Dr. 讃井の集中治療のススメ

集中治療+αの話題をつれづれに

INTENSIVIST編集会議の裏側

2010-02-20 15:52:02 | 集中治療
先日JSEPTICメーリングリスト会員より今後INTENSIVIST編集会議をお手伝いしていただける方を募集しました。昨日の編集会議には約10人の方が参加していただき午後11時までお付き合いいただきました。
遠方は宮城県や福岡県からのわざわざこの会議のために来ていただき、頭の下がる思いです。

心不全特集をどのように読者に伝えていけばいいのか遅くまで議論をしましたが何とか落ち着きました。

平岡先生も午後の仕事が終わってから神戸から来られ、本日早朝に外来のためにもどられました。

INTENSIVISTGどの号も順調に販売されているようで在庫切れで、増冊を多いものでは2回もしているとの編集社からのうれしいコメントもいただきました。

以上編集会議の裏情報です。
藤谷

PS
皆様方で、編集や、JSEPTICの事務局を手伝ってくれる方を募集しております。

FCCS看護師バージョン

2010-02-08 13:50:01 | 集中治療
先日、FCCS看護師バージョンを開催いたしました。
参加者の積極的な態度がとても印象的でした。ほとんどが、救急・ICU専属の看護師の方々の参加で、医師がどのようなことを考えて治療をしているかがわかり今後の治療に確実に生かすことができるのではないだろうかという感じを持ちました。

今後、看護師、CEなどを対象にコメディカルにも広がることを期待します。そして、チーム医療が日本のどこでもスムースに行うことができるようになることを期待します。




日はまた昇る?

2010-02-04 06:52:27 | 集中治療
 暗い話でごめんなさい。

 最近は、年1~2回しか海外に出ないので、相当のバイアスがかかっていることを覚悟しての発言である。また、これといった根拠をお示しできない推測の域を出ない発言でもあることをお許しいただければ。
 先日、デトロイト-成田便で米国から成田空港に到着したときのことであった。今まで見たことがない風景、つまり乗客の9割がトランジットしてアジア諸国に向かい、日本で降りる人が非常に疎らであるのを目撃した。日本の凋落を肌で感じた瞬間であった。高度成長期に生まれ育ち、いろいろな意味で生まれた祖国を誇りに思ってきた自分にとって、ある種の切なさ、やるせなさを感じた瞬間であった。また、人の親として、この国をベースに将来生きていくであろう自分の子どもたちの将来にも大きな不安を感じてしまう。
 一方、新聞やテレビを見ると、毎日のように本筋とかけ離れたところで足の引っ張り合いが行われ、マスコミもそれをあたかも一大事の如く取り上げる。医療の世界も同様だ。一部の医療従事者の最低限の人間らしい生活も確保されずに、マスコミ、司法は鵜の目鷹の目で足を引っ張ろうとしているようにしか見えない。医師不足問題が連日紙面を飾り、開業医vs勤務医、都会vs地方、女性医師vs男性医師、人気のある科vs人が集まらない科、などという安易な対立図式もでっち上げられ、お互いに足を引っ張る意見しか目立たない。何か変だ。
 こうなってしまった原因のひとつとして、素晴らしい制度であるはずの臨床研修医制度がやり玉に上がることが多い。土台を支えるレジデント制度の部分が変わって、ようやくレジデントは本当の世界を知る自由を得られた。それ自体は悪いことでは決してないはずだ。しかし、その上部構造がそのままだったから歪みをきたした。そもそも「見て盗む」文化の国なので、指導ということがどういうことかわからず、教わったことがない指導医は教えることができない。指導があり、症例があるところにレジデントが集るのは至極当然の流れだ。
 それでも物足りない、実力のある医師になりたい、と真摯に自分の将来を考える医師の間で、海外の臨床トレーニングを受ける人が格段に増えたのも自然の流れだろう。おまけに研修を終えても多くの方が日本に帰って来なくなった。その方が遺憾なく自分の実力を発揮でき、人間らしい暮らしが守られる。このような優秀な頭脳の国際流出はますます進むかもしれない。日本の英語教育の不備のおかげで、高度成長期には防がれていた頭脳流出がとうとう始まったと思うのはちょっと考え過ぎかもしれないが。
 一方で、日本からの学生や各分野のトータルの米国留学者数は年々減っていると聞く。一億総草食系人間化か、あるいは、ここでも、二極化はますます進んでいると見ることもできる。日本の美点であった「みんな平等」が、もはや表面的なお題目で、それをまた無理に筋を通そうとするので、ますます歪みが生じているという言い方もできよう。そもそも戦後、平等の意味を最初からはき違えてしまった、と考えたほうがスッキリするかもしれない。
 以上のことは思い過ごしであることを祈っている。が、とりあえず、海外の優秀な頭脳のみなさん、日本に戻ってきて頑張りませんか。資源もなく技術も古びてしまった国、ビジョンもなくて発想の転換もできない国、何が正しいことか誰も自信を持って言えなくなってしまった国、老人だけ多くて変に平等で足の引っ張り合いをする国、放っておいたらどうなるか、心配です。日本に帰ってきませんか。まだまだ良いとこ一杯ありますよ。

 以上、成田空港からの高速バスの中から見る夕日に映える富士山があまりに美しかったので、いろいろ考えてしまいました。