年末のお忙しい中(注1)、150名近くの方にご参加いただき、ありがとうございました。
一言で言うと、個人的にもかなり勉強になった会でした。
東京ベイ市川浦安医療センターCEの木下先生の講義はわかりやすく、とくにレジデント、コメディカルの方には非常に良い知識の整理の機会になったと思います。
横浜みなと赤十字病院の武居先生の経皮的気管切開に関するレクチャーは、プロの技、工夫を伺い知ることができました。自分のプラクティスとは違う部分があって、「次回試しにやってみよう」と思わせる部分も複数ありました。
札幌の平成会病院の岡村篤先生のお話も、「長期人工呼吸病院」として日本のトップを走って来た自負と、少しでも患者さんを良い方向に導こう、そのためには研究、工夫し、そのデータを取って、改善していく、という患者のための臨床研究者およびその実践家としての活動をご紹介いただき、感心しました。
大阪府立母子保健総合医療センターの竹内宗之先生の「呼吸仕事と呼吸筋疲労」は、とっつきにくいテーマに関して非常にわかりやすいうえに、定見がない臨床的な疑問に対して誠実にお答えいただきました。一聴の価値があります。
最後の私のクリッカーを使った症例ベースの呼吸器離脱総論はどうだったでしょうか。Intensivist「呼吸器離脱」のポイントを駆け足で網羅しつつ、臨床家としての本で表現できない「現場でどうするか」のエッセンスを加えた双方向の講義にしたつもりです。個人的には、クリッカーによる質問の回答から驚愕の事実も明らかになり、「考える材料」にもなりました。
ご都合が悪くていらっしゃれなかった方は、是非「JSEPTIC Club」にご加入いただき、動画でご覧下さい。アップされたらMLでお知らせします(私も密かに動画で復習したいと考えています)。
次回は2月23日に「急性冠動脈症候群」をテーマに行います。詳細が決まり次第ホームページでお知らせします。
その後のJSEPTIC忘年会ではあちこちで様々な会話が勃発し(注2)、盛り上がりました。ご参加くださった皆様ありがとうございました。Intensivist「呼吸器離脱」に関して初めてナマの感想もいただき、ちょっと嬉しかったです(注3)。
最後になりましたが、事務局のコンパスのみなさま、MEDSIのみなさま、今年も一年お世話になりました。
注1:まくらことばですね。年末だからとくに仕事が忙しいか、という疑問を自分に投げかけてみると、医療業界では「別に」と思う方が多いのではないでしょうか。でも、「あ、もう今年も終わりか。元旦に立てた目標がちっとも達成できてない」と嘆くという意味で、気持ちがせわしなくなる方は多いかもしれません。
注2:「老眼に対するレーシックはあるのか」「グーグルで“ 老眼 小柳ルミ子 ”と入れるとすぐ出てくるよ」などの会話です。
注3:感想は、最初から読み進めて行って、疲れて途中で「解説」を読みにいったら、「.....この「解説」を最初に読む要領のよい読者や、読んでいる途中で気分転換にこの「解説」に立ち寄ったcasualな読者も.....」(851ページ)と書いてあって、あまりに図星でドキッとしましたよ、先生、すごいですね、というものでした。それに対し私は、Intensivist「呼吸器離脱」は厚くて、真っ向から格闘すると読みきれないだろうな、という予測が当たってちょっと嬉しいが若干複雑、かつ随分マニアックな反応で「そこにくいつくんですね、キミこそすごいね」と思いました。