中国家電大手の格蘭仕(ギャランツ、広東省仏山市)は約1千万ドルを投じて大阪市内に研究所を設立した。日本人技術者を雇用し、エアコンの中核部品や環境に配慮した新素材の開発などに取り組む。兪尭昌副総裁は「高い技術力を持っていれば、年俸1千万元(約1億5千万円)以上も可能」と話す。中国で需要拡大が見込める省エネルギー型家電の開発力を高め、ライバル各社との競争激化に備える(日本経済新聞2006年3月6日より抜粋)。
2002年の北京週報の報道によれば、当時、格蘭仕は世界最大の電子レンジメーカーである中国家電のOEMブームの典型的な代表であり、年間に電子レンジを1500万台生産する小型家電メーカーである。
しかし、格蘭仕の兪尭昌副総裁は「・・・多国籍企業の産業移転の機会をとらえて、速やかに大がかり、徹底的に自社の製品を生産すべきであり、これこそ実務的なやり方である。」と主張し、格蘭仕は次元のより高いOEMに向かう路線を進んでいた。そして、数年来、格蘭仕は多国籍企業の最も先進的な生産ラインを移してきて、日本の電子レンジの中核技術を完全に買いとり、毎年、技術開発に2億余元を投じている、とも報じられている。
格蘭仕の日本上陸は何を意味しているのか、中国の企業、また日本の企業にどのような影響を与えていくのか、果たして格蘭仕の狙いは実現していけるのか。その進行形を見守りたい。
格蘭仕の奮闘振りにも触れた2002年の北京週報の報道についてご関心のもたれる方は、欒頡 「中国は新たな製造中心となるか」 をお読み下さい。