goo blog サービス終了のお知らせ 

ビジネスマンじゅんごろうのONとOFF

ビジネスマンならではの視点で趣味やビジネス、社会について論じます。

バカンスの取り方

2015-08-13 11:43:03 | 映画・DVD
夏休み中。「フレンチアルプスで起こったこと」を観た。
ストーリーは大体事前の評論で知っていたものの、テーマとなる父親の威厳というか家族内での信頼がどのように描かれているか興味があった。「問題」となるシーンは意外と始まってからまもなく訪れる。すでに何が起きるか知っていたので、自分は父親の動きに注目する。思わず笑みがこぼれてしまう、そんなシーンを重ねながらストーリーは展開する。家族がテーマとなっている映画だと思うのだが、自分は少し異なる視点に注目することになった。興味のある方は「問題」となるシーンやストーリーの詳細は是非検索してチェックしてもらいたい。
映画は1日目から5日目まで一日ごとにスキーリゾートに訪れたスゥエーデン家族のアルプスでの出来事を描いているわけだが、ヨーロッパでのバカンスの様子に興味を持った。彼らのように冬に長期間リゾートに出かけるのは一般的だと思われる。しかも高級と思われるホテルに家族で宿泊し、優雅な食事も楽しんでいる。5日間のバカンスで総額日本円で100万は下らないだろうと邪推してしまう。ちなみに「バカンス」とは4日以上自宅以外の場所で休暇を過ごすことを言うらしい。
映画を観終わった後、休暇のとり方が日本人と欧米人でどれほど違うのか、ふと調べてみた。若干古い観光白書によると、年間の旅行回数は日本人1.78回、フランス人は2.51回と思ったほど違いがない。しかし、一回の滞在日数は日本人2.93日に対してフランス人はなんと10.42日にもなるらしい。
一方で日本人はGWや年末年始など旅行代金が高い時期に旅行する人が多いものだから、一回あたりに旅行に費やすお金はフランスとそれほど違いがないらしい。また日本人は休暇のうちすべてを旅行に費やすのではなく、例えば7日間休みがあったとしてもせいぜい4日とか5日を旅行にあてて、何日か休養するのに対してフランスは7日間の休暇は7日間とも旅行に費やす傾向にあるということらしい。
当初この映画を観て日本人はオフには中途半端にケチらずにお金を使うべきだという主張をしようと思ったのだが、意外にも出費の額は中途半端ではなかった。
日本人の休みの取り方の特徴はやはりみんなと同じときに同じことをする、ことを半ば義務のように繰り返しているということに集約されているのかもしれない。
休みをうまく過ごすコツがあるとすれば、「引き出し」をたくさん持っていることだと思う。つまり天候やイベントなどにあわせて観光場所を選択できるようなレパートリーを持つことだ。そのためには常日頃からアンテナを立てておくことが必要だ。電車や駅の広告をみたり、同僚の旅行記にも耳を傾ける。やはり夏休みの過ごし方もビジネスでの成功に通ずるものがあるという想いを新たにするのだった。

boyhood

2014-12-31 20:40:55 | 映画・DVD
「Boyhood」という映画を観にいったときのこと。
日本語のタイトルは「6歳のボクが大人になるまで」というものだが、主人公や家族が成長する過程を12年間もの長い期間をかけて撮影した特異な映画である。
この映画を推薦する論評を複数見かけたので観にいくことにしたのだが、ちょっとした「事件」に遭遇することになった。公開されてから一月以上経つが、評判がよいせいかその日の劇場にも多くの客で7割くらいは埋まっていた。さて上映時間になっても会場は暗くならず一向に始まらない。ざわざわとし始めたところで職員らしき女性が機材の調子が悪いとのことを伝えにきたが、その後5分程度しても始まることはない。
ついに男性の職員らしき人が出てきて「本回は機材トラブルのため休演させていただきます。料金は払い戻しさせていただきます」と言われて肩透かしをくらった。
他の観客も仕方ないなあという表情で席をたつが、ここからが意外な展開が待っていた。当たり前かもしれないが、払い戻しのためにチケットカウンターに並ぶわけだが、当然映画のチケットを求める客がいるわけなので、払い戻しのために2つほどの専用カウンターが用意された。100人はくだらない数の観客がそのカウンターに並ぶので当然長い列になる。映画を観る気分が一気にダウンし、なぜ何も悪くない自分が無駄な時間を使わなくてはならないのか、という思いが沸きあがる。
その列に並びながら空港のチェックインカウンターのことを思い起こした。聞いた話だが、空港のグランドスタッフとは何らかの機材トラブルで飛行機が飛ばないとき、大変なクレームに合うという。しかも関西人はそのクレームは特に激しいらしい。確かに何も悪くない乗客の予定が狂わされるだけでなく、長い列に並ばされる気持ちになれば映画がキャンセルされる比ではないだろう。
渋滞がイラつくのと同じで待たされることに怒りを増幅させるのだろうと思う。客にとって意味のない時間を過ごさせられることで「納得いかない感」が頂点に達するのだ。
私の映画の場合は払い戻しのほかに無料のチケット交換券をもらってその次の回を無料で観ることができた。後で思ったがこの映画は撮影期間も長いが、映画の上映時間も3時間とかなり長い。この長さがトラブルの一因ではなかったのではないだろうか。
しかし今回のトラブルで思ったのは怒って無駄なエネルギーを使ってもまるっきり損であるということ。クレームを言うにしても相手もある意味被害者なので言っても問題解決につながることはない。トラブルの状況を把握した後に次のアクションを冷静に考えることに集中すべきである。

