Suzanne Enoch. 1997, 2006. Lady Rogue. Avon Historical Romance.
最初の数章を読まないとお話に入っていけない作品ってよくありますよね。
でもこれは読み始めたら止まりません!久々のオススメ。
<Spotlight on Suzanne Enoch>で他の作品もチェック
Story:
Dialogue:
Hero:
Heroine:
Sensuality:
Christine "Kit" Brantley は男の子に変装したフランス側のスパイです。 ハンサムで女たらしのAlex(Everton伯爵)が自分達の邪魔をしてるんじゃないかと、彼を見張るためにKitの父親はあれこれ理由をつけてKitをAlexの家に置いて、自分は兵器の密輸入をアレンジしにロンドンの下町に消え去ります。
何かある、とKitを一目見た瞬間から悟ったAlexは、もちろん、ウスノロなんかではありません。すぐにKitが実は女だと見破りますが、何が目的でここに来たのか探りださなければいけません。
しかし、男装の下に隠された彼女の肉体や、冒険心が強く自立した性格、且つ、女性としての酔ってしまうような魅力に惹かれていきます。
何が良かったって、Alexが徐々にKitに惹かれていく様子です。家にいろ、と言いつけてあるのに、一人でフラリと出て行ってしまうKitにイライラ、でもかわいい。
敵とは寝ちゃいけない!でもついつい手が出てしまう…。
実はKitは、父親が何か危険なことをしようとしているのは知っているのですが、はっきりと何かは知らないんです。
貧乏なため、ウィスキーやお茶などの密輸でボチボチ生計を立ててきた親子なのですが、前回邪魔が入ったんです。
それがどうもイギリス側のスパイで、そのスパイはAlexなんじゃないか、もしそうだったら彼がまた自分達の邪魔をするのを阻止しなければいけない、というのがKitの知るかぎりでのミッション。
Alexのことがだんだん好きになりはじめるKitは、父親かAlexか、と敵同士の二人への忠誠心の板ばさみとなります。
Enochならではのユーモアも冴えていました。
二人の会話や、Valetが加わったときの会話は爆笑もの。
さらに、仕立て屋がKitの寸法を測るのをAlexが窓ガラスの反射を通して見ているシーンがあるのですが、この思春期の男の子のような行動には大爆笑!!!
今でも思い出し笑いしてしまうほど、私の中では大ヒットです。
A Must Read!
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Lady Rogue 面白そうですね。
私もSuzanne Enoch大好きです。(London's Perfect Scoundrelが一番のお気に入り)早速注文しました。
out of printになっていた作品が再版になるのは嬉しいですね。
最近メアリ・バログの昔のSignet時代の作品をぽちぽちチェックしていますが、値段が高くて。
ところで、Georgette Heyer の These Old Shades 傑作です。謎と陰謀と恋と冒険そして笑いがいっぱいで、この本をまだ読んでいない人がうらやましい位です。
今年もk様のブログを参考にさせていただいて面白い本をたくさん読みたいと思っています。
また、Lady Rogueを読まれたら感想聞かせて下さいね。
これはずっと読みたいなぁって思ってて、今回再版となって嬉しかったです。
Enochのコンテンポラリー、Flirting with Dangerもなかなか良いですが、monakaさんはコンテンポラリーも読まれますか?
私はヒストリカルのほうがやっぱりいいな、と思いました。
London's Perfect Scoundrel、私も大好きです!なぜか先日スーパーで再版になったのが売ってたので、スッと買ってしまいました。今度読み直します。
GHのThese Old Shadesですか。要チェックですね!
私の次のGHはApril LadyかSylvesterです…。楽しみ
BaloghのSignet時代のもの、高いですよね~ 欲しいものばっかりなのに。
ホームページには昔の作品をどんどん再版していきたい、とかって書いてある(はず)のですが、今年はどれとどれが再版されるんでしょうね。近いうちにホームページチェックですね。
monakaさん、こちらこそ今年もよろしくお願いします。コメントいただくのは本当に嬉しいんですよ。普段ロマンス本でこんなにおしゃべりできる人って周りにいないし。
仕事が始まると更新のスピードがガクンと落ちますが、気長にお付き合い下さい。
(…もしかしたら今期は大学から干されるかもしれないのでたっぷり更新できるかも…)
原書で読むのはもっぱらヒストリカルばかり。
それもリージェンシーが一番好きで、冒頭に"1813"とかあるとほっとします。
過酷な中世、陰鬱なヴィクトリア朝(これはまったく自分勝手な思い込みですが)と比べてロマンチックな恋の鞘当が最も似合う舞台じゃないかな~、とリージェンシーファンとしては思うのです。
>コメントいただくのは本当に嬉しいんですよ。普段ロマンス本でこんなにおしゃべりできる人って周りにいないし。
ホントですか?そういっていただけて嬉しいです!
色々教えていただけるけじゃなくて、おしゃべりまで楽しめるなんて!!
