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地味鉄庵

鉄道趣味の果てしなく深い森の中にひっそりと (?) 佇む庵のようなブログです。

第四ヤンゴン熱鉄記 (9) キハ48札沼線

2016-05-24 12:00:00 | ミャンマーの鉄道


 ミャンマー国鉄においては日本国内と全く同様、ヤンゴン地区のDCが増えて余裕 (?) が生じるほど、玉突きでやや草臥れたDCが別の路線・地区へと転じて行くという流れがあり、あるいは地方路線の輸送改善のために直接キレイな車両を入れるという動きもありますが、このたびついに、来たるべき展開が現れました。リンク頂いております『RBE』様の「ミャンマーの鉄道ニュース受け売り」コーナーに掲載されている現地紙の内容によりますと、従来トラック改造の怪物車両LRBEで運行されていたバゴー~ニャウンカシー間(モウラミャイン本線~ニャウンカシー支線)ならびにターズィー~ピョーブエ(マンダレー本線区間運転)につきまして、前者はここ数年来コンピュータ大学支線で運用されていた札沼線キハ48 300番台、後者は東海キハ11に置き換えられたとのこと!!



 というわけで、ヤンゴンから至近の、あるいは比較的訪れやすい場所にあるLRBEは、一斉に過去のものとなってしまったのでした……。そもそもLRBEというシロモノ自体、長年のビルマ式社会主義や軍政のもとでの経済的苦境の産物であったわけで、ミャンマーという国が急速に開国して援助も得られ、その本来の経済的ポテンシャルを見せ始めたあかつきには、早々に消えて行く運命であったと言えましょう。したがって、一介の外国人鉄ヲタとしては、ミャンマーの開国から間もないタイミングを適切に把握して、乗って撮りまくることが出来たことの偶然と喜びを噛みしめつつ静かに惜別の念を感じるより他にありません……。
 しかしその一方で、コンピュータ大学運用で何度も乗って撮りまくった札沼線キハ48が、よりにもよってニャウンカシー支線の運用に転じたということ自体、とんでもない驚喜に値することであります (*^^*)。ここに入るのは三セクの軽快気動車に違いないと睨んでいたのですが、完全に予想が外れました (^^;)。キハ48の2連であれば、LRBE+LRBT×3の輸送力を上回り、利用客に快適さを提供出来るでしょうし、余程のことがない限り毎日 (?) 走り続けた札沼キハ48であれば、平坦なバゴー~ニャウンカシー間をチンタラと走るのはお茶の子さいさいでありましょう。そして何と言っても、最凶レベルにヘロヘロなニャウンカシー支線にキハ48が入線し、日本国鉄時代そのままの色彩の車内アコモに身を委ねながら、まさにミャンマーの田舎の雰囲気満点なニャウンカシー (しかもここは日英激戦の舞台……) に至ることが出来るということ自体、大いなる興趣をかき立てずにはいられません♪
 う~む、またいずれヤンゴンを再訪する際には、バゴーもメニューに入れなければなりませんな……。
 しかし、とにかくまぁ、ニャウンカシー支線の極悪ヘロヘロ線路&路盤が、キハ48を支えきれるのかどうか……。LRBE化される前はSLが牽引する混合列車の世界であり、さらに戦前までは本線でしたので、少々崩壊気味な路盤に手を入れてやれば、ダゴン大学・東大学支線と同程度に重い車両の運転も可能ということなのかも知れませんが……。
 いっぽう、キハ48が投入されたとは言っても、予備車がなければどうしようもありません。そこで、当面予備がなければ、LRBEが代走する可能性もありそうですが、さてどうなりますやら。
 あとそういえば、コンピュータ支線の2運用がどうなるのか気になるところですが、まぁ順当に考えて、井原のステンレス車が竣工し、日本財団の援助で下回りを整備したRBE2543とコンビを組むようになったのかも知れません。そしてもう1本はキハ11の2連にしておけば無難でしょう……。ともあれ、私が次回ミャンマーを訪れるのは来年3月以降ですので、最新の現地情報を楽しみに待ちたいと存じます。