「通勤ライナー」はなぜ乗客にも鉄道会社にも得なのかー有料座席列車導入は鉄道活性化のカギ

こんにちは。大塚良治『「通勤ライナー」はなぜ乗客にも鉄道会社にも得なのか』(東京堂出版)で鉄道活性化策を提言しています。

市民目線で「生活バスちばにう」新鎌ヶ谷駅バス停位置改善を!

2014-09-13 20:00:00 | 日記
皆様、こんにちは。

2014年9月11日(木)に、「生活バスちばにう友の会」メンバーの武藤弘会長、柴田圭子副会長、太田誠北総線運賃値下げを実現する会(北実会)会長以下6人+私の7人で、鎌ヶ谷市役所都市建設部道路河川管理課へ、清水聖士市長宛ての「バス停の位置変更に関する要望書」(駅南口ロータリーから鉄道改札口がある駅北口ロータリーへのバス停移設要望)を手渡しに訪問し、1時間半にわたって協議しました。残念ながら、取材に来られたマスコミ関係者をシャットアウトしての会談となりました。

会談の詳しい内容は「鎌ヶ谷市役所と鎌ヶ谷警察への要望」『しばた圭子ブログ』をご参照いただくとして、ここでは会談の内容をごく簡単に摘出したいと思います。

道路河川管理課は吉松秀樹課長補佐以下3人が応対してくださいました。

吉松課長補佐からはおおよそ以下の発言がありました。

・既存バス事業者から「(駅への送り迎えの)一般利用者からの苦情がある中で、新規参入の北口ロータリーへの受入は困難」との声があった。
・新鎌ヶ谷駅バス停位置変更には、「鎌ヶ谷市地域公共交通会議」と「新鎌ヶ谷駅駅前広場利用旅客輸送者連絡協議会」の開催が必要だが、バス停が変わるくらいのことでは、これらの会議を開くことが難しいかもしれない。なお、「連絡協議会」の開催権限は会長である道路河川管理課長にある。

北口ロータリーに発着するバスの本数は非常に少ないものです。「416人!」『しばた圭子ブログ』で詳しく紹介されていますので、ご覧ください。

ちなみに、実は地域公共交通会議は「単なる交通事業者の利害調整の場」に過ぎないのです。この会議には市民代表も入ってはいますが、実態は既存交通事業者の既得権を守るための場である、とも言い換えられます(もちろん、地域差があって、他地域では市民の意見がしっかりと反映される地域公共交通会議もあるかもしれませんが、少なくとも印西市と新鎌ヶ谷市については、市民委員の意見よりも、事業者の声の方が大きいと言う印象を抱きました)。なお、新鎌ヶ谷駅ロータリーのバス停位置を事実上決定するのは「連絡協議会」ですが、この協議会に市民代表は一人も入っていません。つまり、既存交通事業者の意見が優先されがちなのが現実と感じます(制度を定めた国土交通省には恐縮ですが、私や「生活バスちばにう友の会」メンバーが感じる率直な感想です)。

道路河川管理課からの返答に対して、友の会からは以下の申し入れを行いました。

・「生活バスちばにう」が南口ロータリーを発着する際に渡る踏切は凸凹が多く、バス利用者を危険にさらしている。バスが踏切内でエンストを起こし立ち往生して列車と衝突する危険性や、バスを利用する高齢者等が踏切で転倒する恐れもある。市民の安全確保の観点から、道路河川管理課長の権限でぜひ「連絡協議会」を開催してほしい。

協議の最後に吉松課長補佐からは、「今日皆さんがわざわざお越しになったことは決して無駄でなかったと思います。皆さんの要望は真摯に受け止めます」との発言があり、道路河川管理課との協議を終えました。協議終了後、秘書課にも同じ文書を手渡し、後日文書で回答を頂くこととなりました。

その後昼食を挟んで、鎌ヶ谷警察署にも出向いてバス停移設への協力をお願いし、散会となりました。

さて、「生活バスちばにう」の今回の要望は単なる「わがまま」との声もありますが、果たしてそうなのでしょうか?そもそも、バス利用者を危険にさらす踏切横断を強いてまで、既存事業者の利益を守ることに正当性はあるのでしょうか?

参入するバス事業者を既存バス事業者が快く思わないのは当然です。しかしだからと言って、利用者よりも既存バス事業者の利権を優先するのは筋違いです。

例えば、Aコンビニの目の前に、Bコンビニが出店することになれば、Aコンビニは既得権が侵害されると思うでしょう。しかし、Bコンビニが出店することをAコンビニが妨害する事など出来ませんし、またAコンビニがなすべきことはサービスの一層の改善を図ることによってさらなる集客を目指すことであって、Bコンビニの進出を妨害することではないはずです。

しかし、「交通の話は別である。新規参入を野放図に認めることで既存事業者の利益が浸食されると、そのしわ寄せが赤字路線に及んで公共交通の維持が困難になる」との再反論も聞こえてきそうですが、それもまたおかしな話です。意欲ある新規バス事業者が参入することで、公共交通の充実につながるメリットを全く無視した議論だからです。

1985年4月に国有事業だった通信事業が民営化され、通信事業者間の競争が促進されたことで、通信料金の値下げが促進された事例を見ても、一定の競争は消費者に大きな利益がもたらされることは実証されていると言えます。

公共交通についても、もちろん過疎地の生活交通のような既存路線の維持方策を常に手当てすることが大前提ですが、その一方で、適度な競争を促すことが、消費者である交通利用者に利益をもたらすことを意識する必要があります。

「生活バスちばにう」のバス停問題を昨日Facebookに書き込んだところ、FB友達のお一人から以下のご意見を頂きました。

・バス停って留めるスペース、利便性を考えて、(はじめから)バス会社と住民が話し合いの末決めるんじゃないんですか?≪その後、利用者はバス停設置の話し合いに参加することができない制度になっているとの私の回答を受けて≫ はあぁ?!って思いました。誰のなんの為のバスなんでしょうか。(北関東在住・久米史子さん)

一般市民である久米さんのご意見は至極真っ当です。専門家は制度や規制を持ち出して、自分たちの領域の中だけで議論しがちですが、公共交通は誰のためにあるのかを考えれば結論は明白です。つまり、市民目線で物事を考えることが大切である、と言うことです。

それではバス停位置の改善が実現した事例はないのでしょうか?

実は、同じ千葉県にそうした事例があります。あすか交通(旧団地交通)幸町団地循環線のJR総武本線稲毛駅西口バス停がそれです。

現在、あすか交通幸町団地循環線は、稲毛駅西口の入口目の前の4番のりばのバス停ポールを、京成系バス事業者と共用しています。



1999年の稲毛駅乗り入れ時は、既存バス事業者の抵抗に遭って、団地交通は駅から離れた場所にバス停を置かざるを得なかったそうですが、その後同社による行政への粘り強い働き掛けが実って、駅の目の前にバス停を移設することができたとのことです※。

※ビィー・トランセホールディングス株式会社代表取締役社長吉田平氏他への聞き取り調査(2014年7月18日実施)より。

「生活バスちばにう」もあすか交通の先例に倣い、利用者の利便性・安全性確保を最優先する精神で、新鎌ヶ谷駅北口へのバス停移設を何としても実現したいと考えているところです。

皆様の温かいご支援をお願い申し上げます。


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