映画のタイトル

2010-10-31 20:18:54 | 映画・DVD
台風が来るという週末、DVDを一本借りて観てみた。
その名も「バッドルーテナント」。

ルーテナント(lieutenant)とは警部補と訳される。
バッドは「悪い」だから、文字通りだと「悪徳警部補」
にでもなるだろうか。

映画の内容はタイトルどおり、警部補扮するニコラスケイジが
麻薬を買うは、賭けをするわで、こんな刑事がいたら大変だと
思われる人物を中心に描かれている。

大儀のためには犠牲にしなければならないこともある、という
展開はなるほどと思わせる。
全体としては見所も多く、アクション映画としてはなかなかよかった
と思う。
しかし問題としたいのは内容ではなくタイトルである。
「バッドルーテナント」。。。

映画がヒットするかどうかはタイトルも決めてになると思う。
その意味ではこのタイトルは30点くらいだろう。
ルーテナントが警部補とわかる日本人は映画ファンのなかでも
5人に1人くらいだと思う。
タイトルを聞いても印象に残らないのである。
せっかくニコラスケイジという俳優が出ていても見に行こうという
気にならない。

以前映画字幕翻訳の戸田奈津子氏の講演を聞いたことがあるのだが、
そのとき彼女はハリソンフォード主演の「ホワットライズベニース」という
タイトルをそのまま配給した映画会社を批判し、ヒットしなかったのは
タイトルがわかりにくいせいだと言い、映画会社にみんなで手紙を
送ればよい、と言っていた。

マーケティング的にはタイトルだけでなく宣伝も気を遣い、
映画を「ポジショニング」していくわけだが、この映画をどのように
したかったのだろうか。

「悪徳警部補」ではあまりに芸がないというのなら、
警部補の役名であるテレンスをタイトルとして「テレンス警部」とか
「麻薬ケイジ」とかどうだろう。
少なくとももう少し考えた跡がほしい。

映画会社のマーケティング部門はプロ集団がたくさんいるものと
思う。
プロ集団が素人の気持ちがわからないというのは皮肉だ。

「アバター」観てきました

2010-01-10 17:15:24 | 映画・DVD
今年の映画一本目「アバター」を映画館で観てきた。

この映画は3D映画ということで、
入口で3Dメガネが渡された。
料金も通常より200円ほど高い。

3D映画そのものにはそれほど魅力を感じなかったが、我々の世代では
「ジョーズ」など子供のころに3Dブームがあったことが記憶にあり、
「なぜ今更?」という気がする。

本編上映前の広告も3Dとなっており、確かにリアリティが
違う雰囲気が盛り上がる。

さて、肝心の本編だが、人間ドラマにフォーカスされているが、
途中ハラハラする迫力のあるアクションシーンがあって
それなりに面白い映画という感想だ。
リアリティを出すため、途中空を飛ぶシーンなどでは劇場に実際に
風を当てるなど芸が細かい。

そして、すぐに気づいたのは「悪役」が操縦するロボットである。
ネタバレになるので、名前は書かないが、私が幼少のときに再放送で
見たアニメキャラクターのコンセプトにそっくりなのだ。

かなり昔なので、知っている人は少ないかもしれないが、
私は大好きなアニメだったので、よく覚えている。
ネットで調べるとyoutubeにアップされている映像があり、しばし
懐かしさにふけることができた。

