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地味鉄庵

鉄道趣味の果てしなく深い森の中にひっそりと (?) 佇む庵のようなブログです。

タイ国鉄の日本ブルトレ改造特別車両

2014-03-17 00:00:00 | タイの鉄道


 オハネ14 33 (特急さくら) を大改造した展望車 A.R.S. 221。



 スハフ12 1009 (急行だいせん) を改造した食堂車 A.R.S. 231。



 スハ25 301 (特急あさかぜ) を流用したサロンカー A.R.S. 241。



 これは単に予備の二等寝台車 A.N.S.121 (あさかぜ・オハネ25 199)。

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 先日は特急「あけぼの」が定期列車としては廃止となったことにより、沿線は狂乱状態に近いカメラの大放列となったようですが、個人的にはのんびり・まったりと「あけぼの」A・B個室寝台に乗った思い出を大事にしたい……というわけで、廃止の報せが出た瞬間から脳内でフェイドアウトさせた次第です。その代わりに、タイで今も息づく12・14・24系客車を眺めてみようと思いまして、先日のミャンマー遠征のついでにバンコクも訪れた際には、午後のイカレた酷暑の中にまどろむクルンテープ駅を訪ねてみました。すると、夜に特急13列車として北上する14・24系編成が3番線に留置されていましたが、隣の2番線にも別の編成が留置されていたためうまく記録できず (苦笑)。しぶとく待っていれば、やがて午後3時台に14・24系編成の入換を間近で見物出来たのですが、その際には遠く離れたホームから「あ~、入換やってるな……」と指をくわえて眺めるのみ……(滝汗)。なかなか目の前でドンピシャな動きが起こるわけではありません。
 その代わりに、1番線にはたまたま、日本ブルトレ客車を大改造した特別車両がゴロゴロしていましたので、大喜びで撮影しまくり♪ とくに展望車化されたオハネ14 33の印象は強烈です♪♪ 慢性的な赤字に悩むタイ国鉄としては、外国人客などを対象にした超豪華貸切車両を用意して利用を促進することで増収を狙っているようですが、残念ながら稼働率はそれほど高くない様子……。しかし、たとえば古都アユッタヤーや、日本軍が建設した泰緬鉄道の「戦場にかける橋」として余りにも有名なクウェー川鉄橋への日帰り豪華観光列車として定期運行され、旅行会社やガイドブックにも周知徹底されれば、乗りたい客は私を含めて多数いると思われるのですが……。とりわけ、泰緬鉄道に日本中古ブルトレが入線するなんて、日本人鉄ヲタにとっては過去と現在が交錯する最高に刺激的な展開であるはず! もっとも、車体がデカ過ぎるため、泰緬鉄道の最大の見どころであるタムクラセー(アルヒル)桟道橋までは入線出来なさそうなのは残念なところです。

 ※タイ国鉄車両の車番・来歴等に関しましては、ウィキペディア「タイ国有鉄道」を参考にさせて頂いております。いやはや、本当に大助かりです。

バンコク近郊大周遊 (10) 日本14・24系夜行列車!

2014-02-18 00:00:00 | タイの鉄道


 朝6時台にウォンウィエンヤイ駅を出発し、メークロン線(渡船を含む)、都市間バス、南線と乗り継いできたバンコク近郊の旅。19時過ぎにいよいよゴールとなるクルンテープ駅に到着しました。多数の列車が頭端式の駅に雲集するため、乗っていたホアヒン発のDC鈍行も徐行と停止の繰り返しを強いられる中、ようやく駅付設の巨大な客車留置ヤードが眼前に迫り、夜光に照らし出された百花繚乱の客車群にコーフンを覚え……やがて静かにホームに滑り込み、ドアが開きました。すると、目の前に停車していたのは……食堂車及び電源荷物車を除いて日本の14・24系客車で組成された至高の特急列車であるチェンマイ行きの13列車! (一応一番エライのは、同じチェンマイ行の1列車「ナコーン・ピン号」ということになっていますが)
 とりわけ編成の最後部には、かつて「あさかぜ」に連結されて極上の寝台列車旅の夢を提供してきたオロネ25 300番台が連結され (1等車扱い。恐らく2・3等の客が勝手に入って来るのを避けるため、最後尾に連結されているのでしょう。食堂車に行くのはかなり面倒臭そうですが)、窓外に優雅なオレンジ色の光を放っています……。そんな紫色の編成美と巨大なドームとの組み合わせの美しさといったら!! それはある意味で、日本のブルトレ時代と比べてもいっそう浪漫あふれる汽車旅のスタートに相応しい光景であるとしか言い様がありません……!!


