式子内親王 ○秋の色はまがきにうとく成行どたまくらなるる跡や月かげ 暮秋の哥なり。まがきの草などしほれたる を秋の色うとくなるとよみたまへり。手枕 なりしとはまがきの草など枯はてゝ月にさはる ものなく手枕に月の馴となり。秋の色 のうとくなれば又まくらにしたしく成を おもひ返したる心妙なり。 ※出典 新古今和歌集注(高松宮本)