
531億円とは東京23区から流出した税金の額です。
でもそれは国がもくろんだ「ふるさと納税」の目的だから,国の政策としては大成功ということになります。
昨日の読売新聞の夕刊の一面記事です。
「ふるさと納税が浸透する中で、東京23区では今年度、区民税の約5%にあたる計約531億円が他自治体に流出した。多くの人が寄付先を選ぶ年末を控え、区側も新たに魅力的な返礼品を用意するなどして、PRに懸命だ」
さらに「『これだけの財源を持っていかれれば、何かしらの対応が必要だ。』今年度、区民税約10億円が減収となった東京都台東区の越智浩史・企画課長はそう強調する。10月から返礼品を導入し、本格的にふるさと納税を呼び込むことを決めた。」
と続いています。
東京都など中央の豊かな自治体の税収を地方にばらまくための方策が「ふるさと納税」なんだけど,やられっぱなしでは23区だって黙っていられませんよね。
ボクは以前から「ふるさと納税」という誤った政策について何度もこのブログで批判しているけど,こんなバカげた制度は早急に廃止するべきです。
野党はなぜ黙っているのか理解できません。
「ふるさと納税」が寄付だなんていうから国民は騙されたふりをして返礼品を貰ってしまうのでしょう。
「ふるさと納税」をしなかった人の税金で返礼品を貰っているという後ろめたさを感じてほしい。
今朝の朝刊でこんな記事を見つけました。

三鷹市立の「三鷹の森ジブリ美術館」がコロナの影響による苦境を寄付で乗り切ろうとしているというのです。
そこまで読むと素晴らしいお話です。
しかし,その先を読むと「ふるさと納税」制度を使って寄付を募った,と書いてあるのです。
ここでも「寄付」という善意の言葉が出てくるのですが,「寄付」?額から2000円を差し引いた額は税控除されるのだから「寄付」とは名ばかりです。
さらに返礼品分というおまけつきです。
それに比べて,海外からはジブリ美術館を助けようという善意の寄付が6000万円も集まったというのです。
このことを海外から寄付した人が知ったらどう思うのだろう。
これでは日本の寄付文化は根付くどころか消えてしまいますね。