goo blog サービス終了のお知らせ 

地味鉄庵

鉄道趣味の果てしなく深い森の中にひっそりと (?) 佇む庵のようなブログです。

京釜線土砂降り鉄 (3) ITXセマウル

2018-11-14 00:00:00 | 韓国の鉄道


 先ほど、怪社の最寄り駅から丸ノ内線に乗ったところ、普段なら夜遅くにつき結構空いているはずの電車が、どういうわけか若い女で混み混み……。よく見ると、どの女も、思わずバス・トランジット・システムの略称か?と思ってしまいそうな某グループ名が記された真っ黒な土産箱を持っているではありませんか。
 そんなグループが、死者を愚弄するような表象やパフォーマンスで激しい物議を巻き起こしつつあるようですが、要は、他人がウリナラを見下げるのは絶対に許せないものの、ウリナラの正義と輝きに基づいて軍国っぽさをアピールし、他人を愚弄するのは当然、と言いたいのでしょう。それは言い換えれば、他者なき《ウリ》の集団心理だけが世界を解釈し、過去と未来の歴史を思い通りに創造できるという、腐れ儒者の本場らしい伝統の最新バージョンと言えましょうか。ミチェもイルチェも軍国としてウリナラを圧迫できたのに、その逆が出来ていないのは口惜しいという、歴史を忘れた独りぼっちの《チュチェ=主体》らしさでもあるのでしょう。世界がそんなウリナラからますます孤立する中、ウリナラは光り輝く核兵器と先軍政治を高く掲げる青年大将ニムのもとで《民族の正気》に覚醒し、古い世界と対峙する《シンセーゲ=新世界》を打ち立てようとしているのですから、これほど興味深く、世界史的にも稀に見る動きは他になかなかありません。
 というわけで、そんなウリナラの特色ある軍国アイドルグループ (ファンクラブのメンバーのことをa○myと呼んでいる以上、軍国アイドルと定義して差し支えありますまい) の、如何にも○○ス○○ツっぽいコスプレの色を思い出させるような、KORAIL在来線最速列車・ITXセマウルの画像をアップしてみましょう。



 かつてセマウルといえば、朴正煕大統領がイルボンからゲットした開発資金で「漢江の奇跡」を巻き起こす中、その経済的な成果を貧しい農村にも行き渡らせ、新しい (セ) 農村 (マウル)、新しい生活、新しい国民を造ろうとした運動のことであり、そんな名前を最速最豪華列車「観光号」に代えて冠した新型特急は、あからさまに新幹線0系のパクリデザインの罐を使うのも止めて、あくまで独自設計・独自デザインのステンレスPP動車として登場し、韓国を訪れる日本人からも絶賛されるような豪華な内装と乗り心地を誇ったのでした。今や、公定の耐用年数25年をほとんどの車両が過ぎて廃車となり、一部の途中から増備されたと思われる中間客車が、ごくたまにムグンファの特室として連結されてもいますが、そんな、ある意味で韓国にとっても、日韓関係についても一番マシだった時代の象徴が特急セマウルであったわけです。
 これに対し、老朽化したセマウルを置き換えたITXセマウルは、一応考え方としては先行して登場した京春線のITX青春 (まだ撮ったことない ^^;)と同様、KTXがカバーしない都市をなるべくスピーディーにソウルと結びつけるという役割を負っているわけですが、登場した時点で最早かつてのセマウルのような黄金の花形車両たりえず (その役目はKTX山川に)、加えて編成も6連と余り長くなく、どう見ても「電車で速いムグンファ」という印象を拭えません (乗っておらず撮っただけですので、極めて一面的な評価に過ぎませんが ^^;)。
 また、既に儀旺の鉄道博物館訪問記事でもご紹介した通り、これからKORAILはミニ新幹線的な風貌の準高速列車を全国展開するとか。すると、このITXセマウルも、何だか中途半端な存在感で終わりそうな気もするのですが、どうなることやら。
 あぁそうか、北の主導&核つきで南北が目出度く統一し、したがって統一の費用にイルボンがビタ一文たりとも払わずに済み、もっぱら南の国力を以て自力更生の精神で北のインフラを立て直す中、とりあえず真っ先に鉄道インフラの改善に手が付けられるであろうソウル=平壌間の速達列車にこれを使えば良いのか。しかしその場合には、労働党幹部ニムが南チョソンを現地指導遊ばされる場合の利用と、光り耀く民主首都平壌に赴いて積極的に先軍チョソンを理解しようとする進歩的外国人士の観光利用に供するため、イルボンのグランクラスも真っ青になるような超豪華サロンカー車両「主体室 (チュチェシル……特室よりも上)」も連結しなければなりますまい。あぁ〜、ウリ式社会主義ネタで妄想を書くのは楽しいなぁ〜(狂)。

