る事ですか。この10年(離婚10年後に、奥さんの居場所が知れてより)、度々奥さんの姿(様子)を見に行ってるくせに。あなた達には子供もいないんだから、これからでしょうが、労り合って生きていくのは」と。拙僧との間で、この様な会話が何度繰り返された事か。そんなある日「住職よ、あいつ(奥さん)、俺を受け入れてくれるだろうか」「知らんがな。当たってみるだけ、当たってみなされや。拒否されても、拒否されても、何度でも、何度でも。2人共が離婚後、再婚もせずに独身を貫いてるんでしょ。もしかしたら、の芽があるかもしれませんよ」と。


このご夫婦は現在、2人共が80歳を越え、時折、亭主関白の顔は見せますが、仲睦まじく余生を送っておられます。子供さんがいなかったので、有能な社員に会所を譲られて。女性が結婚相手を選ぶは、競馬の馬券を買うに同じ。どれが勝ち馬か、どれが負け馬かもわからんのに、全人生を賭けて大博打を打つ。賭けられた男性側は、責任重大ですよね。勝ち負けは時の運もあろうが、せめて落馬せず、道を逸らさず、真っ直ぐゴールへ向かわにゃ。こんな話をすると「男性側も伴侶選びのリスクは、同じじゃ」と必ず文句を言ってくる人が。奥さんに再婚(復縁)を承諾してもらったあと、この知人男性に拙僧「最終コーナー過ぎて、後はゴールに向かうだけ。縁という縁は全て、出会うは運命、出会ってからは努力、最後は感謝、ですばい。2度とこの縁を失くすような事のない様に」と、当時70歳を迎えていた知人男性に。


【余談】

さて、次の話は余談中の余談ですが、運が良かったといえば拙僧、福岡市の博多座の横に瀬戸物など、雑貨品を売っているお店が。そのお店に、なんとも魅力的な『鬼』の坐像が。お店の方に「これ、売り物ですか」と尋ねると「この鬼は、博多人形作りの名工、中村信喬さんの作で、もうこの手の物は作らないとの事。よって、売れないんです」と。それでも頼み込むと「難しいとは思いますが、ご本人にあなたのお気持ちを、お伝えされてみてはどうですか」と。そこで、拙僧の法話本(1冊目)と、気持ちを伝える手紙を添えて送らせていただくと、2ヶ月後に、中村信喬さんご本人直筆の手紙と共に『鬼(投稿写真の鬼)』の坐像が届けられました。そのお手紙には「この法話本を読んで、すぐに作らなあかん、と他の仕事は後回しに、作らせて頂きました」のご返事が。これは運が良かった、というより、非常に有り難かったですね。当に「犬も歩かにゃ、棒にも当たらん」です。何でもがそうですが、やってもみんうちから、諦めちゃあかん、ですよね。


次回の投稿法話は、10月25日になります。投稿写真は、本文に出てくる『鬼』です。






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