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地味鉄庵

鉄道趣味の果てしなく深い森の中にひっそりと (?) 佇む庵のようなブログです。

去りゆく都営10-000形 (4) 10-300R

2017-09-26 12:00:00 | 都市民鉄 (首都圏)


 都営10-000形の引退が進む中、ある意味で極めてマニアックな存在であった10-300Rがいち早く全車ひっそりと消えていったのは、ある意味で10-000形全体の地味~な存在感を象徴するエピソードだったのかも知れません。しかし別の角度から見ますと、この編成に対する都営当局者のサバサバした割り切りを見て取ることが出来ます。保安機器の変更に伴って初期編成を廃車にする一方、すぐに廃車とするには勿体なかった一段窓の中間増備車を活用するため、10-300とほぼ同じに見える「走るんです」ボディの先頭車を造ったというのが、この編成の縁起です。とはいえ、このような措置はとにかく過渡的なものに過ぎず、新車大量新造の予算がつけばいつでも見映えの悪い編成は廃車!という方針を立て、まさにそのようになったということなのでしょう。



 そこで例えば東急であれば、最新の緑椅子サハの新造にあたり、潰した6ドア車の台枠やドアを再利用していると思われます。しかし10-300の最新増備車の場合、10-000形の先頭車としての台枠・下回りと、10-300の先頭車としての台枠・下回りでは、吊す機器の配置が全く異なるとドシロートなりに思われるわけで、多分流用していないものと思われます (溶かして再利用することはあり得るかも知れませんが)。
 「走るんです」ボディを造っても速攻で (?) 廃車になった事例としては、東急5000系6扉車の記録に勝るものはないでしょうが、これは安いサハに過ぎず、台枠も再利用していると思われますので、何となく分からないでもない措置です。しかし、金のかかる先頭車が事故でもないのに僅かな年数で廃車となったという事例は寡聞であり、強いて言えば富山地鉄クハ90のようなバッタモノ珍車や、鉄道郵便の登場により呆気なく用途を失ったクモユ143、あるいはお試し的要素が強すぎた常磐線の二階建てクハ415のような特殊な車両ばかり思い出します。一定数が製造されてそれなりの存在感を誇り、それにもかかわらず全車あっけなく廃車!という新記録は、今後もしばらく都営10-300Rが保持し続けることでしょう……。
 そんな都営10-300Rの過渡期の功績を篤く称えるとともに、鉄コレとしての発売を強く期待するものです……。「結局はそれが言いたいのかよ!」とのお叱りを受けそうですが、まぁそういうことです (^^;)。かつて京浜東北線の103系において、ATC化に伴い高運冷房クハ103が集中的に投入されたものの、中間車はことごとく非冷房のボロ……という編成が大量に走っていたのを未だに生々しく記憶している世代として、この手の編成にはどうしてもジワジワと反応してしまうのです (笑)。

去りゆく都営10-000形 (3) 250/260F

2017-08-28 00:00:00 | 都市民鉄 (首都圏)


 長年にわたり都営新宿線の象徴として君臨してきたギンギラコルゲートの都営10-000形は、周知の通り10-300形による置き換えが進み、この初夏以後は僅かに10-250編成が残るのみとなっていました。しかし、その10-250編成も先月半ばを以て運用を離脱し、若葉台送りとなって廃車されたとのこと。とにかくこの、如何にも昭和50年代的センスを凝縮した車体と電機子チョッパの組み合わせをもう楽しめないというのは、返す返すも寂しいことです……。



 それにしても、10-000形の引き際の静けさは、如何にもこの車両らしい地味さを象徴しているのかも知れません。既にごく僅かとなった今年の春以降でも、駅の先端にいるヲタをほとんど見かけず、離脱直前の10-250Fが正面にごく小さな惜別ステッカーを貼ったところで、凄まじい数のヲタが集結したとは言えない状態のまま、ある日ひっそりと、さよなら運転も行わずに消えていったという印象があります。私の場合も、本八幡から橋本まで結構距離がある中、この編成だけを狙って沿線に向かうというのは雲をつかむような話だと思いまして、結局昨年の上半期に用務のついでに撮影したカットがあることを以て満足することにしました。今はただ、こうして何気ない日常を快走する姿を眺めながら、燻し銀のような電車と触れ合うことが出来た思い出に浸るばかりです。

東横線ぶらり2017夏 (2) 西武6000系

2017-08-01 00:00:00 | 都市民鉄 (首都圏)