京釜線土砂降り鉄 (2) KTX山川

2018-10-30 00:00:00 | 韓国の鉄道


 本日は、日韓基本条約やこれまでの韓国政府が繰り返し確認してきた事柄が、ローソク革命政府のご意向を忖度した大法院によって否定されるという歴史的な一日になりそうです。またこれに先立ち、日本など諸外国には日章旗以外の旗を掲げるなと言っておきながら、自国は手を変え品を変えいろいろ「イルボンへの嫌がらせ」な旗を持ち出し、しかも後で冷静になって考えて見れば、どれも大統領が乗る船が掲げるべきではなかったことが発覚するという、とんだお笑い草な事件もありました。このような、子供じみた芝居にもならない政治ごっこで泣いているのは、韓国のプロフェッショナルな法曹・官僚・軍人に他ならないわけで、良かれと思ってやった日本との交渉がローソク革命政権によって事実上反革命呼ばわりされるのに嫌気が差して、ついには駐東京大使館員に立候補する外交官も誰もいなくなったということではありませんか。常に何事もイルボンが悪い、ウリナラが正義だ、イルボンは真摯にウリナラと向き合えと言っている側が、自分からイルボンとの関係を切りまくっているわけで、北の青年大将ニムの高笑いはますます止まらないことでしょう。



 しかしまぁ、今や韓国は押しも押されぬ独立国なのですから、その独立を尊重するイルボンサラムとしては、そのような動きもまた韓国人民の選択の結果であると生暖かく受け止め、一切干渉も制止もすることなく、淡々と眺めてこちらの対応を考えれば良いと思うものです。とりわけ、制裁にほとほと苦しむ北の青年大将ニムを喜ばせて差し上げるため、崇高な民族の大義に則って、北の非核化に関する国際的なコンセンサスも知ったことかと言わんばかりの南北鉄道連結事業を力強く推進して頂き、KTXの最新バージョン「山川 (やまめ)」が平壌に達するという美しい未来を実現して欲しいものです。果たしてそのときに、テーハンミングッが今の通りに存在しているかは分かりませんが、否、北の主導で統一されることもまた、主体思想塔のミニチュアのようなローソクが象徴するところでしょう。とにかく、既存の国際関係や国際法などは脇に置き、何よりもチョソン民族の正気を断固として貫くことこそ肝要ではないかと、全く異なる国家であるイルボンの一鉄ヲタとして思う次第です。そのとき、統一チョソンが経済的にどのような環境下にあり、国際的にどのような扱いを受けるかも分かりませんが、個々人の小さな幸せよりも民族の大きな幸せの方が尊いというのが主体思想というものですから、その枠に人々を填め込んで行くことが、ローソク革命政権の崇高な責務ということなのでしょう。
 KTXの問題点を克服し、それなりに高い完成度を誇っていると思われるKTX山川を、土砂降りの中で初めて撮影した8月末の時点で、既に「今の韓国のこの繁栄を実現させた条件を脇に置いて、ローソク革命政府は何をやりたいのだろうか」とぼんやり思っていたものですが、いやはや本当に、明末、清末、日本敗戦から朝鮮戦争、といった節目に次ぐ新たな荒波を痛感する今日この頃です。まぁ、どの節目も朝鮮半島にとってはロクなものではない、というのがミソです。巨大な歴史の節目が朝鮮半島内部の力によるものであり、しかもそれが成功に結びつくということであれば、ここ数百年来全くなかったという点でそれこそ革命的なことですが、今起こっていることはどう見ても明末や清末の朝鮮に近いような胸騒ぎもするのです。
 なお、KTX山川といえば、他にも京江線や水西高速線でもデビューしていますが、どちらも時間が極めて限られておりましたので撮っておりません。泊まった宿が3号線・新盆唐線沿線にあり、水西もすぐ行ける距離でしたので、江南の金持ちを念頭に置いて建設された水西高速線で天安牙山まで試しに往復するというのも一興だったかも知れませんが、平沢付近で既存KTX線に合流するまでほとんど全てトンネルというのは面白くないという問題があります。

