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地味鉄庵

鉄道趣味の果てしなく深い森の中にひっそりと (?) 佇む庵のようなブログです。

大物車の散歩道・07春 (3) 愛しのスイッチャー

2007-05-16 09:25:00 | 貨物列車 (臨海・専用線)


 小柄な車体のくせに超重量級のシキを何とか持ってくることができたスイッチャーは、受渡線で無事役目を終えてシキと切り離されますと、そのまま帰ってしまう……のではなく、JRF側からのお迎えが到着して無事シキが小山駅へ発車して行くのを見届けるまで、しばらく受渡線でのんびり日向ぼっこを決め込みます。その間、約30分ほどでしょうか。
 やがて、受渡線にたった1両ポツンと取り残されたスイッチャーは、小柄な車体に不釣り合いな豪快なホイッスルを鳴らしたのち、飄々とした雰囲気で工場へと戻って行きます。すでに私以外のほとんどのギャラリーはシキを追って小山駅方面へ向かってしまいましたが、私は新緑の中をのんびり走るスイッチャー単機も絵になるなぁ……と思いまして、再び後を追ってみることにしました。



 坂を下り、築堤を越え、ニュータウンをかすめたスイッチャーは、淡々と走って工場にゴールイン。すぐに検修庫の中に入ってエンジンを停め、一連のお役目が終了! ……とまああっけないものではありますが (^^;)、↑こんな感じで新緑の木立との組み合わせをレンズ越しに見ていますと、「あー、地味系鉄道趣味やってて良かった!!」という喜びが心の底から湧いてくるから不思議です (笑)。
 今度行くときには、趣向を変えて空車シキの工場送り込み回送も悪くないなぁ……と思っているのですが、受渡線→工場の追っかけは、工場→受渡線の追っかけよりも、撮影ポイントや踏切の兼ね合わせから言ってイマイチやりづらそうだなぁ……という気がしています。
 あとは、是非六日町から来たスイッチャーを!! この日は、高岳の工場に行ってみますと検修庫内で「六日町」も激しくアイドリングしているのが聴こえましたので、居合わせたギャラリーからは「もしや重連か?!」という期待が高まっていたのですが、結果は単機……。ただの保守を兼ねたアイドリングだったようです (-_-)。やっぱりシキ610の積載可能重量ギリギリの超大型変圧器を運ぶときでないと出番はないのでしょうか。
 何はともあれ、この日お会いしたあまのじゃくさんとロジ担さん、どうもお疲れさまでした!

大物車の散歩道・07春 (2) 家庭菜園をゆく

2007-05-14 14:14:00 | 貨物列車 (臨海・専用線)


 大型変圧器を積んだシキは、小山駅へ向かう専用線の途中に設けられた受渡線でJRFのDE10に引き継がれますが、ここから小山駅までの専用線は高岳製作所ではなく古河電工の管轄となります。ただ、古河電工はすでにこの専用線を使った貨物輸送から手を引いて久しいため、自社の専用線をもっぱら他社の貨物が走るという、何ともヘンテコな状況となっています。
 そして、古河電工専用線のヘンテコさは、線路とその両側にある光景が醸し出す雰囲気によっていっそうディープなものになっています。線路敷が広い割には滅多に列車が来ないため、ヘロヘロな線路が、勝手に開かれた家庭菜園に囲まれているという……(汗)。しかも、その家庭菜園が所有者の古河電工によってケチをつけられないどころか、むしろ行き交うDE10やシキに堂々と彩りを添えているところが、何とも言えないほのぼのとした魅力です (*^_^*)。



 小山駅からやって来たDE10は、あちこちの踏切で念入りに一時停止を繰り返し、「普段こんな線路に列車なんか来るわけない」と思っているクルマに存在をアピールしながら、それこそダッシュすれば十分追いつきそうなスピードで受渡線へと向かいます。菜の花とDE10……このうえもなく牧歌的な組み合わせですね (^o^)。
 やがて、両側の民家が工場群へと変わって行きますと、工場の配管+スギナに覆われた線路+家庭菜園というディープなフルコースに! この侘び寂びなヘロさを味わいたくて、人は専用線へと吸い寄せられるのでしょう……。
 ここを過ぎるとやがてDE10は受渡線に到着。無事にシキ611B1と連結し、小山駅へと戻って行きました。DE10がシキを牽引して専用線を走る模様は、リンク頂いております「ロジ担」さんをご覧ください〜。え、私は撮っていないのかって?……別の楽しみを追い求めてしまいましたので、それを次回に (^^;

