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地味鉄庵

鉄道趣味の果てしなく深い森の中にひっそりと (?) 佇む庵のようなブログです。

紀州鉄道キハ603・満身創痍で最後の活躍

2009-08-10 00:05:00 | 地方民鉄 (近畿)


 JR紀勢線御坊駅の片隅から発車する紀州鉄道は、もともと廃止の危機にあった超零細私鉄・御坊臨海鉄道を、「鉄道」のネームバリューに着目した不動産デベロッパーが買収して存続している路線として知られていますが (公式HPを見ると一目瞭然 ^^;)、趣味的には大分交通出身のバス窓DCであるキハ603・604の存在が突出していると言えましょう。そんな紀州鉄道、個人的にはこれまで縁がなく……高校生の頃、御坊駅で駅寝をしたことがあるのですが、それも天王寺発新宮行の165系夜行で御坊到着後、朝一番の和歌山行きに乗って、今は亡き野上電鉄に行くための仮の宿としただけ。釣掛式電車専門だった中学・高校時代、まだまだ「新しい車両」に見えた昭和30年代DCは歯牙にもかけなかったのでした……(^^;;;)。
 その後約10年の非鉄のブランクを経て撮り鉄趣味に戻り、昭和の気動車も追い求めるようになってからは、俄然紀州鉄道も訪れてみたい場所となりまして、10代の頃の不明を恥じるようになったのですが、多忙の身にとって紀勢線沿線は遠い……(-_-;)。気がついてみると、キハ604は北条鉄道出身のキテツ1に取って代わられて紀伊御坊駅片隅のオブジェとなり、さらに今年改めて北条鉄道から2軸レールバスが入線したということで、これはついに一度もキハ603を味わう機会がないままとなってしまうのか……という後悔の念が……(苦笑)。しかし、ちょうどそのようなタイミングで和歌山出張の機会に恵まれまして、既に整備を終えたキテツ2が試運転を始めたというネット情報が流れる中、キハ603がいつ引退してもおかしくない最後のタイミングにうまく出張が重なったことは、本当に「ありがたや……」の一言。そこで、昨日昼までの用務が終了した後、和歌山13:04発の「くろしお」に飛び乗って勇躍御坊へと向かったのでした。



 昨日の和歌山は、既にニュース等でも伝えられている通りの天候不順の影響で極めて天気が宜しくなく、日中はやや明るい空になったものの、御坊駅に到着してさっそく地図上で目をつけていた撮影スポットに歩いて行こうとした瞬間にポツポツと雨が……。当初はにわか雨で済むだろうと期待したものの、それも空しくやがて本降りに……(T_T)。それでも、踏切が鳴って無事キハ603が現れた瞬間、「ぬををっ!シブ過ぎる! 雨だろうが何だろうが来て良かった……!」という感動が炸裂! その後は次第に雨も激しさを増し、光量は最終的にISO400で1/125秒、f4.5という「昼間なのに真っ暗」レベルまで激減 (号泣)、さらには傘も無意味な滝の雨で全身ズブ濡れとなってしまったのですが (地獄だ……)、とにかくキハ603は満身創痍、茨交のキハ112や鹿島鉄道の旧型DC群の末期と比べても「動くこと自体が不思議」という雰囲気が漂い、いつ突然致命的な故障が発生してそのまま廃車という運命をたどるとしてもおかしくないように見えるだけに、「今撮らなければもう永遠にキハ603を撮る機会はない!!」という覚悟を以て撮り続けたのでした……。そして、奮闘の甲斐がありまして、絞り開放によるアマアマな描写や被写体ブレが懸念された各カットも、何とかうまく撮影出来ていて大満足……(^O^)。
 というわけで、悲惨な土砂降りの中、撮影スポットを求めて御坊駅から歩き続けたところ、約1時間ほどでいつの間にか終点の西御坊に到着~(爆)。既に日本最短の民鉄の座を芝山鉄道に譲っている紀州鉄道ではありますが、途中駅がある鉄道としては相変わらず日本最短ではあり、あくまで御坊市内からJRへの連絡鉄道として存在しているのだなぁ~ということを思い知った次第です (笑)。
 西御坊からはいよいよ念願のキハ603乗車! (って……フツー誰でもJR御坊から体験乗車するだろ、という声が聞こえて来そうですね ^^;) ほとんどのキハ603体験乗車客 (「鉄」だけでなく家族連れなども……) は先頭付近にかぶりついている中、私は思いきり距離を置いてエンジン真上のボックスシートに座ったのですが、本当に骨董品に近いエンジンと車体が辛うじて時速20~30km程度で最後の力走をするのを味わいながら、改めてキハ603の現役走行に間に合った喜びをかみしめ、またこうして一つ消えゆく「昭和」を惜しんだのでした……。

