Dr. 讃井の集中治療のススメ

集中治療+αの話題をつれづれに

地方の逆襲

2008-12-24 11:29:46 | 集中治療
医師の都会への集中が大問題となっている昨今ですが、地方だって黙っていません、という話題です。

話題1
 支持率が下がる一方の美国の首相に変人が多いと指摘された九州地方某研修病院のOB会での話です。初期研修医ばかりでなく後期研修プログラムを強化しようと、本年度、将来開業をめざす人を対象に家庭医フェローシッププログラムが始まり、ピッツバーグ大学 Department of Family Medicine との協力体制も視野にいれているそうです。
 今まで開業でもするか、といってそのための何のトレーニングもせずに、誰に教わったわけではなく自由標榜制のもと自己流のプライマリーケアで許されてきた現状があるわけで、それに一石を投じようとする狙いがあるのかもしれません。
 今の開業ブームに拍車をかけるのではないかと思う方もいらっしゃるでしょうが、逆で、近い将来どこでも誰でも自由に開業できることに制限がかけられていくはずで、プライマリーケアという専門医資格がないと開業できないようなシステムもできるかもしれません(12月21日NHKスペシャル“医療再建 医師の偏在 どう解決するか”)ので、かなりの先見の明があるような印象を持ちました。
話題2
 そのOB会の席でご講演くださった熊本大学総合臨床研修センターの松井邦彦先生によれば、九州地方の3大学が合同で後期研修のローテーションプログラムを作ったそうで、後期研修医教育を医局関連の一般病院が担うのではなく、大学間で研修医を交換してやろうという発想は今までになかったもので期待大ですよねhttp://www.kuh.kumamoto-u.ac.jp/etc/topics/topi_200926.html。
 既存のシステムにのった研修システムでは人が集らない、逆に魅力のあるものを作れば人は集る、ということなのでしょう。大学病院にとっても既存のやり方が通用しない厳しい時代で、“前例がないという免罪符”を振りかざしていると、取り残される時代になったようです。
ーーー
 ちなみにJSEPTICでも現在多施設合同フェローシップ登録施設は3施設ですが、さらに全国展開したいと考えています。ま、いろいろ障害がありますが、“要は戦略とヴィジョンと断固たる決意(by 岩田健太郎先生)”があれば未来は開けていると。


最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。