大物車の散歩道・07春 (1) シキ610の御通り

2007-05-13 13:30:00 | 貨物列車 (臨海・専用線)


 東北シリーズはまだまだ続きますが、ここらでちょっと一服 (^_^
 さて、世間では広く景気回復の呼び声が聞かれますが、安月給な商売で暮らしている私にとっては遠い世界の話です (苦笑)。でも、どうやら確かに景気は上向きらしい……ということは、各種の設備投資の状況からうかがうことが出来ます。
 そして、鉄道趣味を通じて最も手っ取り早く景気回復を実感出来るのが、新造車両の甲種回送と大型変圧器などの特大輸送の活発化でしょう。とくに、今年の春はそれこそ毎週のように小山から出荷される特大輸送が設定されていたことから、超高価な変圧器への需要がそれだけ旺盛なことが分かります。景気が低迷していた頃は、特大輸送もホントに細々としたものでしたから……。
 というわけで、この春のそんな特大輸送の模様を、私もちょこっと小山に見に行って参りました (^_^)。すでにその模様は、リンク頂いている「ロジ担」さんでも詳しく紹介されていますが、とりあえず昨日で輸送ラッシュが一段落したこともあり、私もアップしてみましょう。



 小山駅近くの観光案内所でチャリを借りて、出発地である高岳製作所に向かいますと、をを! 合計24軸の化け物のような大物車の王・シキ611B1が、専用線の1号スイッチャーおよび車掌車と連結された状態でスタンバイしていました。以前、ここのスイッチャーは東武のようなセイジクリーム塗装でしたが、六日町のセメントターミナルの荷役廃止で高岳に移ってきたスイッチャーの塗装に合わせて、ずいぶん鮮やかな印象になりました。まあ、これはこれでグッド! (^o^) このとき、いつもディープ貨物趣味を中心にお世話になっております「あまのじゃく」さんと「ロジ担」さんもバスでお見えになり、突発ミニオフ会に!
 その後、出発を前に撮影名所の直線区間へ (1枚目)。工場から甲高い汽笛が聞こえ、やがて小走り程度のスピードでゆっくりとシキがやって来ました!! この場所に集結していた、少なくとも30名を軽く超える「鉄」の視線が一斉にシキに注がれ、激しくシャッター音が鳴り響きます (爆……この編成をサイドからとらえた画像は「ロジ担」さんをご覧ください)。
 さらにチャリの機動力を活かして、今度はJRのDE10へとバトンタッチされる受渡線へ先回り。新緑をバックに緩い坂を登ってきたスイッチャーとシキを激写しました (^o^)。
 うーん、やっぱりシキ610はでかいなぁー。チャリを必死にこいで汗ビッショリのヘトヘトになってしまいましたが、今まで撮影した大物車はシキ800・1000ばかりでしたので (^^;)、とりあえずこんな感じでシキ611B1を撮影出来たことで、しばし心地よい疲労感に浸りました……。

根岸界隈機関車散歩 (3) 新日石のNDD56

2007-05-07 22:10:00 | 貨物列車 (臨海・専用線)


 このGWに撮り貯めた貨物ネタを放出する前に、アップが後回しになっていた根岸界隈ネタを片づけておくことにしましょう (^^;
 本牧駅周辺で、港に息づくDD13タイプのDLを満喫したあとは、再びバスで根岸に戻ってくることになりますが (もちろん、中華街方面に出ても可 ^^;)、ここで忘れてはならないのは、新日本石油所属のスイッチャーです! 何しろ根岸線は、石油輸送繁忙期ともなれば、平日・休日を問わず30分~1時間間隔で石油タキ列車が行き交う路線で、たしか根岸駅の貨物営業収入は日本でも有数のものだとか。
 そんな多数の石油タキが、発着ヤードから首都高湾岸線 (これが出来て以来、根岸駅の雰囲気はかなり鬱陶しくなりました -_-) の奥にある注油施設やタキだまりへと押し込まれ、さらに引き出されるのは、もう端から見ているだけでも壮大なスペクタクルです。作業時間中ともなれば、2両のスイッチャーがほとんど常に忙しく走り回り、推進運転に突放と何でもあり!ですから……(*^^*)。
 私は幼い頃、根岸に住む親戚を訪ねるたびに、EF15・65の出入りだけでなく、スイッチャーによる入換をじっと見続けるのを最大の楽しみにしていたのですが (笑)、今ではたまに甥っ子をここに連れてくると、彼も幼い目を丸くしてスイッチャーの動きを真剣に追っています (^^