 
 いや~、今回のバンコク訪問は13列車に乗ることを全く前提としておらず、したがって13列車がクルンテープを何時に発車するかもノーチェックでしたので、突然の出会い、しかもバンコク近郊周遊のラストを飾るのに余りにも極上の光景に、思わずクソ暑さも空腹も忘れてヒートアップ激写! そして同時に、こんな極上な鉄道シーンを長年全然訪ねなかった自分の愚かさを心から懺悔したい気分となりました (笑)。嗚呼……以前横浜から下関までこのシンデラに乗ったのと同じように、これに乗ってのんびりチェンマイまで往復したいものです……。
 というわけで、こんな感じで日帰り大周遊を締めくくったあとは、駅構内のフードコート (という割にはチョイとボロい ^^;) にてシンハ・ビールを購入してイッキ飲み! (良い子は真似してはいけません!) そして中華コーナーで什錦河粉 (ビーフンの極太バージョンによる具たっぷりうどん) を賞味し (空きっ腹には結構美味かったです)、地下鉄とBTSを乗り継いで宿に戻ったのでした……。

 なお、他にもバンコクで激写した画像は列車・バスともども大量にあるのですが (翌日ヤンゴン行の飛行機の時間まで線路脇や道路脇で撮りまくってました。笑)、それはまたいずれ……ということで、来る3月のヤンゴン訪問の際には改めてバンコクにも寄り道し、その際にさらに撮り貯める画像と合わせてご紹介する機会を模索したいと思います。まずは何と言っても、タイの政情がもっとマシになることを心から祈りつつ、ひとまずこの連載はおしまいです。ご笑覧頂き誠にありがとうございました m(_ _)m

バンコク近郊大周遊 (10) 南本線の日本製DC

2014-01-29 00:00:00 | タイの鉄道


 ナコーンパトム駅にて夕方の減って行く光量を頼りに撮り鉄していたところ、まもなくホアヒンからの日本製THN系ディーゼル鈍行が到着~。空の色が何やらビミョーですが……(汗)。 ラチャブリーからナコーンパトムまで乗った、バンコクから遠く離れたランスアンからの客車鈍行は1時間半も遅れていましたが、さすがこのDC鈍行はホアヒン始発の中距離列車ということで大した遅れは無し。しかも、ナコーンパトムからバンコク寄りの区間は複線化が基本的に完成し、THN系は水を得た魚のように猛然と加減速を繰り返しました。最高110~120km/hは軽く出ていたかも (汗)。メークロン線と同じ車両であるはずなのに、何という違い……(滝汗)。



 というわけで、やがて5連のディーゼルカーはバンコク市街の外れに入り、南本線の脇につくられたもう1組の複線 (バンスー~タリンチャン分岐駅の間の都市近郊鉄道) で営業入り直前試運転を繰り返すTHN系や、それまでのタイ国鉄とは全く異なる日本風の高床ホームの光景に驚いているあいだに、やがてバンスーに到着~。長旅姿の人々が地下鉄に乗り換えるため大量に下車する一方、バンコク近郊利用の学生や通勤客が多数乗って来て結構賑やか……とゆーか超ウルサイ車内に (苦笑)。
 ここから先、駅員のいない停留所にも小まめに停車して行くのは何とも興味深いところです (とくに、夜暗くなるとロクに電気も灯っていませんが、それでも乗降客はいます。周囲の華やかな街並みやクルマであふれる道路の風景とはエラい違いです ^^;)。しかし、都市近郊輸送を兼ねる列車の営業システムが何時までもこんなマイペンラ~イな感じであって良いとは到底思えず、数年後に (?) 中央駅機能がバンスー駅に移ることによって、こんな悠長な「大都会の鈍行列車」も消えて行く運命にあるのかも知れません……。(ちなみに、2枚目の画像は翌日バンコク市内で別の列車を撮影したものです。悪しからず)

