毎年5月5日(注意! 御柱祭の時には前日の4日)に、豊作祈願のため里山辺の9つの地区から9艘のお船が須々岐水神社へ曳き回されます。
それぞれのお船には、諏訪立川流系統の素晴らしい彫刻が付いています。お船の彫刻を中心に、初めての方がお船の概要を把握できるようにと思い紹介します(各船の彫刻の詳細は別の機会に)。祭りの流れ、詳細な曳行の順路は、後半に載せます。彫刻の内容から勝手に命名(『 』丸)しました。もっと、いいネーミングがありましたら、ご指摘お願いします。
午前10時に、松本市教育文化センター前の道に9艘のお船が並び、順に神社に向かいます。その並び順に紹介します。
Ⅰ.薄(すすき)町のお船 片葉連 彫刻からは『仙人』丸
制作者:立川和四郎冨重(3代)、弟の専四郎冨種
改修:冨種の娘の松代(湘蘭)、清水湧水(清水虎吉の子)?
・全体像
・(進行方向)右側面
・左側面
Ⅱ.湯の原のお船 白糸連 彫刻からは『二十四孝』丸
制作者:和四郎冨重、冨種、池田文四郎
・全体像
・右側面
・左側面
Ⅲ.新井のお船 若草連 彫刻から『馬師皇』丸
作者は不明であるが、「馬師皇」の題材から諏訪立川流を疑う。かなり早い時期の製作と思われる。
・全体像
・右側面
・左側面 中央『馬師皇』
Ⅳ.下金井のお船 かねこ連 彫刻から『牛若』丸
制作者:不明 (原田蒼渓の補作)
・全体像
・右側面
・左側面
Ⅴ.荒町(荒町本郷)のお船 赤人連 彫刻から『力神』丸
制作者:不明 (清水東渓の補作)
・全体像
・右側面
・左側面
・力神
Ⅵ.西荒町(荒町区) かやの連 彫刻『日本』丸
制作者:清水湧水(冨種の孫弟子)
・全体像
・右側面
・左側面
Ⅶ.上金井のお船 圓上連 彫刻よりも上部の人形(義経)が特徴的、『義経』丸
制作者:不明 (立川東渓の補作)
・全体像
・右側面
左側面
・上部の人形(義経)
Ⅷ.藤井のお船 朝日連 彫刻から『七福神』丸
制作者:立川冨保(和四郎冨昌の弟)
・全体像
・右側面
・左側面
Ⅸ.兎川(とせん)寺のお船 都連 貝の装飾が特徴的です。『高砂』丸
制作者:不明(立川東渓の次男・清水島太郎の補作)
・全体像
・右側面
・左側面
●各々のお船の曳行順路
午前10時に、教育文化センター前の道③に9艘が並びます。
・薄町は、神社前の倉から出して逆行で③の先頭に並びます。
・湯の原、新井、下金井、荒町、西荒町は④(幹線道路の北に並行する道に並んで進みます)に並び→③へ 赤腺
・上金井、藤井は、東から青線のルートで③に並びます。
・兎川寺は、寺の西方の倉から出て③の最後に並びます。
その後、神社前で儀式を行った後に、各船が鳥居②過ぎたところで、右に急カーブして境内へ。(一番の見せ場)
午後13時半頃まで、神社境内に9艘がとどまり、各町で食事をします。
帰りは、各船毎に神前でお参りをして、境内北側で船を豪快にゆらして、神社をでて各町に戻ります。
お船の彫刻を見るには、10時ころに③、12時前後に①がいいかと思います。
・教育文化センターに並んだ風景(手前は下金井のお船、奥は先頭の薄町)
・お船は前後は、上下に動き、まさしく田に水をはった情景がまさしく海であり、海原を船が揺れながら進んでいく様は一見の価値があります。
・上下にゆれるお船(上金井のお船)
*どのお船も素晴らしいです(甲乙つけれません)。諏訪立川流の彫刻を見るには、この祭りはいい機会です。
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