京釜線土砂降り鉄 (1) おフランスなKTX

2018-10-24 12:00:00 | 韓国の鉄道


 韓国は日本の植民地ではなく独立国ですので、如何なる内政や外交をしようとも、下世話なイルボンサラムの知ったことではありません。しかし少なくとも、長年来の国際的な慣行や、目下の諸課題をめぐる国際的な取り決めには従えよ、と思います。それを無視して正義の勝者気取りになったり、心から善意の仲介者ぶることが、韓国を開かれた国際秩序の側や、彼らの存立基盤としての安全保障枠組みからことごとく切り離し、北の青年大将ニムのお望み通りの実績=南チョソンと日米の分断を積み重ねることにつながっているのですから、何をかいわんや。
 かつてベルリンの壁が崩れたときには、自由で栄えた西ドイツが、行き詰まった警察国家の東ドイツを吸収して統一したものですが、今やそれとは真逆に、世界最貧の閉鎖国家が、自称「ローソク民主革命の先進国」を取り込む形で統一が実現するという、世界史上空前の動きへと向かっているように思えます。そんな奇想天外な展開を、全く干渉も期待もしない隣国として冷静に興味深く見届けたいものですし、奇しくも、以前拙ブログが妄想脳汁をドロリと分泌させてでっち上げた、統一チョソン国鉄ソウル首都圏電鉄高速鉄道の美しい未来の図が、あながち妄想でもないかも知れないという事実に感慨を深めているところです。



 去る8月末、数年ぶりにソウルに出張した際には、まだそこまで事態は動いていなかったものですが、無機質な超高層ビルやマンションが果てしなく広がるという点では平壌と同じ趣味を見せているソウルの街を用務中に時折眺め、最終日には鉄活動しながら、果たして一体このローソク革命国家はどうなってしまうのか、ひょっとするとフツーにこうして撮り鉄出来るのも歴史の刹那の偶然なのではないか、などと思ったりもしました。そんな心象風景を見透かしたかのように、撮り鉄スポット駅で列車を待ち構えている間には、しばしば秋雨前線による土砂降りが……。ISO2000程度の感度にしても大してざらつかないEOS 5D MarkⅣを持参していたとはいえ、さすがに京釜線を時速100km以上でブッ飛ばす列車を撮るには、ちゃんと画面内で止まるかどうか心許なさを感じたものです。まぁ何とか上手く行きましたが……。
 そこで、そんなソウルでの土砂降り鉄の模様を連載でアップします。まずは、ソウル市内及び近郊では京釜線を走るKTXです。これが開業して以来、早いもので約15年。一応韓国の鉄道車両は製造後25年で廃車となりますが、日本の新幹線がそこまで長持ちしないのと同様、そろそろTGVそのまんまの姿で走るKTXも本格廃車開始でしょうか (何せ、当初からトンネル内での騒音や圧力変化が激しかったですし)。というわけで、既におフランス風ゲンコツ罐も相当減ったと言われる中、あたかも東京から札幌へ行くのと同じ時間感覚で (しかも時差も無し)おフランスな車両を楽しめるのも今のうちです。

ソウル保存車両周遊 (8) 京城→ソウル市電

2018-10-04 02:13:00 | 韓国の鉄道


 韓国鉄道博物館にて土砂降りの中の速度戦を終えた後は、再び儀旺あらため義王駅から電車に乗り、途中の駅で土砂降りの中を爆走する優等列車を撮った後、5号線との乗換駅である新吉で下車すると……土砂降りはMAXになり、屋根が抜け落ちてホームに滝の如く水が落ちている状態……。帰国前最後のメニューとして、このあと5号線で西大門駅に向かい、さらに徒歩数分でソウル歴史博物館前に至りソウル市電を激写、その後も徒歩でソウル市庁前を経て明洞北のロッテ百貨店に至り、高級海苔を安く買って土産にするという (免税店はボッタクリ)、雨が降っていなければ楽勝な遊撃隊式速度戦を展開するべきか否か、非常に危ぶまれました……。



