よもやまカンボジア

カンボジアの日本語学校で起こった不思議な出来事を…。

長い夜

2006-10-14 18:53:08 | Weblog
プノンペン在住の日本人の人たちと話していたときに、みなが「プノンペンは夜が長い」といっていた。確かに日本に比べれば残業も少なく、通勤時間も短い。まして、女性ならそうそう夜出歩くわけにも行かず、夜が長くなるのは必然だ。しかし・・・、私たち(この学校の教師一同)にとっては、夜は短い・・・。というか、長く感じる暇もないほどにあっという間である。私たちは朝5時から夜8時まで仕事をしている。8時に晩ご飯を食べ、ちょっとテレビを見るとあっという間に9時、10時。翌朝の5時起床のためには、すぐに寝なくてはならない時間になるのだ。そして、何かをしようにも10時を過ぎ、11時にでもなろうなら、眠くて眠くて仕方ないのである。すっかりカンボジア人化した私たちは、在住日本人とはかなりかけ離れた生活のようだと、ちょっとした会話から思い知らされる。11時すぎから別の店に飲みに行き、走って終電に乗ったり、はたまた終電を逃してバスや徒歩、タクシーで帰った東京の夜がちょっと懐かしい。



気が滅入るCM

2006-10-14 18:49:44 | Weblog
私はかつて広告をかじった身として、日本ではポスターや電車の中吊り広告なんかが好きでよく見ていた。結局広告の道へはすすまなかったので、今ではそんな情熱はなくなったが、海外に行っても、紙媒体の広告はもちろん、テレビCMもよく見ている。カンボジアのテレビCMはおもしろくないのであまり見ないが、民法各局の夜のゴールデンタイムにやっているCMが、セメントやトラクター、精米機といった品々なのだから、ある意味本当にすごい。スポンサー様様の日本とは大違いである。今やっているCMで、好感がもてるまともなCMといえばNOKIAのものくらいだ。でもこれはタイやベトナムなど共通のアジア向けCMであろう。

商品のCMが少ない反面、異常に多いのが公衆衛生を中心とした政府や国際機関のもの。もう暗記するほど見せられているのが、「手を洗いましょう」「鳥インフルエンザに気をつけよう」「つばをはくのをやめましょう」「コンドームを使いましょう」「子どもを学校へ行かせましょう」等々。つばCMでは“つば”そのものが見えるので、ご飯を食べているときなど、本当に嫌になる。コンドームも袋から出した状態のものが画面に現れるので、初めて見たときは本当にびっくりした。これらのCMが深夜ではなく(だいたい深夜はTV自体がやっていない)昼夜問わず、毎日繰り返し、繰り返し流れるので、本当に飽き飽きする。最近は最初の音楽が鳴っただけで、ちょっとうんざりするほどだ。

それに加えて、先月末からさらに気が滅入るCMが加わった。「売春をやめよう」と「子どもを売るのをやめよう」である。CM自体はフィクションであるが、間に挿入される写真は本物。被害者の本物の写真を使っているので、本当に見ていて気分が落ち込む。目がうつろな少女たちと、娘を売った母親の遠い目。フィクション部分の売春宿のおかみが少女を殴るシーンなどまだご愛嬌で、本物の写真はちょっとたえられない。まあ、被害者の写真を公共の電波や新聞に載せること自体、日本では考えられないことだが、こちらでは普通である。犯罪者はともかく、レイプにあった被害者なども顔つき写真をのせる新聞など本当にびっくりする。しかし、ゴールデンタイムにこうしたテレビCMを流せねばいけないほどに問題は深刻なわけで、カンボジアのあちこらこちらにそれほど多くはびこっていることなのである。それにしてもあのCMを見るたびの気が滅入るものだ。