 先月、自分の誕生日に久しぶりに撮影した東横線。最早東急9000系が全く来なくなったことにつきましては、大井町線での活躍を日々ニコタマで眼にしているだけに驚かなくなりました。しかし……メトロはさておき西武6000がやって来ることにつきましては、正直なところ未だに慣れないですね~。まぁその最大の理由は、ふだん東横~副都心を利用する頻度が低く、累積目撃回数が少ないことによります。しかし同時に、東急と西武の取り合わせには未だに、伊豆をめぐる骨肉の角逐というイメージが……(^^;)。というわけで、自分が40年以上前の幼い頃に日々列車を眺め続けたカーブに着き、カメラを構えて一発目を撮ったとき、そこに姿を現したのが西武6000であることの奇怪な気分といったら!(笑)



 しかし、諸行無常・万物流転とは、単に物事の盛衰を意味するだけでなく、長いタイムスパンでみれば昔は想像もしなかった展開が起こることをも意味しているのでしょう。そんな当たり前の道理を、東横を走る西武という存在を通じて気付かされるのでした……(笑)。
 それにしても、西武では40000系が登場したというのに、今のところ東横線にはS-Trainとしてのみの入線のようで……。しかし思うにS-Trainは、乗って嬉しい列車とは思えないのは私だけでしょうか。横浜からでしたら、池袋まで東横なり湘南新宿なりで向かい、池袋からレッドアローに乗った方が絶対に旅気分は盛り上がるはず。そのへんを見透かされて、S-Trainは今のところスカスカの低空飛行が続いているようですが、今後は本数も増えて客も増えるのか (毎時1本という感じでないと、なかなか存在感を示せないでしょう)、それとも敢えなく廃止となるのか……? 空いているうちに試しに乗っておくべきなのかも知れません。

去りゆく都営10-000形 (2) 10-240F

2017-07-19 10:40:00 | 都市民鉄 (首都圏)


 先月末のボーナスシーズンたけなわな頃合いに発売された鉄コレ都営10-000形、気が付いてみればアッと言う間に市場から消えてしまったようですが、それは今回の鉄コレの出来映えを意味しているのみならず、実はこの車両が少なくない鉄ヲタの間で静かな人気を誇っているためなのかも知れません。一時代を象徴する額縁マスクにギンギラコルゲート、そして103系を思い出させる集中冷房とグロベンの組み合わせ、電機子チョッパ唸るいぶし銀の走り……。どこをどう見ても、マニアックな趣味性にあふれています♪



 それだけに、いよいよ今年度の新車投入が加速し、ついに10-000形の命脈が尽きようとしているのは悲しい限りです。お世話になっております「茶」様のブログを拝見したところ、スカートが無い最後の編成だった10-240編成も先日若葉台に廃車回送されてしまったとか……。今頃は輪切りにされて北館林 (?) へと旅立つ頃合いでしょうか (T_T)。
 それにしても昨年度の上半期、相模原線沿線の事業所に週一で通ったついでに、都営10-000形を撮り貯めておいて本当に良かったです。今年度の上半期も同様に通っておりますが、今年になりますと10-000形を見かける回数は激減し、ごく僅かな運用に撮り鉄がちらほら群がるという風景を見かけておりますので……。昨年は誰もおらず最高でした! (←今回アップの画像は昨年撮影 ^^;) やはり、消えゆく車両の撮影は、激減を控えて辛うじて当たり前のようにやって来るタイミングに限ります……。

東横線ぶらり2017夏 (1) メトロ7000系

2017-07-15 00:00:00 | 都市民鉄 (首都圏)


 また一つ歳を取ってヲッサンになってしまったある日、たまたま横浜界隈で野暮用がありましたので、そのついでに自分が生まれた街を訪ね、幼稚園の頃まで住んでいた場所で久しぶりに撮り鉄してみました。東急初代5000・7000は最早姿を現すはずがなく、伊豆のなつ8007Fを追いかけてからもちょうど干支一回り経ってしまいましたが (滝汗)、今ここでメトロ7000を見かけると本当にホッとするのは何故でしょう?



 それはひとえに、この界隈の景観と同じく、メトロ7000も「とっても昭和」だからでしょうか。勿論その昭和は「三丁目の夕日」的なものではなく、「すぐそこにある明るい近未来先取り」という類でしょうが、どちらにせよ昭和はかくもヲッサンの心を和ませてくれます。そんな昭和も、来年の末で平成が終わることが確定していることから、間もなく二時代前になってしまうとは……。そんな中にあっても、今後もうしばらく、首都圏随一の人気ドル箱路線である東横線において、バリバリに昭和な一面を代表するメトロ7000を楽しむことが出来るというのは、実は大いに喜ぶべきことなのかも知れません。というわけで、今回の撮影をきっかけに、もう少々丁寧に撮り貯めておこうと思ったのでした。