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ビジネスマンじゅんごろうのONとOFF

ビジネスマンならではの視点で趣味やビジネス、社会について論じます。

2008年は勉強の年

2008-12-23 17:44:02 | 読書
2008年もあと一週間ほどとなった。
この一年をビジネスマンの目から振り替えると
「勉強の年」といえるのではないだろうか。

最近本屋でビジネス書を見ると勝間和代氏の本が並ぶ。
他にも「1分間勉強法」などビジネスマンの勉強に関わる内容に
注目があたったと思う。

これからの時代は「ゆとり社員」では生き残っていくのは厳しい
という情勢を反映しているせいか。

自分が読んだ勉強に関係する本の中でよいと思ったのは、
スタディハックス」だ。

勝間氏の経験に基づく"特効薬"に比べると、この本はじわじわと効いてくる
"漢方薬"的なノウハウを紹介している。

夜の静かな道を散歩しながら勉強したり、色や香りによる効果にも
言及している。
ニンテンドーDSを使った方法など常人でも取り入れられそうなところが
親しみやすい。

「勉強」というと堅苦しくなってしまうが、自分の生活を豊かにするための
体力づくりと考えればそれほど肩に力を入れる必要はないと思う。

ただし、実際やってみようとすると数々の障害が立ちふさがる。
時間を作るモティベーションがあがらないのだ。
特に仕事上神経を使っている状態が続いていると、週末や帰宅後に改めて
何かをしようという気にならないのだ。

勉強をジョギングやサイクリングなどの気分転換の一環と考えるしたら
どうだろうか。
英語学習や経営に関する本を読んだりすることは短時間でも可能だし、
手軽である。

自らの戒めにも書きたと思うが、勉強のポイントはダイエットと同じ。
必要性と効果の実感だと強く思う。

書評:失敗学のすすめ

2008-09-17 00:32:04 | 読書
非常に思慮深い本だと思う。
そう感じるのは、思い当たる節がいくつもあるからである。
特に自分が従事する情報システム業界には当てはまることが多い。


具体的に、本の目次の見出しを2つだけ、
取り上げてその意味をみていこう。

「失敗情報は隠れたがる」
「失敗は知識化しなければ伝わらない」

1.失敗情報は隠れたがる
失敗はつい隠したくなるもの、という人間の心理について
言及したものである。
システム構築でよくあるのが、手戻りの大きい上流工程のミス
に途中で気づいても、知らないふりをしてプログラムまでできて
しまうパターンである。

「知ってて言わない」というのが"たち"が悪い。


2.失敗は知識化しなければ伝わらない
例えばこんなことがよく起こる。
システムを作るときには「マスタ」と呼ばれる取引先や組織情報など
一元管理したデータベースを持つのだが、これらの設計は独立した
検討チームで行われることが多い。
各業務チームはマスタ情報が「必ずこうなっているはず」という前提で
設計を進めてしまうが、ふたを開けてみるとマスタ項目は特定のデータ
しか更新がされないことが判明し、設計をやり直さないといけないことが
起こる。

単純なコミュニケーションミスといえばそれまでだが、
根が深いと思う。

マスタの項目は設計前にチェックする、
ということを守っていれば、防げていたかもしれない。
または仕組みとしてマスタの説明会を開催することをルールと
しておくことなどが考えられる。

ただし現実はどのプロジェクトでも単純なコミュニケーション
ミスに起因するバグが多く発生している。

とまあ書いていくと、枚挙に暇がないが、
情報システム業界も真剣に失敗の原因と対策に取り組む時期ではない
だろうか。
失敗学のすすめが発刊されたのは2000年である。

書評:ウチのシステムはなぜ使えない

2008-04-21 23:16:09 | 読書
先日の焼津からの帰りの高速バス中に読んだ本。
自分が持つ漠然とした問題意識に通じるものがあると思って
書店で手に取ったのだった。

感想を一言でいうと、同業の目から見て「読みやすいが問題点に関する切込みが
少し弱い」気がする。多数ある無駄といってもいい注釈も少々食傷気味で
もある。

ただ、情報システム業界の現実についての説明は多くの人にとって
新鮮なものだろうと思う。

・設計、開発、運用の技術者が分離していること。
・建設業界との類似性
・営業とSEとの確執
・SEのキャリアパス
・システム業界の業者分類(独立系、メーカー系、ユーザ系など)

