--Katabatic Wind-- ずっと南の、白い大地をわたる風

応援していた第47次南極地域観測隊は、すべての活動を終了しました。
本当にお疲れさまでした。

ドラム缶移動

2006-12-14 | 南極だより・作業
<この記事は12月18日にアップしています>
まもなく48次隊が到着してしまうので、アップし損ねていた受け入れ準備の記事を焦って書いています。
こればっかりは、到着してから書くのでは、おかしいですものね。
それでは、渡井さんからの南極だよりです。
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2006年12月13日(水) 晴れ ドラム缶移動

昨夏、水汲み沢にデポしておいた燃料ドラム缶を、3日間かけて車庫脇に移動した。
48次隊が搬入するドラム缶の場所を空けるためである。
初日はW軽、2日目は南軽、そして今日がJet A1。
全部で500本ほどか。

作業内容としては、水汲み沢でドラム缶の回りについた氷をバールで割り、高松さん@機械のラフターで玉掛けしてトラックに21本載せる。
車庫脇では森山さん@機械が別のラフターでドラム缶を下ろし地面にデポする。
輸送用トラックは2台体制でほぼボトルネックなしに作業を進めることができた。

ドラムについた氷をバールで落とし力技で地面から剥がす作業は、一瞬どこかで行ったような感覚を覚えたが、ブル、アバンセでドラム缶を小突くことによって、なんなく氷から引き剥がすことができ、体力的に余裕を持って作業を終えることができたのは幸いであった。


#氷から引きはがしてトラックに積む

#トラックから降ろして、車庫のそばに並べる

-----12月13日本日の作業など-----
・「日刊昭和」執筆
・ヘリウムカードル移動
・Jet A1移動
・CO2, CH4, CO, O3濃度分析システムチェック
・炭素同位体比分析用大気採取
・温室効果気体濃度分析用大気採取
・二酸化炭素精製
 フラスコのコック開け忘れ…
 濃度測定とあわせて再サンプリングの予定
・通路棟の写真コンクールの人物部門写真の撤去
 48や自衛隊、VIPなどの来訪者対応だが
 風景写真だけだといまいち血の通っていないイメージがある
 全部剥がしてしまった方がいいように思う

<日の出日の入>
日の出 なし  
日の入  なし  
<気象情報>
平均気温-1.4℃
最高気温1.9℃(1553) 最低気温-5.1℃(0207)
平均風速2.3m/s
最大平均風速3.8m/s風向WNW(1600) 最大瞬間風速5.6m/s風向SSW(2300)
日照時間 22.4時間

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この南極だよりを読んで思ったのは、道路が開通?しているのかということでした。
昭和基地WEBカメラ リアルタイム画像では、地面の見えるところがかなり増えて、カメラ4の気象棟前は雪のかけらも見えません。
あちらこちらに砂撒きをして、思いのほか除雪がすんでいるのでしょう。
水汲み沢のドラム缶デポ地は、最後のS17オペレーションで燃料を持って行ったときに、南極だより「橇積載」として送ってくれています。
雪上車で行動できるくらい氷厚のある時は、海氷を通ってデポ地まで行っていました。
しかし、今は海氷が安定しない季節になり、逆に雪が融け(除雪し)道路が開通したので、トラックで運べるようになったのですね。
トラックならば、水汲み沢の坂道を橇に追いかけられることもありませんね。
また、冬の間何日も何日もドラム缶掘り起こしで鍛えた?力や技術も、雪解けと重機のおかげですんなりと運べた模様。
S17で何本のドラム缶を掘り起こしたのか(ドラム缶だけではないけれど)ちょっと忘れてしまったけれど、500本のドラム缶を掘り起こすのにかかる日数はかなりのものだと思います。
こんなところにも「夏になった南極」が読み取れます。
さあ、あと数日もすると、Aヘリで48次隊によるドラム缶転がしが始まりますね。

余談ですが、渡井さんって、本当にドラム缶と仲がいいんだと思いました。
帰りの「しらせ」に空ドラム缶を積み込む作業に携わったら、またドラム缶の記事を書いてもらいたいものです。

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