Dr. 讃井の集中治療のススメ

集中治療+αの話題をつれづれに

Intensivist 特集 疼痛・興奮・譫妄 発行になりました

2014-01-30 07:46:34 | 集中治療

Intensivist Vol. 6 No.1 特集 疼痛・興奮・譫妄 が発行となりました。

執筆者の諸先生方、レヴューして下さった先生方、企画してくださった亀田総合病院 集中治療科 林先生、編集部の皆様、この場を借りて御礼申し上げます。

忌憚のないご意見をいただければさいわいです。

以下コンテンツです。

 

Intensivist Vol. 6 No. 1

特集 疼痛・興奮・譫妄

ICU患者の主要アウトカムに影響を与える介入として「鎮痛・鎮静・譫妄のマネジメン
ト」は非常に重要なトピックです(以下pain, agitation, deliriumの頭文字をとっ
てPAD)。米国で約10年ぶりに改訂されたClinical practice guidelines for the
management of pain, agitation, and delirium in adult patients in the
intensive care unitが公表され,本邦でもJ-PADガイドラインが近々公表される予定で
す。この流れからも明らかなように,今日の知見に基づいたPADに対する適切なマネジ
メントを普及させることは,国を超えて集中治療領域における重要な課題と考えられて
います。
 今回の特集の主な目的は,日本国内で集中およびコンセンサスに基づいたマネジメン
トができるような知識を提供することにあります。それにとどまらず,明快には解決し
ていないPADを取り巻く問題点にも鋭く切り込んでゆきたいと考えております。

1. Clinical practice guidelines for the management of pain, agitation, and
delirium in adult patients in the intensive care unitの概要
  尾上 卓也 鉄蕉会亀田総合病院 集中治療科
  林 淑朗 鉄蕉会亀田総合病院 集中治療科/
      The University of Queensland, Centre for Clinical Research

【コラム】 Japanese PAD(J−PAD)ガイドラインとは:その作成目的と課題
  布宮 伸 自治医科大学 麻酔科学・集中治療医学講座 集中治療医学部門

2. 痛み・不穏・せん妄の評価法:ガイドラインでの推奨の根拠と現場使用におけるコ

  鶴田 良介 山口大学医学部附属病院 先進救急医療センター/
       山口大学大学院医学系研究科 救急・生体侵襲制御医学分野

3. 疼痛,興奮,譫妄に用いる薬物の薬理学:それぞれの薬物を有効に使用するために
  鈴木 武志 慶應義塾大学医学部 麻酔学教室

4. 集中治療患者の痛みの疫学:痛みの認知とコントロールに向けて
  江木 盛時 岡山大学病院 集中治療部

5. ICUにおける痛みの治療:まずは,オピオイドによる鎮痛を
  井上 莊一郎・竹内 護 自治医科大学 麻酔科学・集中治療医学講座

6. 浅い鎮静を:その有効性と問題点
  井上 茂亮 東海大学医学部外科学系 救命救急医学/東海大学 創造科学技術研究
機構医学部門

7. デクスメデトミジンはそんなによいのか?:その有用性に根拠はあるか
  岩井 健一 東京慈恵会医科大学葛飾医療センター 麻酔部
  讃井 將満 自治医科大学附属さいたま医療センター 集中治療部

【コラム】 ベンゾジアゼピンはそんなに悪いのか:エビデンスから考えるその善し
悪し
  滝本 浩平 大阪大学医学部附属病院 集中治療部
  讃井 將満

8. 譫妄の発症メカニズム:危険因子,予防法
  藤澤 美智子・武居 哲洋 横浜市立みなと赤十字病院 集中治療部

9. 集中治療における譫妄の疫学:ICUという環境が発症率を高めるのか?
  片岡 惇 武蔵野赤十字病院 救命救急センター
  安田 英人 鉄蕉会亀田総合病院 集中治療科

10. ハロペリドールは譫妄に効くのか?
  徳永 英彦 練馬光が丘病院 総合診療科
  藤谷 茂樹 東京ベイ・浦安市川医療センター/聖マリアンナ医科大学 救急医学

【コラム】 抑制:その実施を正当化するエビデンスはあるのか
  河野 真二・内野 滋彦 東京慈恵会医科大学 麻酔科 集中治療部

【コラム】 ICU環境と譫妄:睡眠改善と譫妄予防に向けての検討
  安田 英人

【コラム】 ICUにおける睡眠障害
  讃井 將満

【コラム】The Future of Analgesia, Sedation, and Delirium Practices in the
ICU
  Mayur B. Patel Department of Veterans Affairs, Tennessee Valley
Healthcare System, Division of Trauma and Surgical Critical Care, Department
of Surgery, Vanderbilt University Medical Center
  Pratik P. Pandharipande Department of Veterans Affairs, Tennessee
Valley Healthcare System, Division of Critical Care, Department of
Anesthesiology, Vanderbilt University Medical Center