私が問題の切り込みが不足していると思うところは、
ユーザサイドが失敗しないために何をすればよいかという点について
「積極的に会話をする」ということを提案するのみで、具体性に欠ける
ことだ。

私の考えでは、ユーザとして大切なのは、工数管理と進捗管理が正しく
なされているるかをチェックすることだろうと思う。

自分がいる業界でありながら、情報システム業界は不思議なことが多い。
要件定義など比較的上流のフェーズで多いのだが、技術者がほぼ1週間とか
1ヶ月という長期間キャッチアップとかいって、業務理解のために工数を
使っていることがあるのだ。
ひどいときは指示がないことをいいことに一日中ネットサーフィンをする
毎日を送るものも少なくない。

あるとき気づかれて「あいつは何だったんだ」と後から振替って、
プロジェクトにいなくてもまったく支障のない人が何人もいるのだ。

余談だが、日本の生産性が低いというのはシステム業界の現実が影響している
のではないかと思える。

大きなプロジェクトにありがちであるが、適正数より多くの技術者を参画
させるため、無駄が見逃されている。またユーザ側の要件決めやチェック
が遅れて多くの手戻りが起きている。
問題点はこんなところではないかと思う。

ユーザは自分たちに知識がない場合は第三者のコンサルを雇ったりするが、
これも曲者である。それっぽいことを言うだけで、具体的な提案からは
程遠い。

まずは自分たちが理解できる範囲のプロジェクトを経験し、
業者の工数の管理をして、「相場」を理解することがユーザの立場では
大切である。

フレームワーク力とは

2008-02-21 20:58:58 | 読書
最近本屋のビジネス書コーナーに行くと勝間和代さんの著書が目立つ。
先週は王様のブランチにも出演しているなど、大ブレーク中のようである。

知人も勝間さんの本を推薦していたので、著書を一冊購入してみた。
その名も「効率が10倍アップする新・知的生産術」。
タイトルが物語るように、「もう少し肩の力を抜いたら」と突っ込みを入れたく
なるほど、徹底して効率性を追求している彼女の「勢い」が伝わってくる内容で
ある。

この本には様々なノウハウがつめこめられているが、一番参考になった考え方は
「フレームワーク力」である。

日本語にすると「型にはめて考えなさい」、ということにでもなるだろうか。
要は先人が考え出したフレームワークという型にはめることによって問題解決を
スムーズにしようというものだ。

では具体的にどのようなフレームワークがあるのか?
この本にもいくつか紹介されているが、それほど難しいものばかりではないと思
う。

今考えるとあれがフレームワークのことか、と思うのが、
私が大学時代に所属していた英語サークルで教わった"NLC","CCF"という
アルファベットだ。

NLCはNumbering, Labering, Commentの頭文字をとったもの。
CCFはConclution Comes Firstの頭文字をとったもの。

いずれもディスカッションなどで自分の意見を表明するときに役立つフレーム
ワークだ。

例えば、週次報告会議で自分の番が回ってきたらこんな風に言ったらどうだろうか。
今週A社の商談で契約を1000万円獲得できました。
成功した要因は2つあります。
1つはタイミングがよかったこと、もう1つはキーマンがわが社の製品を気に入って
くれたことです。A社の旧システムの保守期間が切れることをアンケートで把握して
いましたが、購入タイミングを逆算して、システム導入の予算確保に間に合わせる
ようにアプローチしました。
またキーマンとなる経理部長を最初から検討の中心に置くように提案し、できるだ
け具体的なイメージを描けるようにデモを何度も行いました。

こんな報告をされるとかなりスムーズに受け入れられないだろうか。

単純に事実を報告するような内容であっても、フレームワークに即しているかどう
かでわかりやすさが全然変わってくるし、何しろ発言する側になったときも、迷う
ことがないというのが大きいと思う。

フレームワークはいくつもあるが、自分にしっくりくるものを繰り返し実践しなけ
れば血肉にすることができない。ビジネススクールでよく取り扱う「SWAT分析」も
その一種だと思うが、真似しやすいものから入るのがよいと思う。

今年は特にこの力を鍛えたい。
フレームワークの重要性を理解する上で参考になるサイトはこれです。

「いつまでもデブ・・」から学ぶレコーディングの効果

2007-12-16 17:00:26 | 読書
最近ある同僚が手帳を片手に別の同僚と雑談をしている。
話が聞こえてくるので、聞き耳を立ててみると、
なんと、三ヶ月で10キロやせたという!