 そんな根岸のスイッチャー、かつては青い50トン機・D50の天下でしたが、今ではD50の老朽化に加えて石油列車の長編成化・重量化もあって、D50はD504の1両を残して引退してしまいました。たしか1両は影森に行ったはずですが、あの山奥の空間で走っているところを実はまだ目にしておりません。三輪鉱山手前の坂をヲキ列車が上り下りするのは撮ったことがあるのですが、そこから先はなかなか勇気がなく……(汗)。
 それはさておき、D50に代わって第一線で活躍しているのがNDD56の2両です。JOT所有タキ1000の緑色タンク体に合わせていると思われる (勝手に予想 ^^;) 薄いグリーンの塗装はちょっと地味な感じもしますが、如何にも裏方さんという風情もたっぷり感じられて結構気に入っています (^_^)。
 1両だけ残ったD504については、根岸通過時や本牧界隈を訪れるときなどチラリと注意してみると、たまに動いているのを目にします。でも、そういうときに限って天気はドピーカンだったり……。明るい曇り・たまに訪問・D504の出番、この3条件がうまく揃わないと「よっしゃ!」というわけには行かず、今後もお気に入りのカットをものにするまで粘り強く根岸詣でをすることになりそうです (^^;)。

伊勢湾周辺鉄参り (10) あおなみ線で貨物見物

2007-04-20 00:00:00 | 貨物列車 (臨海・専用線)


 昨年末の撮り鉄シリーズが完結しましたので、昨年秋の名古屋出張シリーズも最終回にしましょう! (^^;) 数日間の滞在を終えて新幹線で帰る直前、少々空いた時間を使ってあおなみ線にブラリと乗った際の記録です。
 ……とは言っても、天気は「ブラリ」という言葉とはほど遠い、暗く冷たい雨……。あおなみ線に乗るのは2回目で、前回は開通直後、時間の関係から小本まで行って帰ってくるという程度でしたので、名古屋貨物ターミナルから先、新たに高架化して整備した区間の様子を楽しみにしていたのですが、金城埠頭あたりで展開する肝心の名古屋港大パノラマもどんよりと煙っていました (-_-;)。それでも、数日前に車扱貨物を激写して一人で盛り上がってしまった昭和町界隈を港越しに望んで「あー、鉄分濃厚だった出張もこれで終わるなぁ……」という感じでしみじみ (^^;
 金城ふ頭駅の周辺は、天気さえ良ければ散歩してみたくなる雰囲気ですが、天気が天気なので改札でトランパスを通したあとすぐに折り返しの電車に乗車。最大の楽しみである名古屋貨物ターミナル・ウォッチに向かいました!



 名古屋貨物ターミナルは、その名の通り名古屋近辺で集荷されるコンテナ貨物の拠点であり、ここへ向かうコキが名古屋駅の新幹線寄りを通過してゆく光景はおなじみですが、肝心の貨物ターミナルは周辺の道路からはウォッチしづらい高い位置にあることもあり (→今回訪れて初めて知りました ^^;)、これまで雑誌などでその全貌や入卒の光景などが明らかにされることはほとんどなく、非常に謎めいた印象がありました。それが、あおなみ線の開通によって一気に神秘のヴェールがはがされたという次第! 小本駅のあたりから側線が現れ (今回は、数少ない「カーラック」コキ71が数車留置中!)、荒子→南荒子→中島にかけて、あおなみ線の東側に巨大なターミナルが広がっていました……!
 そして、ここの入卒に従事しているのが名古屋臨海・ND552の赤いバージョンです! ND552は国鉄DD13タイプの典型ともいえる車両ですが、名古屋貨物ターミナルに配置されているND552 15は正真正銘のDD13を譲り受けたもので、塗装とあいまって国鉄時代の貨物シーンがリアルに再現されているかのようです! (*^^*) むかしは横浜港界隈や鶴見線でも見かけたよなぁ……DD13!
 いっぽう、ND552 16は側面やキャブの形状が違っており、如何にも珍品な印象を受けます (^^;)。他にも、検修区には水色のND552が停車していましたが、今後は水色化して行くのでしょうか……?!
 とりあえず、おすすめ撮影スポットとしては、南荒子駅のホーム北端 (1枚目) と荒子駅のホーム (2枚目) といったところでしょうか。根岸ほど頻繁ではありませんが、ホーム横で入卒三昧を楽しめる理想郷だと思います。しかしこの日は暗い雨 (T_T)。手ぶれ補正のおかげで辛うじて停車時に撮れたという感じです……(@o@)。
 ※補足:ND552三重連さまのご指摘をうけ、一部記述を変更しました m(_ _)m