バンコク近郊大周遊 (9) ナコーンパトム駅

2014-01-21 00:00:00 | タイの鉄道


 かなり間が開いてしまいましたが、あと2ヶ月もしない内に昨年のミャンマー訪問ついでタイ訪問から1年となってしまいますので、何とかバンコク近郊日帰り大周遊記を完結させたいと思います (汗)。
 メークロンから都市間赤バスに乗り、いちかばちかラチャブリーから南本線の客車鈍行に乗ろうとしたところ、1時間半遅れでの到着のためまんまと連絡に成功したのが前回までのお話 (笑)。発車後しばらくは、日本国鉄10系客車のタイ輸出バージョンと呼ぶべき客車に揺られ、脳味噌が昭和な日本人にとっても最高に懐かしく愛おしい質朴な車内アコモデーションを満喫しました♪ 窓の外から吹いてくる暑季の乾いた熱風で、ほぼ全ての椅子が埋まる程度に乗っている乗客の皆様は一様にグッタリしている中、勝手に車内営業している売り子が何とか在庫を売ろうと必死に張り上げる声が空しく響くのもまた、タイの鈍行列車の旅らしいと言えましょう……。数分から10分に一回程度途中駅に到着しますと、どの駅も質素な駅舎とホームが清潔に保たれている中、暑季だからこそ激しく咲き乱れるブーゲンビレアの花の彩りがまぶしく……。そんな車内外ののんびり・まったりとした情景を味わうことこそ、熱帯ながらも日本の汽車旅のノリを激しく思い出させてくれるタイの鈍行旅の醍醐味なのだろうと思います。



 というわけで、ラチャブリーから約1時間15分で、次の目的地であるナコーンパトムに到着~。ここは鉄道趣味的にみて何か特筆すべきものがあるというわけではありませんが、駅前に世界最大の仏塔との誉れ高い「プラ・パトム・チェディ」がありまして (マジで巨大です!)、以前学生時代の卒業旅行でタイを訪れた際にこの街を訪ね、門前町=駅前通りの雰囲気ともども実にイイ感じだなぁ……と思ったことから、今回の駆け足周遊でもちょっくら途中下車してみようと思った次第です。そこでまずは、それまで乗って来たトンブリー(バンコク中心街から見て西の川向こう)行の鈍行をパチリ! (1枚目の画像)
 その後はプラ・パトム・チェディ参拝&駅前散歩&マハーチャイ行きバス窓バス激写を手早く済ませ(さすがに10数年ぶりの再訪ですと、屋台が密集乱立してかなり猥雑な雰囲気であった駅前通りが小綺麗に変わり、犬も歩けばセブンイレブンに当たるほどにコンビニが乱立し……これが経済発展というものなのでしょうか??)、再び駅に戻って参りました。そこでまずは、ホアヒン発ホアラムポーン (以下クルンテープ [=バンコク]と表記) 行のDC鈍行の切符をゲットしたのち、しばし列車到着まで撮影モード♪ ちょうど上手い具合に、クルンテープ発ヤラー行の長距離快速列車が到着しましたので、中間に連結されている様々な客車の形式写真を含めて撮りまくりです! 個人的にはとくに、非冷房ニス塗りの2等座席車でのんびりと旅をしたいのですが、各国首都をピンポイント的に訪問して列車を撮りまくるというスタイルの旅をするヒマしかないもので、う~む、将来無くなってしまう前に時間を確保しなければ……。また、ヤラーやスンガイコロクなど深南部のタイ・イスラームな街を訪ねたのち、国境を越えてマレーシア東海岸の田舎町をめぐる……というのんびり旅などもやってみたいものですが、タイ深南部は独立運動の影響でいつ何時列車が襲撃されるか分からないという土地柄ですので(日本外務省も警告中……)、何とも困った話です。平和あってこその鉄道趣味ということでしょうなぁ……。


 嗚呼!新塗装になっても魅惑的すぎる非冷房2等座席車!
 車内がニス塗り♪な点は、ミャンマーのアッパークラス車も及ばず!



