
BDTEZ 12018。ヤンゴン東郊Na運用にこの客車が入ること自体が経済発展。

BDTEZ 12027。ヤンゴン (チミダイン)~ピィ鈍行のため、車体が汚い。

BDTEZ 12086。これはマンダレー本線の急行列車で運用されていました。

BDTEZ 12252。ヤンゴン環状線特別車・運賃200ksステッカーがポイント。
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先日発売されたRP誌の最新号では、いつもお世話になっております斎藤幹雄様によるヤンゴン環状線紹介記事が載っており、私も勿論ゲット致しました♪ 今やミャンマーに転じた日本中古DCのみならず、ミャンマーのオリジナル車両陣も詳細に雑誌で紹介される……すなわち載せてもブーイングが起こらない程度にジワジワと注目が集まるほどになったかと思うと、誠に感慨深いものがあります。何せ、斎藤様談によりますと、民主化開始以前の軍政バリバリ時代においては、撮影許可を得たRBEではない車両にカメラを向けようものなら、即座に軍人に文句を言われたそうですから……。そんな時代が長く続けば、一般の車両事情が紹介されないのも道理。しかし今や、私も含めて我も我もとヤンゴン詣でするようになり、いつの間にか現地車両にも興味を持ってしまった結果がネットで豊富に紹介されるようになりますと、なるほどこちらも面白い……ということで、今回の執筆依頼&掲載につながったものと愚考します。
というわけで、少々間が開いてしまいましたが、ミャンマー国鉄客車概観の続き。今回は、急行から鈍行まで縦横無尽に活躍する、12000台を付番された標準オーディナリー客車です。
ノーシルヘッダーのミャンマー国鉄標準客車の中でも、オーディナリーは自ずと最も多くのタマ数となっているわけですが、このうち初期の日本製は車齢の古さゆえに急行運用には余り入らない旨につきましては前回記した通りです。しかしたま~に、日本製の10400台が急行塗装に改められて急行列車で活躍しているのを見かけることもあります。
これに対し、急行用オーディナリーの圧倒的 (?) 多数を占めているのが、現在進行形で新造が続く12000番台の車両です。一部、ウリナラの大宇重工(現在は現代精工と合併してロテムに)製もあるようですが、多くはMRのミンゲ工場で生産されているようです(一部部品をウリナラから輸入するということはあるでしょう)。10400台とはなかなか見分けがつきにくいかも知れませんが、12000台は心なしか屋根の盛り上がり方が薄くなっています。最も明瞭な違いは……12000台ではトイレ・洗面台の窓がHゴムになっていることでしょうか。
なお、確か1年半~2年ほど前から、ヤンゴン環状線5~6連の中2両が12000台に置き換えられ、運賃200ksの特別車サービスが提供されていますが、ロングシート・扇風機無しのボロ客車と比べれば、たとえプラ製のゴツゴツボックスシートであっても破格のサービスであると思います。しかも問答無用でガーッと扇風機が回っていますし……♪ 運賃300ksながらも札幌スペックのクーラーではサバンナ気候の酷暑に対して完全に焼け石に水なJRHキハ40と比べても、個人的には200ksボックスシート車の方が100倍快適であると思います (笑)。とはいえ、同じ300ksで利用出来るキハ181と比較するとダメダメであることは言うまでもありません (とゆーか、キハ181が豪華すぎるのです☆)。そんなヤンゴン環状線での運用車は、新造時からただちに環状線に投入されただけあっての特別仕様で、トイレと洗面台が省略されています (そのスペースは単なる空洞に)。