 しかし、韓国出張初日と最終日の自由時間を使い、折角ここまで、困難を困難と思わぬ英雄主義的パルチザン精神を発揮し、保存車両攻略戦を完遂してきたものであります。最後のメニューをすっ飛ばして再び1号線に乗り、直接市庁駅まで行くという行為は、恥ずべき敵前逃亡に他なりません。そこで、「土砂降りも延々と続くものではあるまい。西大門駅から地上に出る頃には雨も一旦弱まるだろう……」という革命的楽観主義を胸に秘めつつ、新吉駅のクッソ長い連絡通路を進んだのでした。そして5号線のホームに着くと目の前で電車に逃げられ、「混み合うくせに日中6分間隔でしか来ない日和見主義」と闘ったのち、無事西大門駅から地上に出てみると……ををっ、本当に小降りになっている♪ そこで、「這是最後的闘争、団結起来……♪」と精神を奮い立たせながら小走りに進み、ついにソウル歴史博物館前に到着! 完璧に日本風の風貌ながらも、窓周りのRが最高に優雅な京城→ソウル市電の実車とついに対面し、保存状態の良さに惚れ惚れとしつつ、フラットな光線状態を活かして様々な角度から撮りまくったのでありました……。

 というわけで、ソウル首都圏でここ数年内に現れた保存車両群の現状をご紹介して参りましたが、かつて鉄道趣味不毛の地であった韓国において、少しずつ文化財としての鉄道車両への認知が、「日帝残滓」であるか否かに関係なく高まりつつあることは大変結構なことであります。個人的には、もし仮に北の問題が軟着陸するならば、北でボロボロになりながらも現存する鮮鉄車両を徹底レストアしてコレクションした、横川の鉄道文化むらに比肩するような施設が出来ることを妄想したいものですが、まぁこればっかりは当面大法螺吹きの誹りを免れないでしょうか (下手すりゃ北が南を統一してしまうかも知れないのですから)。

現存するソウルメトロ1号線田の字窓車

2018-09-22 15:00:00 | 韓国の鉄道


 側聞するところによると、奈良線のウグイス103系は消滅に近づき、残る103系的田の字窓車は和田岬線と105系のみとなったようですが、桜井・和歌山線の105系についてもついに代替用の227系がお披露目された今日この頃。寂しいものですね……。
 ところが何と、ソウルメトロ1号線では、極めて103系的な風貌の車両が辛うじて現役で、ソウル首都圏の最重要動脈たる1号線〜韓国国鉄京釜・京仁・京元線を闊歩しています。このサイドビューで製造された韓国国鉄の初期抵抗車はとっくの昔に廃車となり、一部の中間車も中期抵抗車と運命を共にして消え……先月の9年ぶりの訪韓時にはてっきりもう見られないものと思っておりましたが、撮り鉄中に突然、田の字窓車をサハとして組み込んだステンレス新1000系が来たものですから超ビックリ!! 天気は最悪で、かなり厄介なレタッチを強いられましたが、無事その麗しの姿を形式写真的に記録することが出来ました……。



 そこで、何故こんな古株が、「製造後25年で廃車」をルール化している韓国で未だに生き残っているのか……と思いまして、西船junctionどっと混む様での概説を読んでみたところ、ソウルメトロ1号線の1000系 (韓国国鉄の初期抵抗車1000系と同じ車両) は、1989年に編成長大化のために追加新造された3次車がそれなりに多く (?)、中間車のみで編成を組み直した10連が今でもクリーム+赤帯で現役であるほか、ステンレス・VVVFの新1000系 (韓国国鉄5000系と同じ)の10連化にあたっては、サハ8両が4編成に組み込まれて現役とのことです。ステンレス車に合わせてグレーを塗っているのは独特ですが、中には調色を間違えて (?) やけに白っぽい車両があるのも、ケンチャナヨ的な雰囲気を感じさせてくれます。
 というわけで、新1000系に組み込まれた田の字窓サハは、恐らく25年ルールの特例として、新1000系がこの先廃車となるであろう数年後まで活躍を続けることになりそうです (予想)。いっぽう……1989年製グループは先頭車化改造車も含めて現役ということは……途中ですれ違ったクリーム+赤帯編成も電機子チョッパではなく、抵抗制御の田の字窓が特例として現役だったのか!! 
 ソウルメトロ1号線マンセー!! (駅はホーム幅が狭く、自動改札も通りにくい回転バー式なのが宜しくないですが)
 しかし遺憾なのは、1号線〜国鉄直通区間は余りにも長大で、往復するのに莫大な時間を要するため (仁川〜逍遙山とか、どれくらい時間かかるのやら。京釜線からの列車は、見たところ清涼里または光云大 (旧・城北) 折返しがほとんどのようですが、それでも遠いわな……)、クリーム+赤帯の豪華 (?) 編成にしても、ねずみ色サハ組み込み編成にしても、滅多に遭遇出来ないことでしょうか。