「通勤ライナー」はなぜ乗客にも鉄道会社にも得なのかー有料座席列車導入は鉄道活性化のカギ

こんにちは。大塚良治『「通勤ライナー」はなぜ乗客にも鉄道会社にも得なのか』(東京堂出版)で鉄道活性化策を提言しています。

湘北短期大学総合ビジネス学科大塚ゼミが「生活バスちばにう友の会」を訪問しました

2014-12-29 21:36:47 | 日記
皆様、こんにちは。

本日は、湘北短期大学総合ビジネス学科大塚ゼミ1年生を連れて、「生活バスちばにう」乗車と「生活バスちばにう友の会」訪問を行いました。

まず、新鎌ヶ谷駅09時30分発「生活バスちばにう」千葉ニュータウン中央駅北口行きに乗車しました。冷たい雨が降る中、新鎌ヶ谷駅北口からバス停まで徒歩で向かい、バスに乗り込みました。



千葉ニュータウン中央駅北口到着時には、「生活バスちばにう友の会」武藤会長と北田氏、そして鎌ヶ谷観光バス有限会社の徳永専務のお出迎えを受け、駅近くの集会場まで送って頂きました。

会場入りして、武藤会長から「生活バスちばにう」運行の経緯や新鎌ヶ谷駅バス停問題についての一通りのご説明を頂いた後で、徳永専務からはバス運行の実務についてお話しがありました。また、「北総線運賃値下げを実現する会(北実会)」太田会長からも北総線運賃問題に関してご説明を頂戴しました。

各氏の発言要旨は、以下の通りです。

武藤氏:「前田・大塚の両氏より、北総線運賃問題を解決しようとするのではなく、安価な交通機関を自分たちの手で創り出しては、とのアドバイスを受けて、『生活バスちばにう』に取り組み始めた。北総線運賃が高額で外出をあきらめてしまっている高齢者に、外出機会を提供できればと考えている」

徳永氏:「昨年10月の社会実験で『今までは家に閉じこもっていたし、北総線運賃が高額で息子や孫が千葉ニュータウンに来ることがなかなかできなかったので、バスが本格運行するようになれば助かる』との乗客の声を聞いて決断した。バス運行は十分に事業として成立すると確信し、2台のバスを購入した」

太田氏:「千葉ニュータウン地域は、自然が豊かで都心まで40分で到達できる便利で済みやすい地域だが、夫婦で往復すると5千円、家族4人で1万円もする運賃は異常としか言いようがない。鉄道運賃と同じ公共料金である電気料金では、東京電力管内と北海道電力管内等で電気料金が大きく異なることはないが、鉄道運賃は地域により大きな差が生まれている。政府の認可があれば、いくらでも高い運賃を取って利益を上げられる現状は変えていかないといけないのではないか」

北田氏:「私が住む船橋市小室地域は、印西市や白井市と比べると高齢化の進展が早く、限界集落化しつつあるという危機感がある。店舗も次々と撤退し、買い物にも不自由するような悲惨な状況。千葉ニュータウン中央へ買い物に気軽に行けるよう、何とか『生活バスちばにう』の小室停車を実現したい」



最後の質疑応答では、ゼミ生から新鎌ヶ谷駅バス停の北口移転への実現可能性に関する質問が出ました。

それに対して、徳永専務からは「企業が陳情しても役所は動かないが、市民の要望であれば、聞く耳を持ってくれる」、武藤会長からは「粘り強く何度でも陳情していくつもり」との回答がありました。

最後に友の会乾氏からは「これまでは企業利益を守ることに規制の意義があったが、今後は消費者の利益を守る視点が大切になっていく。企業利益と消費者利益はトレードオフの関係にあったので、規制が優先されてきた。しかし、『生活バスちばにう』は既存事業者の利益よりも、消費者の利益を実現するための取り組み。そういう視点で、これからも交通とまちづくりについて勉強していくと面白いのではないか」とのお話しがあり、ゼミ生は納得しながら耳を傾けていました。

