嗚呼~!しらき

眠らない街、東京日記

引っ越し

2005年05月10日 01時03分53秒 | Weblog
ついこの間の話になるが、ニュースで9年間騒音による嫌がらせをしていた主婦が捕まった。

「全く、近所にあんな住人がいたらたまったもんじゃないよ。」

私は人事のように思ったが、すぐ我にかえった。だっているではないか?!私の真下に…。

私もニュースで流れていた夫婦のように下に住む奇声を発する住人と戦っていた。
気違いVS修羅鬼。

結果はいうまでもなく気違いの勝利に終わった。

だが私も抵抗しなかったわけではない。

あいつが奇声を発すれば地味にステップを踏んでみたり、それでもやめないときは、奇声をテープに録音してみたり、さらにやめないときは、警察を呼んだりと手を尽くした。

しかし、そういう奴というのは不思議なことに動物的な勘が異常にすぐれている。

警察をこっそり呼ぶと急に静かになるのである。

さっきまでブンブンと嫌がらせのように飛んでいたハエがハエ叩きを手にとったとたんに姿を消すのとよく似ている。

そんなイタチゴッコな生活を続ける中、私はこれ以上この場所に住めないと思いはじめた。そして契約更新の時に引っ越しを決意したのである。

だが、このまま黙って引っ越しするのは正直くやしくてしょうがなかった。

私は最後にあいつに何かをして部屋をでることにした。

そして、部屋をでる最後の日。

私は下に住むあいつにささやかな歌のプレゼントをしたのであった。

『引っ越し~、引っ越し~、さっさと引っ越し~、しますよ!』

私は大声でこの歌を熱唱した。何度も何度も…。

下のあいつがまた騒ぎだしたところで、私は4年間世話になったその部屋を走ってあとにするのであった。