見た目のガタイが相当いいので、10キロといっても割合的には
大きくないかもしれないが、興味がわいてどうやったか聞いて
みた。

彼はベストセラーになっている「いつまでもデブと思うなよ」
の著者である岡田斗司夫氏が提唱する「レコーディングダイエット」
を忠実に実践したのだという。

その中身を詳しく聞いてないし、私は文庫も読んでいないので、
中途半端に方法を述べないほうがよいかもしれない。
ただ一ついうと一日の摂取したカロリーを記録し、一日の基礎代謝と
比較することが一つポイントのようである。

この本に書かれているかわからないが、一番のダイエット方法は
毎日体重計にのることだと聞いたことがある。
実態を把握しないことには対策も立てられないということだろう。

自分なりに解釈すると、こういうことだと思う。

例えば忘年会で飲み会が続いた翌朝は体重計にのるのは嫌かもしれない。
いやなことに目を背けたいのが人間の自然な動きである。
過去に買った株が「塩漬け」になりやすいのもこの流れと似ている。
忘年会に出るのは仕事の一部だから、、といって自分に言い訳してしまうのだ。
だが、このようなときこそ体重計にのって、実態を把握することが必要だ。
食べたものを記録しておけば、体重との相関関係を見ることができる。
対策としては、次回の忘年会の席ではビールではなく焼酎を飲んで、締めの
おじやを食べることを避ければよいのである。

記録するということは自分に言い訳をさせない客観的な事実を突きつける
ことだと思う。自分がきちんとやっているのに効果が出ていない、という前に
どれだけやったのかという事実がないと話にもならない。

ということを思うと、何もやせる以外にもレコーディングは役立つ
気がする。
お金を貯めるために家計簿をつけたり、マラソンの記録を伸ばすために
走った距離を記録するなど、応用範囲は広い。

特に私は英語学習で効果があがらないという問題意識があるので、
今後レコーディングラーニングを英語学習で実践してみます。

効果は途中経過も含めてこのブログで報告します。

書評:スタバではグランデを買え!

2007-10-08 16:31:05 | 読書
三連休の最終日は天気がよくないとわかっていたので、
昨日本屋で一冊本を調達しておいた。その名も
「スタバではグランデを買え!」

この本を買おうと思ったのは、基本的に伊藤元重氏のビジネス
エコノミクスと同様、経済を身近なビジネスを取り上げて解説していた
からだ。読みやすく、一日で読んでしまった。

この本の特徴は「取引コスト」に注目していることだ。
同じモノが違う値段で売られている現実を「取引コスト」というポイント
で明快に述べている。

例えば500mlのお茶がスーパーと自販機で値段が50円も違うのはなぜか?
スーパーで買う場合には他の客に見られながらレジに並ぶという「コスト」を
払っているという。

コストに着目すると様々なことが見えてくる。
タイトルにもなっているスタバをはじめとした「カフェ」の価格設定について
前から興味をもっていた。

これは本に書いてあることを応用して自分で考えたネタであるが、
価格について少し述べてみよう。
スタバにはブレンドコーヒーはないが、その代わりに「本日のコーヒー」が
レギュラーコーヒーに該当する。
一番小さいサイズで比較するとこんな感じだ。

スタバ、タリーズ、エクセルシオール:250円
プロント:200円
ドトール:180円
ベローチェ:160円
マック:100円

味や量はあまり変わらないのに、値段がこんなに違うのだ。
コーヒーの原価はあまり変わらないはずなのに、である。

コストの内訳を考えると違いが見えてくる。
コーヒーの原価、人件費、店を運営するための設備や賃貸料などの固定費が
コストを形成していると考えられる。
この中でポイントとなるのは人件費と賃貸料を含めた固定費である。
固定費とは客が何人こようと固定的にかかるコストである。

当然客が多ければ下げることができるし、少なければ高くなる。
原価を下げる=利益をあげる、ために必要なのには、より多くの客に来てもらうか
一人の客に多く注文してもらうかのどちらかである。

マックやベローチェの値段が安いのはより多くの客に来店してもらうことを
狙っていると思われる。ベローチェはは店内も広く、タバコも吸えるスペースが
充実している。マックは100円メニューがたくさんある。