映画館でもこのシーンを観ながら幼少のころこの番組をめぐって
兄とチャンネル争いをしていたことを思い出していた。

ジェームスキャメロンはまさか日本の30年も前のアニメに
インスパイヤされたのだろうか。ライオンキングもジャングル大帝に
そっくりだったこともあり、ありえない話でもないと思う。

さて、3Dのリアリティさは確かにすごいと思う。
ただし、この新鮮さは長続きするか疑問に思った。
今年は3Dテレビもヒットすると予想されているが、
以外と盛り上がらない可能性もあるかな、という気がした。

沈まぬ太陽

2009-10-25 21:49:44 | 映画・DVD
映画「沈まぬ太陽」を映画館で見てきた。
この映画の原作となった小説はすでに読んでおり、その深さに
ショックさえ覚え、どのように映画化されるのか興味深かった。

ストーリーを知らない方はネットで検索していただければ、
あらすじを知ることができるが、「ナショナルフラッグキャリア」
である「国民航空」の一社員の物語である。

国民航空とはもちろんJALのことで、御巣鷹山の事件など、実在の
事件、人物をモデルとしたストーリーである。

映画の完成度はまあまあだと思う。
昭和の雰囲気が出ていたし、パキスタンやアフリカなどちゃんと
現地で撮影した後が見て取れるし、
なんといっても棺おけが体育館に並ぶ姿は壮観である。

ただ、原作に忠実とするあまり、肝心のメッセージ性が薄れている気
がする。小説を読むとわかるが、主人公が会社の体質や社内政治に挑む姿が
描かれている。
が、いかんせん登場人物が多いので、原作を知らない人が見てもついていくのが
大変なのではないか。

この映画はなんと3時間半を越えるもので、途中に10分間の休憩が入る。

無理にひとつにしなくとも御巣鷹山の事件の前でいったん区切ったほうが
作品として完結できたのではないだろうか。
ちなみに主人公は転勤でパキスタンやアフリカに行くことになるのだが、
それを見て「ある意味うらやましい」などと思ったとしたら大間違えである。
小説を読めばわかるが、日本の、しかも民間企業でこんなことがあるのか、
という感想を持つだろう。

それにしても、この作品は全体を通して「国民航空」という会社の体質を
批判的に描いていることから、JALはひどくこの映画化に反対しただろう。
小説が連載された新潮社は当時JALはいっせいに広告を出さなくなったと
いう。
雑誌より影響の大きい映画化にも当然圧力を与えたことは想像できる。

最近JALの再建が報道されているが、圧力をかける体力もなくなっている
のだろう。映画化がこれほど遅れたのもそれが理由だろう。
一般の人から見ると航空会社というのは簡単に入れるものでなく
頭が切れる人たちが集まっていると思うものだが、今は「政府に首根っこ
をつかまれている」状態だ。

この映画は今のJALと重ね合わせてみると非常にタイムリーであるが、
もし映画を見ようと思っていたら小説を読んでからにすることをお勧めする。

ちなみに私、今は山崎豊子の別の小説「二つの祖国」を読んでいます。

おくりびと/Departures

2009-04-04 21:56:34 | 映画・DVD
言わずと知れた2009年アカデミー賞外国語映画賞を受賞した作品。
すでにDVD化され、TSUTAYAの新作コーナーに並んでいたので、借りて
観てみた。

原作と思って買った文庫を事前に読んでいたので、ストーリーを追う
ことより、シーンの切り替えや「納棺」のシーンに目がいった。
(文庫には映画のノベライズとあるので、原作というわけではないようである。)

この映画は納棺士という普段表に出ることがない職業にスポットライトを
あてたものである。ストーリーは主人公の大悟が生まれ故郷の山形で
「旅立ちのお手伝い」という求人広告を発見したことをきっかけに、納棺士と
いう仕事を始めることになる。
最初の仕事では死後数週間経った死体を納棺することになるが、腐敗臭にたまらず
嘔吐してしまう、というシーンがある。

この職業のつらさを表現するシーンだが、一般向けの映画だけあって
過酷さを伝えるには少し物足りないと感じた。
仕事とはいえ心に大きな衝撃を与えるもので、この衝撃に耐えられない人が
少ないからこそ大きな対価が設定されるのだと思う。

単純な視聴者は1日2万円という報酬があり、しかも仕事がない日もしばしば
あるということに興味を持つかもしれないが、普段の生活にも影響を及ぼす
ようなトラウマを与える厳しいことがあるからこそかもしれない。

