JAHPON LAND( Pucci )

スケートファニチャーやステンドグラス作品などJAHPON.comとして活躍する作家 土屋隆亮(プチ)のメッセージ!

INTO THE MILD 34

2011年02月04日 | INTO THE MILD
 彼女の家は お母様を中心に 姉2人弟1人のワイワイ家族。厳しく凛としたお母様は恰好良いゴッドマザーなんだ。色んなタイプの結婚式場を見学したけど お母様の結婚式アルバムを見て 二人共それが気に入ってしまったんやな。白黒写真に映る姫路 護国神社での神前式に 広い畳の大広間での披露宴。古めかしい会場は 今は亡きお父様が修行した 叔父様の店 割烹 森富。
 早速 挨拶と見学に行きました。流石 納得のいく料理は勿論、沢山の素晴らしい骨董品を丁寧に名前を付けて展示されている様子は まるで博物館か美術館!な二階は強烈に おれを惹き付けましたが、何よりも 日本画や工芸作品を上品に配した 会場やロビーの内装がレトロで素晴らしいのです。宴会スタイルの披露宴は座敷での足が痺れる問題を嫌って時代遅れな様で、決意は固まりつつも彼女は客人に 押し付けになりやしないか悩んでいたんだ。おれは「リスク以上に楽しいおもてなしが出来れば 本軸を曲げること無いで」と強引な思考で、意地になって「こんな素敵な旧式の式は もう今世紀最後だろうな」と思わせてやる!と おれは意気込みながら、彼女の「より不便に配慮しなければ意味が無い」と たしなめられながら計画をまとめてゆくのです。
 絶対いい天気になると脳天気に計画した通り 完璧なポカポカ陽気の11月4日イイヨの日、姫路城前の護国神社に赤絨毯が敷かれ 雅楽の生演奏が流れる中 宮司さんを先頭に親族との行列 白無垢 綿帽子に番傘で昔話の嫁入り行列の様に始まりました。緊張の中 儀式は かしこみかしこみ~と進み、誓詞を読み上げ、遂にお待ちかねの指輪の交換。一生身に付ける指輪は「ヘラクレスノット」と呼ばれる荒縄の様なロープが二周しているデザインで お揃いの22金に。「強く固い絆」結び目に表わされる事の多い 神話に登場する「力の象徴ヘラクレス」が好きだったおれはもう勿論 彼女も素朴な雰囲気に一目惚れで決まりました!
 男が堂々と着けられるアクセサリーが嬉しい 乙女な おれは、暇さえあれば 指輪をクルクル回して ぼんやり無になれるのです。くだらない変な指輪を着けていた青臭い昔の自分を想うと「これこそが本当の指輪なんだな~」と、しみじみと結婚を手触りするんだわ。さっきも 今も ずっと!ああ、何て単純でバカなおれ~クルクルクルクル つづく~