 それにしても……返す返すも昨日の雨は悲惨でした。列車が無事定時運行していたのが救いでしたが……。明日いよいよインドネシアに行くというのに、台風来ないでくれぇ……(-_-;)。

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4 コメント(10/1 コメント投稿終了予定)

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Unknown (きえふにいさん)
2009-08-10 10:13:46
おっとっとさま、こんにちは!
うはっ、紀州鉄道のDCはこんなにかっこよかったのですか! 緑とクリームのツートンでバス窓なんて「21世紀に走っているのが奇蹟」みたいな鉄道だったのですね。こりゃあいますぐ行かないと! というくらいの価値がありそうです。
私も存在はずっと知っていましたが、いかんせん地味すぎる印象があって、おまけに関西圏の和歌山という土地は、自分で用事を作らない限り行くことがないくらい私には縁がない場所でして……。それにしても地味すぎるのがいい、だなんて私もオヤジになりました。
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Unknown (MAKIKYU)
2009-08-10 20:57:32
こんにちは。

こちらも今月初めて紀州鉄道に乗車する機会があり、訪問日はレールバスが稼動していましたが、こちらも西御坊からの乗車(往路は御坊南海バス利用:運賃や運行本数は紀州鉄道の方が優位)でした。

この路線は関西の方々が訪れるには丁度良い距離なのでしょうが、首都圏からは行き難い所ですね。

またこちらが紀州鉄道に乗車した際は車庫視察や乗車券購入、それに御坊南海バス車庫(徒歩10分程度)も兼ねて紀伊御坊駅で途中下車したのですが、その際にはキハ603&604が並ぶ姿と共に、試運転の紙が貼られた白に緑帯のレールバスの姿も目撃しており、2両目のレールバスがいつ営業開始となるかも気になる所です。

キハ603が運用を終えるのがいつかも気になる所ですが、冬の青春18きっぷシーズンまでキハ603が稼動するのであれば、是非再訪したいと感じたものでした。
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Unknown (おっとっと)
2009-08-20 19:49:12
>きえふにいさんさま
 こんばんは、コメントどうもありがとうございます!
 紀州鉄道のキハ603……ええ、ご覧の通りのシブさです (*^^*)。というわけで、私も本当に早めに訪れたいところだったのですが、関東人にはやはり和歌山からさらに南の地域は遠過ぎるかの観があります。金はないけどヒマはある中学・高校時代は、それこそ紀勢線の夜行列車に乗って私鉄めぐりをしたものですが、紀州鉄道はDCゆえパスするという誤った判断をしただけでなく、今や夜行列車も消滅……。というわけで、私も引退間際のギリギリセーフということになったわけですが (^^;)、三十路にとって慕わしい存在を逃すことほど深く後悔する話もないわけでありまして、早めのご訪問をオススメします……。
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Unknown (おっとっと)
2009-08-20 19:56:59
>MAKIKYUさま
 こんばんは、コメントどうもありがとうございます!
 やはり今月に入っての紀州鉄道駆け込み乗車 (?) どうもお疲れ様でした。キハ603の稼働は金土日に限られ、それも不調の場合はキテツ1が代走するようですが、2軸レールバスも今や非常に貴重な存在ですので、これはこれで意義深いご訪問となったのではないかと思います。
 そして、紀伊御坊で白と緑のレールバス=キテツ2を目撃されたのも、営業開始前だけに貴重な一コマなのではないかと思います、私が9日(日曜日)に訪れたところ、見事にクラの中に隠れており、シャッターが下りていました。既にネット上でもあちこちで画像が見られますが、シンプルで好ましい印象です。
 キハ603はいつ離脱してもおかしくなく、冬の18きっぷシーズンまで持つかどうか甚だ疑問ですが、紀州鉄道そのものはレールバスオンリーになっても改めて訪れてみたい……と思っています。唯一最大の難点は、新大阪から「くろしお」に乗っても1時間半以上かかり、首都圏からは遥かな場所だということでしょうか。時間的には四国まで行くのと余り変わりませんし……(苦笑)。
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