モデルケース:この患者をどう管理する:私のストラテジーをお教えします
 回答1:意識下挿管を行い,鎮静よりも鎮痛を積極的に行い,早い段階での抜管を目指

  今泉 均・数馬 聡・升田 好樹 札幌医科大学医学部 集中治療医学
 回答2:躊躇わずに筋弛緩薬を用いて徹底して肺を守り,病態改善後はすみやかに浅鎮
静を目指す
  板垣 大雅・西村 匡司 徳島大学病院 救急集中治療部
 回答3:筋弛緩薬や鎮静薬の使用はできるだけ避け,自発呼吸を温存しつつ挿管し,
 早期から理学療法を行う
  毛利 英之 自治医科大学附属さいたま医療センター 集中治療部

11. 「特集 疼痛・興奮・譫妄」解説:ガイドラインの功罪と臨床家としての態度
  讃井 將満

連載
■Lefor’s Corner 
第10回:Ventilator Management:Part VI. Ventilator−Associated Pneumonia
  Alan T. Lefor Department of Surgery, Jichi Medical University

■え?知らないの? IABPの使い方
  靍橋 由典 杏林大学医学部付属病院 臨床工学室

■集中治療に関する最新厳選20論文
  柳井 真知 聖マリアンナ医科大学 救急医学
  藤谷 茂樹 

■JSEPTIC-CTG活動報告 
第5回:Neuromuscular Pathology In Critically Ill Patients:An Autopsy Study
“NECROPSY Study”
  畠山 淳司・武居 哲洋 横浜市立みなと赤十字病院 集中治療部

■JSEPTIC簡単アンケート 
第11回:ICUでのルーチンpart 2,Non−Occlusive Mesenteric Ischemia(NOMI)の集中治
療管理,水分バランスの計算法と体重測定の方法
  笹渕 裕介 東京大学大学院 医学系研究科


JSEPTICのHPがますます充実してきました

2014-01-02 05:56:09 | 集中治療

あけましておめでとうございます。

旧年中はJSEPTIC雑誌IntensivistFCCSをご利用くださりありがとうございました。

新年ということでアップデート、今後の予定をいくつか。

JSEPTICのHPがますます充実してきました。とくに

1. 臨床研究委員会:新しい研究がいくつかアップされています。いずれも参加しやすく、負担の少ない観察研究、かつインセンティブがある研究です。多施設研究は「研究はやってみたいのですが、どうしてよいかわからない」という方の入門編としてご利用可能と思います。また、本年早々にももういくつか研究が始まります。

http://www.jseptic.com/rinsho/

3月1日土曜の午後1時から集中治療医学会会場でJSEPTIC-CTG特別総会を開催します。いままで研究にご参加くださった方、研究に参加したいという方から単に覗いてみたいという方まで大歓迎です。詳細が決まり次第MLやHPでお知らせします。

また、東京大学大学院 笹渕先生のがんばりで簡単アンケートが続いています。ひきつづきよろしくお願いします。

http://www.jseptic.com/rinsho/questionnaire.html


2. 看護師部会:筑波大学 卯野木さんのブログは間違いなく面白い。必見です。

http://www.jseptic.com/nursing/

 
3. 臨床工学技士部会:済生会横浜市東部病院 森實さんたちが作ってくれた各種の教材が充実してきました。いまのところ血液浄化、呼吸療法のスライドがアップされていますが、今後続々とアップされていきますので乞うご期待です。

http://www.jseptic.com/ce/


4. セミナー:通常の年4回のJSEPTICセミナーに加え、集中治療専門医クラスの方で今後病院や地域でICUのリーダーを目指す方のための合宿形式のハンズオンセミナーを計画中です。回診、ジャーナルクラブ、レクチャー、M&M、臨床研究、ICU運営などのコツを体験学習していただく、という内容です。5月に第1回開催を予定しております。詳細が決まり次第MLやHPでお知らせします。

また、1月28日に同じく東京ベイ浦安市川医療センターで、18時からミズーリ大学呼吸器集中治療科の大庭祐二先生の講演会を予定しております。なお、次回のJSEPTICセミナーは4月12日東京ベイ浦安市川医療センターでテーマは鎮痛・鎮静です。詳細が決まり次第MLやHPでお知らせします。

http://www.jseptic.com/seminar/index.html


JSEPTIC-Clubの皆様、いつもセミナー動画配信をご利用いただきありがとうございます。本年はセミナーばかりでなく、もう少しコンテンツを増やしたいと考えています。ご期待ください。

http://jsepticseminar.kenkyuukai.jp/about/


5. ジャーナルクラブ、Clinical Q&A、M&Mにもとづくプロトコール:東京ベイ浦安・市川医療センターの津久田先生、慈恵の内野先生らの尽力で頻繁にアップされています。

http://www.jseptic.com/journal/


6. シュミレーション部会:大阪市立総合医療センター 安宅先生を中心に、FCCSはいまさらお伝えする必要もないくらいに定着しました。今年も昨年までと同じ頻度で開催されるでしょう。

http://www.jseptic.com/seminar/fccs.html

http://www.jseptic.com/simulation/

ひきつづきJSEPTICをよろしくお願いします。

本年の皆様のご健康とご多幸をお祈り申し上げます。