土用の丑(うし)の日を前に、ウナギの卸売価格が急上昇し、過去最高に迫る勢いだ。天然ウナギが減り、養殖用の稚魚が捕れなくなっているためで、自然保護団体からは絶滅を心配する声さえ聞かれる。今年のかば焼きは、ほろ苦い味になりそうだ。
濃厚なにおいが漂う東京・神田の「うな正」入り口。「ウナギの値上がりでサイズが変わることがある」との張り紙が目を引く。店主は「価格を据え置く苦肉の策」と、すまなそうに話す。大手スーパーのイオンでは、1尾の価格を昨年より100円高くした。
大阪市中央卸売市場でウナギを扱う大阪淡水魚貝によると、今年7月平均の1キロ当たりの卸売価格は2000円を超えるのが確実だ。例年の1400円前後を大きく上回り、2500円に近づいた1999年に次ぐ水準だ。
昨年も夏の需要期に向け値段が急騰した。普段はその後安くなるが、秋からの稚魚の漁獲量が日本、中国、台湾のいずれの産地でもピークの半分以下に落ち込み、価格が下がらないまま夏場を迎え、さらに上昇した。
ウナギは近海で稚魚を捕獲して養殖池で育てるのが一般的だ。天然のウナギは産卵場所すら正確に分かっていない謎の多い生物で、卵からの養殖が極めて難しいためだ。
米国の野生生物取引監視団体「トラフィック」は、稚魚乱獲がウナギを絶滅に追い込む可能性があるとの報告書をまとめている。
ウナギに詳しい日本養殖新聞の高嶋止戈男社長は「稚魚の漁獲量は減っており、いつか消費者の手の届かないものになってしまうかもしれない」と気をもんでいる。
サンケイスポーツ 2005年7月21日
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濃厚なにおいが漂う東京・神田の「うな正」入り口。「ウナギの値上がりでサイズが変わることがある」との張り紙が目を引く。店主は「価格を据え置く苦肉の策」と、すまなそうに話す。大手スーパーのイオンでは、1尾の価格を昨年より100円高くした。
大阪市中央卸売市場でウナギを扱う大阪淡水魚貝によると、今年7月平均の1キロ当たりの卸売価格は2000円を超えるのが確実だ。例年の1400円前後を大きく上回り、2500円に近づいた1999年に次ぐ水準だ。
昨年も夏の需要期に向け値段が急騰した。普段はその後安くなるが、秋からの稚魚の漁獲量が日本、中国、台湾のいずれの産地でもピークの半分以下に落ち込み、価格が下がらないまま夏場を迎え、さらに上昇した。
ウナギは近海で稚魚を捕獲して養殖池で育てるのが一般的だ。天然のウナギは産卵場所すら正確に分かっていない謎の多い生物で、卵からの養殖が極めて難しいためだ。
米国の野生生物取引監視団体「トラフィック」は、稚魚乱獲がウナギを絶滅に追い込む可能性があるとの報告書をまとめている。
ウナギに詳しい日本養殖新聞の高嶋止戈男社長は「稚魚の漁獲量は減っており、いつか消費者の手の届かないものになってしまうかもしれない」と気をもんでいる。
サンケイスポーツ 2005年7月21日
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