さらにこの映画の見所は人間模様である。前回のブログで紹介した
小山薫堂氏の著書で、「忘れかけていることに気づいてほしい」と
述べている。
死を見送らなければならない家族の演技には胸が熱くなる。この映画が
外国人にも受け入れられたのは死という非日常でありながら、誰にでも
訪れる、避けて通れない現実を率直に描いているところが伝わったのかも
しれない。
しかも実父を演じた峰岸徹氏は映画公開中に本当に「おくられて」しまった
ことが後に残るエピソードとなることだろう。

内容と関係ないところでひとつ不満がある。
英語版のタイトル「Departures」。旅立ちを助ける、にかけたのかも
しれないが、これでは「出発」である。

「Sender」だとそのままだが、せめて「The ex-cellist」(元チェロ奏者)
など工夫してもらいたいものだった。

DVD「守護神」

2009-02-14 20:04:48 | 映画・DVD
ケビンコスナー主演の「守護神」(The Guardian)を観た。

この映画は日経新聞のリーガル欄で紹介されていたため、
レンタルDVDで借りて観てみた。
海難救助隊を舞台にした教官と若い隊員候補生の人間模様がよく
描かれているヒューマンドラマである。

日経の記事では「リスク管理」に注目していた。
海難救助の現場では一瞬の判断の遅れが人命救助の成否が
決まってしまうのだ。
それほどの重責であるため、隊員はエリート中のエリート
(Best of the Best)と表現されている。

私はリスク管理より、「過去のトラウマ」が印象に残った。
教官役のケビンコスナーが自分の失敗で仲間を失ったことが
トラウマとなる回想シーンがたびたび出てくる。
一方若き訓練生であるアシュトン・カッチャーも隊員に応募
したきっかけとなったのは、故郷で自分が運転する車の自動車事故
が原因で水泳部の仲間を亡くしてしまったことである。

戦争から帰ってきた兵隊はメンタル面で回復するためにセラピーを
受け続けると聞くが、海難救助隊のような命を扱う職業につく人も
メンタル面での傷を絶えないのではないかと思う。

救助隊員というのは一般人からすると「何もないときは待機している
だけでお金もらえて実働は短いんじゃないの・・」なんて思われている
かもしれない。

実情は一歩間違うと自分の命も失ってしまうリスクの高い職業であり
尊敬に値するものである、と思った。
物語なので、もちろん実情は違うところもあるかもしれないが、映画を
通じて職業の意義を知るのは新鮮であった。

ベンジャミン・バトン

2009-02-08 18:35:30 | 映画・DVD
久しぶりに映画館で映画を観た。
今週末に公開になったブラピ主演の「ベンジャミン・バトン」である。

3時間にも及ぶ長編だったが、オスカーにノミネートされるだけあって
飽きさせないシーンの連続でなかなかよい映画だった。

舞台はニューオリンズ。
ストーリーの進行は病床の老婆が病院のベッドで娘に日記を読んでもらう
ことで、過去を回想する「タイタニック方式」である。

メインのストーリーは、宣伝されているように歳を重ねるごとに
ブラピが若返っていくわけだが、それ以外にも「逆回転」というタイトルに
してもよいような、仕掛けが随所に見られる。

冷静に見るとつじつまが合わない箇所がいくつも見られるのだが、
まあ、お話と思ってストーリーの流れに乗っかることをお勧めする。

ストーリー以外で気になったのは出演者の衣装である。
10年くらい前のセブンイヤーズインチベットでも思ったが、
ブラッドピットのキザっぷりは今回も発揮されている。
ストーリーに直接関係ないはずだが、身に着けている服は
高級感が漂うものばかりである。

途中からは普通のニューヨークを舞台にした恋愛映画になって
しまっている。
有名俳優を主演にしてしまうと、格好いい身なりをさせないと
いけないという契約でもあるのだろうか。

個人的には老け込んだブラピのシーンがもっと見たかった。

ちなみにブラピ奥さんのアンジェリーナジョリンもチェンジリングという
映画でオスカーノミネートされているという。
この夫婦いくら稼いだら気がすむの?と突っ込みを入れたくなって
しまいますね。。

DVDレンタルのビジネスモデル

2008-03-23 22:37:38 | 映画・DVD
久しぶりにDVDを借りて自宅で観た。
「プラダを着た悪魔」。なかなか面白かった。
新作ではなかったので、レンタル期間を一週間にした。当日返却と
60円くらいしか差がないからだ。
レンタルショップはTSUTAYAである。

この値段設定はどこがポイントだろうか。

普通の借り手の行動を考えてみよう。
DVDを観るチャンスはほとんど週末だから、長くても1泊2日でもよいのだが、
一週間と値段があまり変わらないのであれば一週間にする人が多いと想像できる。

