サッカーの中田選手の突然の引退にはサッカー界はもとより、日本中がおどろいた。私も即効でホームページにアクセスした口だが、「びっくり」より「やはり」という感じがした。私はサッカーも特にくわしいというわけではなく、中田選手に関しても特別な思い入れがあるわけではないが、なんとなく興味深い人だなと思って、以前から注意して見ていた。先日スポーツ雑誌を読んでいたら、中田選手に関する記事が載っていて、それを読んでいて思い出した彼の名言がある。私はその記者と同じ気持ちでああこれこれ!という中田選手の記事を読んでいた。
「30歳になっても大学に入れるけど、サッカーは今しかできない」
これを当時18歳かそこらの男の子が言ったので、おどろきだ。私はこの発言をした当時の彼をベルマーレ平塚(当時)のグランドで至近距離で見かけたことがある。Jリーグも盛り上がってきたそのころ、彼は鳴り物入りでベルマーレに入団した。とはいっても、そのころのベルマーレにはそれこそ彼よりだいぶ人気があり、外車に乗るようなスター選手がたくさんいた。そのスター選手のファンだった友達が練習を見に行くというので、つきあい半分、興味半分で2時間以上もかけて、平塚の練習上まで見に行ったのである。練習が終わり、選手たちがクラブハウスへと散っていくと、友達たちがスター選手とやれ写真だ、プレゼントを渡すだので、行ってしまい、私はぼーっとグランドを見ていた。そこでずっとコーチのような人ともくもくと練習していたのが、中田選手だった。たしか、入団直後だったと思う。とりまきのようにファンに囲まれた先輩選手がグラウンドを去った後も、もくもくと練習していた姿が印象的だった。
私は彼より少し年上だが、当時この発言を聞いたとき、正直驚いて、なんてすごい人というか老成した人だろうかと思った。そしてそれは30歳をこえた今、ひしひしと伝わってくる。彼の思いはまわりがどんなに騒ぎ、どんなに記事にしようと、結局彼しかわからないだろうが、この発言には彼のポリシーがつまっているような気がする。そして、若いときから、将来を見据えていた人生観には本当にびっくりする。彼のようなクレバーなサッカー選手もそういないだろうが、こうしたかっこたる信念をもった若者なんて、日本中探したってそうそういないだろう。だからこそ、彼の苦悩はたぶんいわゆるふつうの人たちである国民の大勢に、そしてそれはいっしょに代表として闘った仲間たちにさえはわからないんだろうなあと思った。すごい人はすごい人なりになんだか孤独である。
さて、一般人のわたしたち。中田選手のような苦悩はないが、やはり、私たちにも今しかできないこと、というのはあるはずだ。私もその瞬間を見過ごさないように、しっかり目をあけて生きていかなければ。
「30歳になっても大学に入れるけど、サッカーは今しかできない」
これを当時18歳かそこらの男の子が言ったので、おどろきだ。私はこの発言をした当時の彼をベルマーレ平塚(当時)のグランドで至近距離で見かけたことがある。Jリーグも盛り上がってきたそのころ、彼は鳴り物入りでベルマーレに入団した。とはいっても、そのころのベルマーレにはそれこそ彼よりだいぶ人気があり、外車に乗るようなスター選手がたくさんいた。そのスター選手のファンだった友達が練習を見に行くというので、つきあい半分、興味半分で2時間以上もかけて、平塚の練習上まで見に行ったのである。練習が終わり、選手たちがクラブハウスへと散っていくと、友達たちがスター選手とやれ写真だ、プレゼントを渡すだので、行ってしまい、私はぼーっとグランドを見ていた。そこでずっとコーチのような人ともくもくと練習していたのが、中田選手だった。たしか、入団直後だったと思う。とりまきのようにファンに囲まれた先輩選手がグラウンドを去った後も、もくもくと練習していた姿が印象的だった。
私は彼より少し年上だが、当時この発言を聞いたとき、正直驚いて、なんてすごい人というか老成した人だろうかと思った。そしてそれは30歳をこえた今、ひしひしと伝わってくる。彼の思いはまわりがどんなに騒ぎ、どんなに記事にしようと、結局彼しかわからないだろうが、この発言には彼のポリシーがつまっているような気がする。そして、若いときから、将来を見据えていた人生観には本当にびっくりする。彼のようなクレバーなサッカー選手もそういないだろうが、こうしたかっこたる信念をもった若者なんて、日本中探したってそうそういないだろう。だからこそ、彼の苦悩はたぶんいわゆるふつうの人たちである国民の大勢に、そしてそれはいっしょに代表として闘った仲間たちにさえはわからないんだろうなあと思った。すごい人はすごい人なりになんだか孤独である。
さて、一般人のわたしたち。中田選手のような苦悩はないが、やはり、私たちにも今しかできないこと、というのはあるはずだ。私もその瞬間を見過ごさないように、しっかり目をあけて生きていかなければ。