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塾長が、ホンネをつぶやきます

自律と反抗

2021-06-26 08:15:59 | 日記

今日は「自律期」について

書きます。

 

自律期とは、

俗に言う「反抗期」のこと。

 

我が子が反抗しだしたら、

喜ばしいことだと

思ってほしいのです。


それは「自律期」だから。


多くの親たちは、

我が子が

突然反抗し出したように

思ってしまうので、

慌てるのでしょうが、

人間は、

親から自律=自立する存在

になるわけだから

親に対する反抗は、

自律=自立

のスタートだと

思ったほうがよいのです。

人間は、

生まれて数ヶ月経つと

自分と他者を認知します。

 

他者を発見すると同時に

自分を発見するという感じで、

自分と他者がいることを

知っていく。

 

その最初の他者が

多くの場合は親で、

子どもは、その他者を

自分の心の中に取り込んで、

「内なる他者」として、

自分が生きていく上での

モデルにしようとする。



その「内なる他者」を

モデルにして出来上がった自分を

「社会的な自我」といって、

社会生活を営む時の自分になる。

 

この「社会的な自我」の形成は

3歳からでき始めて、

徐々に社会領域を

拡大していく中で、

更に形成されていく。

 

そして、反抗期は、

「内なる他者」と

自分の関係を

問い直すことから始まる。

 

「自分は親のものじゃない!

 自分のものだ!」

 

「なんでも親が決めてるけど

 自分にだって決められるんだ!」

 

というような、

こんな原初的な問いが

子どもの心の中で

発せられるようになって、

初めて「内なる他者」を

問題にし出だす。


そして、

「内なる他者」を否定して、

新しい「内なる他者」を

探し出していく。

 

この時に、

「内なる他者=親の価値観」

を否定するようになるので、

親に対して

反抗しているように見える。



今まで大切にしてきた

自分のモデルの「内なる他者」を

否定してしまうのだから、

外見も言葉遣いも

当然のように変わってくる。

 

あまりしゃべらなくなったり、

趣味が変わったり。

親が大切にしてきた価値観を

全力で否定しようとするのだから

当然ながら

親との関係も

対立的になっていく。

 

この時期に、

親子の間では、

精神的な

「親殺し」、「子殺し」

がある。

 

逆に言えば、

この

「親殺し」や

「子殺し」をしないと

子どもはいつまでたっても

大人になれないし、

親もいつまでたっても

大人に戻れない。

 

つまり、

子どもと親の関係を

引きずったまま

依存しあう関係のまま

になってしまう。


それでは、

親は完全に否定されて、

全く新しい人間を

「内なる他者」に

子どもはするのかといえば、

そうではない。

 

子どもの時のように

親を完全に

「内なる他者」に

掴み直すことはないが、

だからといって、

全く親を消し去ってしまう

こともない。


反抗期の後には、

自然な形で、

親との和解があり

(実は、この和解が

 非常に難しい)、

「内なる他者」の

構成メンバーに

親の要素も、

しっかり入っている。

 

だから、安心して

反抗期を受止めて下さい。

 

反抗期では、

自分とは違う価値観を

主張する子どもの姿を、

しっかり見守ってやること。

 

「大人になるための反抗なんだな」

と思って下さい。

 

ぜひ、

そういう時期になったら、

当たり前に

出来ていることに注目して、

子どもの自己肯定感や自尊心を

高めるように応援して下さい。

 

子どもたちも

不安定的な状況を

生きているのですから。

 

これが「反抗期」です。

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