 電源室つき荷物車。非冷房客車の台車は軒並み日本DT21風。



 非冷房2等プルマン寝台車。長旅ではこれが一番人気のようです。
 トイレからは日本風の流し管が延び、バリバリに垂れ流し式 (汗)。



 新塗装もまぁタイらしい意匠で悪くないですが、やっぱ旧塗装最高♪
 つーかこの寝台車乗りてぇ。ニス塗り2等座席と比べると迷いますが。

バンコク近郊大周遊 (8) 南本線の客車鈍行

2013-11-28 00:00:00 | タイの鉄道


 メークロンからいちかばちかの都市間連絡バスの旅を選択し、右も左も分からず到着したラチャブリーの街。とりあえずバイクタクシー氏に連れられるがままに、街外れの緑の中にしっとりと佇む、如何にも昔ながらの停車場という雰囲気のラチャブリー駅(南本線)にやって来ました。清潔に保たれた待合室やホームのベンチでは、列車を待つ客がのんびり・まったりと涼んでおり、今も昔も変わらないタイの鉄道旅情を感じます……♪ しかし、当面の最大の問題は、果たして13時52分のトンブリー行に間に合っているのかということ。そこで、窓口で恐る恐る、次の目的地であるナコーンパトムまでの切符を購入したところ、コンピュータ発券ということもあり、13:52と印字されているではありませんか! よっしゃ!予想通りに遅れている!……というわけで、メークロン~ラチャブリー間のバス連絡大作戦、大成功です♪
 (※注意:はっきり申しますが、あくまでこの時に限っての偶然です。南本線・ラチャブリー13:52の鈍行が定刻通りに運転されている場合、メークロンを12時頃発車するバスに乗るに越したことはありません。メークロン線が恒常的に遅れる可能性大であることに鑑みて、この連絡作戦の成功は一切保証出来ませんので悪しからず……! まぁ乗り遅れた場合でも、ホアヒン始発、ラチャブリー16時発のクルンテープ行[バンコク・ホアラムポーン行]DC鈍行に乗れば良いだけの話ですが)



 しかし問題はここから……。ランスアン発の客車鈍行が遅れてくれたことは良かったものの、その遅れ具合が尋常ではない!! (@_@;;) 大体20~30分遅れであれば、ちょこっと待つのみで入線シーンも激写出来、万々歳ものだな……と暢気に構えていたのですが、やがて14時30分を過ぎた頃から「これってヤバくねぇか……。ナコーンパトムでの街歩きの予定がぁ……」とヒヤヒヤな気分が募って参りました。しかも、頭上はにわかにドヨ~ンと暗く曇り、仕舞いにはポツポツと降り出す始末……。下手すりゃスコールということで、折角の駅撮り計画も空しく潰え、土砂降りの中で鈍行客車のデッキに客が群がるという凄惨な光景も脳裏をよぎらざるを得ません (滝汗)。
 もっとも、さらに列車が大幅に遅延したことにより、そんな天気の悪さもやがて好転し、撮り鉄には上々な明るさが戻って来ました。そして15時15分、先ずやって来たのは (1枚目の画像)、バンコク・トンブリー駅を13時過ぎに発車したプラチュアプ・キーリカン行の鈍行……この列車は定刻通りの運転じゃねーか!! (爆) 果たしてランスアン発トンブリー行は何時来るのか……(待ちくたびれたぁ~-_-)。しかし、プラチュアプ・キーリカン行はなかなか発車しません。これは何か変だ……と思った矢先、南側から汽笛が聞こえ、お目当てのトンブリー行が堂々のオール旧塗装客車10連で登場!! 罐も旧塗装だったらサイコーなのだが……と一瞬思ったりもしましたが、今や紫系新塗装車と青白ツートン旧塗装の混結が一般的となっている中では、こんな編成が来るだけでも超!贅沢です♪ というわけで「1時間半も待った甲斐があったぜ……ハァハァ」と思いつつ、日本の10系客車のタイ輸出バージョンと呼ぶべき客車に勇躍乗り込んだのでした♪