一週間借りることになるとまだ先だから、次の週末に見ればよいと思うかも
しれない。

ここが借り手とってのリスクである。次の週末に別の予定が入って、DVDを観る
時間が取れなくなる可能性があるからだ。観る時間が取れたとしても、次の週末
の天気が悪化して返却する足が鈍ることになるかもしれない。

逆に貸し手であるレンタルショップ側はこれを期待しているように思える。
すなわち、DVDのレンタル期間を延長してもらうことを半ば狙っているのである。
延長料金は1日であっても一週間にも匹敵する高額なものだ。

新作であれば回転率を高くしたほうがよいが、新作でなくなった作品はできる
だけ長く貸して延長料金を稼いだほうがもうかるのである。

ただこのビジネスモデルに限界が来ているように思える。
DVDの値段低下やスカパーなどの発展のおかげでレンタル需要そのものが
少なくなっているのだ。

TSUTAYAの強みは膨大な会員の購買情報を持っていることだが、現時点ではこの
会員情報を活かしたマーケティングをしているとはいえないのではないか。

ここでマーケティングの基本である4P(Price, Place, Promotion, Product)を
使って提言をしてみよう。
潜在的には掘り起こすべき需要はもっとあると思うのだ。

返却箱を駅に設置したり、価格設定を細かくすれば、今まで
ターゲットとならなかった客層にもアピールできるようにならないだろうか。
(Place)

当日であっても時間を区切ったり、旧作であっても2日とか3日とかいう料金設定が
あってもよい。またレンタルするタイトルによって値づけを変えたりすることも
あってもよいのではないか。(Price)

入学や就職というこの季節にちょうど当事者になっている人にタイムリーな
テーマのDVD、まさに今日私が借りた「プラダを着た悪魔」などを薦めるメールを
送ったりしたらどうだろうか。(Promotion, Product)

DVD評:「日の名残り」

2008-02-03 17:56:47 | 映画・DVD
週末にDVDを一本観た。
羊たちの沈黙でアカデミー主演男優賞を獲得したことも
あるアンソニー・ホプキンスが主役の『日の名残り』という
映画である。

この映画を観ようと思ったのは、沢木耕太郎氏の
文庫で「傑作」「完璧」と評されていたからである。

私は映画の良し悪しには、ストーリーの面白さと
見た後の後味のよさを重視するが、確かにこの映画は
どちらも満たすものだった。

ストーリーは追いやすいものだ。
回想と現在が錯綜する構成になっているのだが、
舞台は1930年代の英国。大きな屋敷を構える主人に仕えて
執事として働くアンソニーが女番頭と一緒に、屋敷で主催され
る晩餐会を執り仕切ったりして、執事の観点から会談の裏側など
を描くものである。

女番頭がアンソニー扮するスティーブンスに心を寄せるわけだが、
スティーブンスは主人に仕えることに専心する姿は執事としての
プロフェッショナリティは心に訴えるものがあった。

例えば同じ執事として働く高齢の父が仕事中に倒れるのだが、
重要な晩餐会中であったため、仕事を優先していたのだ。

もうひとつ最後の方にスティーブンスのプロフェッショナリティ
を示す姿が描かれている。
女番頭のケントンが元同僚と結婚を決断するとスティーブンスに
告げるのだが、スティーブンスは普通の受け答えをするだけ。
ケントンは自室で嗚咽(おえつ)していることに気づいたスティーブンス
はドアを開け、泣き崩れるケントンの前に立つ。
緊張するシーンである。

スティーブンスが放った言葉はこうである。
「部屋にホコリが残っていたと新しいメイドに伝えてください」
と。スティーブンスとケントンは仕事上の関係であって、恋仲に
なることはなかった、というエピソードである。

沢木氏の評論で知ったのだが、このエピソードは原作と違うもの
であるらしい。原作は、スティーブンスは部屋に入ることなく
「泣いていたのかもしれない」と後から回想するだけである。

この数十年後、ケントンと再会するスティーブンスは新たな
主人に仕える館で働かないかと誘うのだが、、、。

ここまで書いてしまうとネタばれなのだが、
ストーリーを知った上でも十分面白い映画であった。
字幕の翻訳も執事であることを意識したものになっている
ことも好感が持てる。

ちなみに沢木耕太郎氏の評論のタイトルは、
「世界は「使われなかった人生」であふれている」
である。
DVDは買っても1000円しなかった。