ビジネスマンじゅんごろうのONとOFF

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半沢直樹の違和感

2013-10-20 21:57:41 | 新聞記事ネタ
半沢直樹シリーズが終わって早2週間。ビジネスパーソンの半数近くが見ていたという噂のあるドラマだったが、私もご多聞にもれず毎週欠かさず最後まで見てしまった。銀行というリアルな業界を題材にしていることや「やられたらやり返す、倍返しだ!」という言葉は小粋であり、半沢を応援したい気持ちになる。
しかし、ドラマの中で違和感を覚える場面がいくつかあった。引き当ての積み増しや金融庁とのやり取りはドラマの中の話なので現実とは違うだろうなと思っていたが、問題は銀行内でのポスト争いである。半沢は大阪での案件を解決した後、本店営業部でのポストを要求し、要望がかなう形になる。一方で倍返しをされた支店長は出向を命じられることになる。そして半沢自身も最終回の最後のシーンで頭取から出向を命じられることになる。
このポストに関する扱いが独特だと思うのだ。
つまり減給や昇給ではなくポストで個々の働きに報いているのだ。日本企業であるからポストが変わったからといって給料が大幅に増減するとは思えない。昇進を要求するというよりは昇給を要求するのが自然ではないか。あるいは出向を命じられる意味が私にはわかりかねるが給料が変わらないのであれば、むしろ環境の変わった職場で結果を残そうと意識を変えられないのだろうか。私には伺い知れない世界なのだろう。
この違和感は以前読書した「沈まぬ太陽」でも感じた。組合活動に精を出していた主人公は報復人事と称してアフリカやバングラディシュなどの僻地に赴任させられる。そこまでして会社にしがみつく理由はなぜだろうか?家族や生活があるとは言っても、会社を変えることも選択肢の一つとなってもおかしくないだろう。もちろん再雇用は容易なことでないことは理解しているが、仕事や会社に対する姿勢については疑問をもたずにはいられなかった。
会社に所属し続けることはプロフェッショナルの一形態に過ぎないはずだ。日本でも会社ではなく仕事そのものについてプロフェッショナリティを発揮するように意識が変わればこのようなドラマも異なる展開になることだろう。