それに対して、スタバなどのシアトル系と呼ばれるカフェは客単価を上げようと
しているのだ。それが「グランデ」を買え!のタイトルとなる所以である。
種明かしをしてしまうと面白くないので、秘密を知りたければ答えを考えて
本屋で立ち読みしてみてください。

ヒントはショートとグランデの価格差である。

書評:一号線を北上せよ

2007-08-26 09:10:58 | 読書
夏休みはどこに行くこともなく終わってしまった。
せめて、どこかに行った雰囲気を味わうために旅を題材にした
文庫でも読もうと古本屋で探したところ手ごろの本が見つかった。

沢木耕太郎著「一号線を北上せよ」(講談社文庫)

この本に惹かれたのは、沢木氏の著作ということ以外に、
自分もこの著作に書かれているルートの一部を旅したことがある
からだ。

ベトナムは南北に細長い国であるが、一号線は南北を結ぶ国道の
ことである。沢木氏が南ベトナムのホーチミンから北のハノイまでバスを
使って旅をする中で体験したことをつづってある。旅の中でベトナムを
舞台とした「浮雲」という作品を読書し、随所にこの作品に登場させる
ところが、単なる紀行文でないことを感じさせる。

私も10年近く前、ホーチミンから車で半日かかる場所にある
「ニャチャン」に行ったことがある。
ベトナム一のビーチリゾートということで、期待して行ったのだが
期待を裏切ることなくきれいな海を満喫できたことを覚えている。

しかも沢木氏が泊まった「グランドホテル」に私も泊まっていたのだ。
ニャチャンの記載はまさに自分が旅した印象をクリアによみがえさせる
ものだった。

沢木氏の金銭感覚は不思議である。
深夜特急のときとは異なり、一泊80ドルのホテルに連泊したと思えば
バイクタクシーとは40円ほどを時間をかけて交渉したりする。
単に安く済ませることではなく、価値に見合ったサービスを期待する
ということだろうか。

一気に読みきってしまったが、この本を読んで、改めて旅はいいな、
と思ってしまった。
年齢を重ねると「思い切り」のよい旅はしにくくなるものだが、
仕事が少し落ち着いたらベトナムまたはラオスあたりを旅してみたい。

「病気にならない生き方」とは

2007-01-06 17:25:15 | 読書
「病気にならない生き方」という本がベストセラーになっている
ことを新聞広告で知った。
普段は新聞広告につられて本を買うことはしないが、宣伝文句の
いくつかが自分の考えに合致していたことに興味を惹かれ、本屋で
立ち読みした上で購入した。

ちなみに余談だが、私はほとんど本をアマゾンをはじめとした
オンラインショップで購入することはほとんどない。
送料無料にしているところも多いようだが、必ず本屋で分量や語調
をチェックして最後まで読みきれるかどうか判断する。

さて、この本の特徴は、食べ物を体内に最初に受けつける胃腸の
健康という点から論じている箇所が多い。
例えば消化できるようによく噛んでから飲み込むようにすること、
有機的な野菜やフルーツをよく摂ることなどを薦めている。

これらは異論がないところだが、議論が分かれるのは
牛乳やヨーグルトなどの乳製品と緑茶をなるべく控えるように
薦めているところだ。ネットでもこの点について異議を唱える
コメントが目についた。

乳製品を毎日摂っている人の胃相は必ずしもよいものではないし、
お茶の先生は胃潰瘍になる人が多いという。

これは実は私も思い当たることがないわけではない。
ほぼ毎日のようにヨーグルトを食べてきたが、腸の調子が必ずしも
よくない。ヨーグルトは本当によいのか疑いをもちはじめていた。

しかし一方でこの本を離れると、別の意見もある。
昨年大晦日の日経新聞には長寿の十か条の一つとして「乳製品をとる」
ことをあげている。

とりあえず牛乳は低温殺菌されたものを選び、ヨーグルトよりフルーツ
を摂るように心がけるようにした。

この本をいわゆる「ハウトゥー」ものとして病気にならない方法を
知ろうと鼻息荒く読もうとすると盲信するか反発するかどちらかに
なってしまう。
これから読んでみようと思った方は「Food for Thought」という感じで
眺めるくらいの雰囲気で読むことをお薦めする。