朱と群青

日々の思いを、時々趣味の絵をアップしながら書き綴っています。

7年目の絵

2014年09月21日 | 

絵を描き始めてから7年目になります。

 美術展などで見受ける、それぞれ個性豊かで想像力に満ちた素晴らしい絵に比べると、私の絵は、ただコツコツと
努力して描いただけの絵に過ぎず、絵を完成したときの有頂天にもなる達成感が過ぎると、ほっとして気が緩みます。
 この先、暫くは自分の個性を探求するためにどういう風に進もうかと模索する日々が続きます。

 先日、ある美術展のパーティで、私の入会の挨拶が済んだとき、1人の紳士がグラス片手に近づき
「いよいよ、あなたも蟻地獄へ来ましたね。」
 何のことか分からず、よく話を聞いてみると、「絵を描く事は、蟻地獄でもがく様なものだ」と言われるのです。
「もがいても、もがいても、力を消費するだけで、もがくのを止めれば地中に引きずり込まれる」
 
 私は、今まで絵を趣味として描いているだけで、そんな風には考えた事は無かったのです。
一方、その紳士は自分の存在の全てを賭けて絵の制作に取組んでいるのかも知れないと思い、かなりな温度差を感じました。
 そんな人の描く抽象画ははどんな絵だろうと興味があります。

 所詮私の絵は趣味の絵ですが、絵の制作は、山に登る事に例えたいですね。

 登る途中、いろんな花が咲いてたり、清流があったり、かと思うと急峻な岩を登り、心臓が激しく鼓動した後、やっと頂上へたどり着く。
達成感と、素晴らしい頂上からのパノラマの風景、絵を描く行程がそんな心情と重なるのです。

「そこに山があるから登る」と言った人がいます。
「絵を描く押さえがたい気持ちがあるから描く」事も許されるのではないでしょうか。
 才能が無くて絵をコツコツ描いてても、達成感だけを頼りに描いても、それはそれでいいのだと私は信じたいです。

 物事に対する考えは人それぞれだなと、その紳士の言われる事を、『それも有りなのだ』、と受け入れて聞いていました


 絵は、去年スペインにを旅行した時の、世界遺産『古都トレド』の風景をを見たときの感動を込めて描きました。

    『 残照のトレド 』 
    F-100号 和紙に岩絵具  




 

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