自分より年下の日本人女性がハーバード大学で教鞭をとっている。しかも年々履修者を増やすなど評価を上げている。そんな誰もがあこがれるキャリアを築いている北川智子氏の著作である。
日本人が海外で成功するサクセスストーリーかという先入観をもって読みはじめたが、ハーバードで教鞭をとるに至った経緯や大学での講義内容、さらにキャンパスライフまで生の大学の情報が具体的に書かれていたので、自分が学生に戻ったような錯覚を持ちながら読み進めることができた。
特に興味深いのはいわゆる「寮生活」である。本書にも出てくるが基本的に学生は寮生活を送っている。寮はいくつかの建物に分かれており、それぞれ名前がついている。多くは卒業生からの寄付によるものらしい。面白いのは自分が住む寮に異常なほど愛着を持っており、寮の間で競争意識が芽生えているのだ。
短い間であるが私もアメリカで寮生活を経験したのでこれはよくわかる。「サイバード」という寮は優秀な学生が多いとか、確か女性専用の寮があったりする。日本と明らかに異なるのは女性専用であっても男子学生の出入りが自由だし、ほとんどの学生はボーイフレンド、ガールフレンドがいるのが当たり前なのだ。
この寮生活を充実するために学生のプロフィールを学生用のウェッブサイトで共有することになったのがあの「FACEBOOK」の始まりと言われている。
さて話を日本史の教室に話を戻そう。北川氏の授業の評価が高い理由はコンピュータを使って日本史を体験させることにある、と書いている。つまり16世紀の秀吉の時代をテーマにグループプレゼンやポッドキャスト製作、そして映画の製作まで課題として与えるというのだ。
アメリカの大学はこのように学生同士が協力して作業するというのが当たり前のようになっているのだ。比べて日本の大学は作業は個人で行い、正解を目指して勉強するというスタイルが基本となっていることは今も変わっていないと思う。
このような教育を受けて社会に出てきた若者にいきなり「顧客を説得するプレゼンをしなさい」などといわれても難しい話となるのではないか。
大学の現場も変わっていると思うが、学生に知ってほしいと思うのは社会に出たらアメリカの大学の授業で行われている、仲間と協力して「無から有を作り出す」ことが求められる場面が多いということだ。
そして作り出す過程で知識を習得して「なぜそうなるのか」を突き詰める論理思考を鍛えることになるのだ。このプロセスは重要だが机上で悶々としては身につかない。
日本人が海外で成功するサクセスストーリーかという先入観をもって読みはじめたが、ハーバードで教鞭をとるに至った経緯や大学での講義内容、さらにキャンパスライフまで生の大学の情報が具体的に書かれていたので、自分が学生に戻ったような錯覚を持ちながら読み進めることができた。
特に興味深いのはいわゆる「寮生活」である。本書にも出てくるが基本的に学生は寮生活を送っている。寮はいくつかの建物に分かれており、それぞれ名前がついている。多くは卒業生からの寄付によるものらしい。面白いのは自分が住む寮に異常なほど愛着を持っており、寮の間で競争意識が芽生えているのだ。
短い間であるが私もアメリカで寮生活を経験したのでこれはよくわかる。「サイバード」という寮は優秀な学生が多いとか、確か女性専用の寮があったりする。日本と明らかに異なるのは女性専用であっても男子学生の出入りが自由だし、ほとんどの学生はボーイフレンド、ガールフレンドがいるのが当たり前なのだ。
この寮生活を充実するために学生のプロフィールを学生用のウェッブサイトで共有することになったのがあの「FACEBOOK」の始まりと言われている。
さて話を日本史の教室に話を戻そう。北川氏の授業の評価が高い理由はコンピュータを使って日本史を体験させることにある、と書いている。つまり16世紀の秀吉の時代をテーマにグループプレゼンやポッドキャスト製作、そして映画の製作まで課題として与えるというのだ。
アメリカの大学はこのように学生同士が協力して作業するというのが当たり前のようになっているのだ。比べて日本の大学は作業は個人で行い、正解を目指して勉強するというスタイルが基本となっていることは今も変わっていないと思う。
このような教育を受けて社会に出てきた若者にいきなり「顧客を説得するプレゼンをしなさい」などといわれても難しい話となるのではないか。
大学の現場も変わっていると思うが、学生に知ってほしいと思うのは社会に出たらアメリカの大学の授業で行われている、仲間と協力して「無から有を作り出す」ことが求められる場面が多いということだ。
そして作り出す過程で知識を習得して「なぜそうなるのか」を突き詰める論理思考を鍛えることになるのだ。このプロセスは重要だが机上で悶々としては身につかない。