お言葉に甘えてまたお邪魔させてもらいますね。
同感です~!社会の厳しい規律や様々な責任感など、今の時代ではほとんど全くロマンスに絡んでこない要素がお話をさらにロマンチックにさせていると思います。本人達にはどうすることもできないじゃない時とかあるじゃないですか~。
手を握るにしても一目を盗んで…、とか(想像力も激しいし^^;)ドキドキします。
このLady Rogueや、他にも男装に関連したお話はたくさんありますが、こういうのもこの時代を舞台にしたお話でなければおもしろくないと私は思ってます。
当時の服装は現代よりもFemininity・Masculinityを強く象徴する働きがありました。社会が「女・男(らしさ)」のイメージを形作るのに服装は重要な働きがあったんです。
「いや、女だってわかるでしょー」って思われた読者も中にはいたかもしれませんが、実は思い込みから案外分かんないもんだったんですよね。
だから私はこの手のお話もHR独特で好きです。
男装・女装系のお話で私のお気に入りは、Sandsの"Switch"や、Heyerの"The Masqueraders"です。
Lady Rogueでは、ヒーローが、男装に包まれたヒロインの体を「あーだこーだ」想像してしまう様子がもどかしくも、かわいかったです。
>色々教えていただける…
そんな!monakaさんは先日リージェンシー時代に関する本も買われたし、これからはこちらが教えていただくことになるでしょうね~
またいらして私のおしゃべりに付き合って下さいマセ(笑
drawersさえはしたないと思われていた時代に、下半身にぴったり張り付いたズボンって、とてもエロチック。お尻の形で、ばれたりしてますし。
トレヴァー・ナン監督のシェイクスピアの"TWELFTH NIGHT"では、股間にハンカチ詰めてました。
できるヒーローは(女性経験も豊富ゆえ)結構早く見破ったりしてますが、それに比べておバカなのがk様もお気に入りにあげていたCeleste Bradleyの”The Spy"のヒーローJames。
養子の男の子のtutorに雇ったPhillipが実は女の子と気付かず、自分がたくましく鍛えてやるとばかりにGentleman Jacksonのところに連れて行くシーンには大笑い。そんなに鈍くてよくスパイをやってられるねって話です。(実際敵の女に手玉にとられっぱなしだし。)
Bradleyは”Surrender to a Wicked Spy”もそうですが、笑える話がいいですよね。
Lady Rogue 早く読みたいな。
当時、実際に見た男性はびっくりしたでしょうね!
イギリスのCH4だったかな?で"Regency House Party"という番組の中で、ある男性が当時の女性の服装について「想像が膨らんでいいね」なんて言ってたのが印象的でした。
これも考えると、当時の紳士達にとって、女性のお尻の形そのまま見えてしまうズボンには、ホントびっくりで目が離せなかったでしょうね。(笑
>股間にハンカチ
David Tennant主演の「Casanova」に出てくる男装のオペラ歌手は手触りも形も似せて作ってありましたよ…
>Bradleyは”Surrender to a Wicked Spy”もそうですが、笑える話がいいですよね。
そうですね
主人公達の会話にはいつも爆笑です。
>Lady Rogue 早く読みたいな。
いつ届くんでしょう
読まれたら感想聞かせてくださいね!
Lady Rogue読みましたよ。
はぁ~、面白かった。
ヒロインのKitがとってもチャーミング!
Alexと一緒にいっぺんで魅了されちゃいました。
男の子として生きることを強いられ、世間の汚い面も体験しながらそれに染まりきらずにピュアな部分を持ち続けている…ってGeorgette Heyer のThese Old Shadesのヒロインと同じだ(しかも二人ともパリの裏町暮らし)でもヒーローはThese Old Shadesみたいに悪魔じゃないけど。
Enochは映画が好きだそうですが、どの場面も絵が浮かんできて活字を追いながらも同時に動画を見ているようで二倍楽しめました。
kさんも挙げている採寸のシーンや、Kitが初めてドレスを買ってもらって試着する場面など、とても印象に残っています。素敵な美女に変身してヒーローがそれを見て感動、とならないところがとてもよかった。
それから、AlexとKitが性的に惹かれあうところも巧みに描かれていましたね。
シャツのすそをズボンにたくしいれる仕草があんなにエロティックだとは。しかもお互いに対し同じように感じているのが笑えます。
前半は明るくて楽しくてずっとニヤニヤしながら読んでいるんだけれど、その底の方にはいつかやってくる悲劇の予感みたいなものがあって、後半になってどんどん緊張感が高まっていって、これがロマンス小説とわかっているからいいようなものの、そうでなければ絶対KitかAlexが死んじゃうんだ、と別バージョンまで想像しながら読んでしまいました。
こんなに面白いロマンスを読み逃していたかも知れないと思うと紹介してくださったkさんに感謝、です。
Lady Rogue、読了お疲れ様です
楽しまれたようで、良かったです。(ホッ)
Enochは最初の頃からこんな勢いだったのかとびっくりさせらる一冊ですよね。
ホント、一シーンずつ目に浮かぶようですし
monakaさんがおっしゃるように、前半のユーモアたっぷりの流れから、どうやったらハッピーエンドになるんだろうと切ない気持ちいっぱいになる後半…と最後まであきることがありませんよね。
感想、ありがとうございました!
次のEnochのヒストリカルの新刊も待ち遠しいんですが、コンテンポラリーも読み進んでみようかな~と思っているKです。