勉強会終了後、千葉ニュータウン中央駅まで送って頂き、学生とともに北総線で都内へ移動しました。駅で運賃表を見た学生からは「都心まで行くのに、1,000円以上もする運賃にびっくりしました。バスを求める気持ちが理解できました」との感想が聞かれました。

今回の勉強会は、「生活バスちばにう」の活性化と、学生の社会勉強を兼ねて企画・実施されたものです。送迎や資料の用意等で非常に厚遇下さった、武藤会長や徳永専務をはじめとする関係者の皆様に心より御礼申し上げます。ありがとうございました。

大塚ゼミでは今回の勉強会の成果を基に、「生活バスちばにう」のPRポスターを作成し、鎌ヶ谷観光バスのご協力を得て、ポスターの車内掲示を行う計画です。

「生活バスちばにう」への皆様の温かいご支援をお願い申し上げます。


以下、過去の関連記事です。

「『生活バスちばにう』ポスター展示を行いました」

「市民目線で『生活バスちばにう』新鎌ヶ谷駅バス停位置改善を!」

「『生活バスちばにう』目標の400人をついに突破!」

「『生活バスちばにう』目標の400人が間近です!」

「『生活バスちばにう』おかげさまで順調に乗車人員を伸ばしています!」

「『生活バスちばにう』本日運行開始!」

「全てのステークホルダーに『メリット』を―『生活バスちばにう』が目指すもの」

「『生活バスちばにうミニ・シンポジウム』が開催され、コーディネーターを務めました」

「千葉ニュータウンバス運行を目指して行われたバス社会実験を振り返る」

生活路線感覚の「通勤ライナー」博多南線を見る

2014-12-26 10:43:57 | 日記
2014年12月22日、JR博多南線博多16時57発博多南行き(列車番号:743A)に乗車しました。

JR西日本所属500系V3編成カンセンジャー仕様8両による運行でした。

勤め帰りのサラリーマン・OLや学生・生徒を中心に大勢の人たちが、ホームで列を作っていました。



方向幕に「博多南」を表示した「こだま743号」博多行き(列車番号:743A)が到着し、ドアが開くと、次々と旅客が列車へと吸い込まれていきます。「こだま743号」は博多から引き続き、列車番号はそのままに、16時57分発博多南行きとなります。



列車は311人の旅客を乗せて、定刻に出発し、九州新幹線の線路を南下します。約8.2km地点で九州新幹線を西側に分岐し、同線の東側に位置する博多南駅に到着しました。



そして、折り返しとなる博多南17時21分発博多行き(列車番号:756A)に乗車しました。博多南駅停車時点で、側面方向幕は「こだま 新大阪」の表示になっていました。



186人の乗車を乗せて出発し、博多に定刻に到着しました。博多からは列車番号はそのままに、引き続き17時32分発こだま756号新大阪行きとして運転されます。



博多南線は、博多駅~博多総合車両所間の回送線を宅地化が進展した那珂川町住民等からの要望を受け、1990年4月1日に営業開始しました。

当初は国鉄分割民営化時の「九州内の在来線はJR九州が運営する」との取り決めにより、在来線として営業する博多南線の取り扱いが問題となった経緯から、博多南駅の業務をJR九州に委託することで妥協が図られましたが、2010年4月1日からはJR九州への委託が解消されてJR西日本の直営へ移行し現在に至っています。

また、2011年3月12日に全線開業する九州新幹線鹿児島ルートが博多南線 8.5km のうち約8.2kmを九州新幹線の本線として使用することになるため、博多南線の存続が懸念されていましたが、九州新幹線開業後もほぼ開業前と同水準の本数が維持され、現在に至っています。

博多南線は乗車券に100円の特急料金を支払えば利用できるため、特急列車でありながら生活路線的な役割を担っています。特急料金をほとんど気にせずに利用できる点で地域社会への貢献は多大なものがあります。

生活路線感覚で利用されている「通勤ライナー」として、日々多くの通勤・通学利用に応えるとともに、那珂川町、大野城市、春日市、福岡市南区をはじめとする地域のかけがえのない「財産」として存在し続けています。