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アルコール依存症は不治の病?その3:退行と越行

2006-04-14 17:15:52 | アルコール依存症
前回はマズローの欲求段階説と、それが現在否定されている事を説明しました。

この否定された説に「越行と退行」という概念を導入した又吉正治という心理学者がいます。

基本的欲求が充足されない場合、人間は模倣能力を使って他の段階の基本的欲求を求めるようになります。 これが一番よく観察できるのが、第二子が産まれた後に第一子が見せる退行現象です。
二人目の子供を生んで育てたことのある人なら、第一子が赤ちゃん帰りを するのを見たことがあるでしょう。

又吉氏はこの現象を、本来の欲求が満たされないために第二子の模倣をすることで、本来の欲求のかわりに下位の欲求をもっ て充足を図ろうとする「退行」現象であると説明しています。

また、退行の逆で「越行」というのもあります。これは本来の欲求のかわりに上位の欲求をもって充足を図ろうとする行為で、「ませる・大人びる」という形で 現れます。 なお、「越行」は又吉氏の造語です。


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